ユー・イングリッシュ代表取締役 中山 裕木子のブログ


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  日常, 英語表現, 講師 

京都ラジオの佐藤弘樹さんのこと

昨年末に京都のラジオ番組に出演させていただきました(→ブログの過去記事はこちら)。

 

そのあと1月より、ラジオの長寿コーナーワンポイントイングリッシュで、拙著「英語は3語で伝わります【どんどん話せる練習英文100】を使ったレッスンを毎日行ってくださっていました(→ブログの過去記事はこちら)。

 

 

嬉しいなあ、お礼を言いたいなあ、とずっと思っていて、ようやくラジオαステーション様宛てに、お礼のお手紙と少しの菓子折をお送りしたのが、4月1日。

 

年度が変わってしまう、いよいよ急がねば、と4月1日付けにて、お送りしました。

 

そうしましたら、くしくも佐藤さんが4月1日から2週間のお休みに入られたとのことを知りました。

 

タイミングわるくお送りしてしまったなあ、などと思いながら過ごしていました。

 

番組をお休みされるなんて、おめずらしい。旅行にでも行かれているのかな。でも新年度の1日から旅行?などと思っていました。

 

 

お休み中も毎日「お休み中の佐藤弘樹が出てくるワンポイントイングリッシュです」と、録画らしきお声にて、レッスンをすすめられていました。

 

そして「リフレッシュしてきました」とのひと言にて番組にお戻りになられてからも、拙著を使って下さっていました。

 

 

 

ご病気療養に入られる5月半ばの最後のレッスンは、100例文中の85番目、We value _____.という練習文。

 

We value quality.(品質を第一に考えています)

We value our customers.(お客様を大切にしています)

valueのように名詞がなじみ深い単語を動詞で使えることがある…

 

 

 

あれ?佐藤さんの声が、何か、おかしい・・・。

 

ワンポイントイングリッシュが超特急で終わっていくし、とにかく何か、ご様子がおかしい。

 

 

それまでずっと、佐藤様には個人的にもお礼のご連絡をしたかったのですが、ただの一リスナーに過ぎない私が、自分の書籍を使っていただいたからといって、ご連絡をしてはいけないように感じて直接のお礼の言葉を控えていたのです。

しかし、そのときの妙な胸騒ぎというか、今お礼を言わなければ、もう言えないかもしれない、そう思って、即座にお礼のメールをしました。しかし、メールのお返事はいただけませんでした。

 

 

 

 

英語の長寿番組をもたれていた佐藤弘樹さんが、数ある英語本から、私の書籍を使ってくださったこと。

 

そして5ヶ月近くも、毎日、3語の英語を解説してくださり、しょっちゅう「ナカヤマユキコさん」と番組内で呼んでくださっていたこと。

それは実は、夢のような日々でした。

 

 

なぜなら、私は佐藤弘樹さんの隠れファンだったからです。

 

英語の解説が素晴らしくて、20代、30代、自分がとても苦しかったとき、車の運転中にラジオから流れたワンポイントイングリッシュの佐藤さんの解説に、何度か救われました。

 

深くて、厳しいけれど優しい、といった解説でした。

 

 

私が15年ほど前にはじめて担当した技術英語セミナーでの受講者からの質問「untilはその時点を含みますか?」の答えをくれたのは、実は佐藤さんでした。

 

ラジオでuntilに触れておられたのをたまたま耳にして、詳しく聞きたいと思い、当時私は多忙で都合がつかない十数回の公開講座に申し込んで、そのうちの一回を使って会いに行ったのです。

 

そうしたら、見事なまでに、その場で私が探していた答えを上手く説明してくださり、感銘を受けたものです。「untilはその時点に触れるけれど、突き通す概念ではないんです」という解説でした。

 

そのことを振り返ってブログに触れたことがあります。振り返りのブログを書いたのも、もう5年前。

 

 

●前置詞を探る—untilはその時点を含むのか?(2014年11月24日)

https://www.u-english.co.jp/blog/?p=400

 

●前置詞を探る-untilの答えを探して(2014年11月24日)

https://www.u-english.co.jp/blog/?p=402

 

 

また、運転しながら思わず書き留めた上手い日本語による英語の説明が、佐藤さんのラジオにはありました。

 

 

そんな佐藤さんと、3語の英語を通じてここ数年にラジオの場でリアルにお会いできたことは、とても光栄でした。

 

 

ラジオでの生の佐藤さんは、ここでもまた、余裕の貫禄と暖かさがありました。

 

そうか、ラジオっていうのは言葉だけが勝負だから、こんなにゆっくりはっきりと話されるのですね・・・と近くでそのご様子を観察していました。

 

こういう世界で生きてきた人というのは、相手(リスナー)のことを考えながら伝えるということのプロですね・・・と思いながら観察していました。

 

そして私が失敗したなと反省した内容がありましたが、「生放送は本当にタフです。そんな中、上手くやってくださいました、お世辞ではなく」などとの優しいお言葉まで。

 

 

 

さて、佐藤さんが私の書籍を気に入って使ってくださったのは、種を明かすと、佐藤さんご自身のレッスンが書籍の随所に、私による執筆を通して、存在していたからでしょう。

 

形は変わっていますが、きっと、10年前、20年前の私にヒントをくれた佐藤さんのレッスンが私の書籍にも存在していて、そんなご自身に対して、共感されているのだろうな、と1月から5月のレッスンの最中にはよく思っていました。

 

 

 

 

 

ラジオは毎日聞くわけではないですが、ふとしたときに、そこにあった。ふとしたときに、ヒントをくれた。そんな存在であったように思います。

 

 

古き良きラジオの時代を強く生き抜かれた佐藤さん、本当にありがとうございました。多くの京都人の心に残る存在でした。

そして私にとっては、ワンポイントイングリッシュ、そして3語のワンポイントイングリッシュはとてもエキサイティングでした。

 

 

最後にお目にかかった(というか見せていただいた)ときに熱く伝えられていたLife is worth living.というメッセージ、日々のやわらかなお声の裏側にあった本当にタフなお仕事ぶり、そして最後に示してくださった仕事への愛情が、私の心の中に焼き付いています。