ユー・イングリッシュ

ユー・イングリッシュ 中山裕木子 ブログ

授業のウォームアップで発音を聞き比べ


ニュースの公式YouTubeを使った英語の勉強を「シンプルな英語」(講談社)ではおすすめをしました。

 

私は色々な国のニュースを聞き比べて楽しんでいます。自分にとって克服したい英語はどれか、そしてどの英語の音が好きか、といったことに応じて、どこの国の英語を使うか決めれば良いと思います。

 

 

まずはやはりアメリカとイギリスの英語の違い。

発音はもちろんのこと、言葉使いも結構異なります。

 

それを学生にも体感いただきました。

 

同じニュースでの聞き比べを目的に、このニュースを使いました。

 

https://www.youtube.com/watch?v=ud7hI1A2jN4(英:10月27日)

Princess Mako, the niece of the Japanese emperor, has married her non-royal fiancé…

 

https://www.youtube.com/watch?v=NuTB1t9dXRc(米:10月27日)

Tonight a marriage that’s breaking up a royal family, Japan’s princess Mako, the eldest daughter of crown prince Tomohito and a niece of the reigning emperor, …

 

 

まずは動画に出てくる単語をいくつかピックアップ

 

niece(姪)

relentlessly、relentless(無情な、容赦ない)

crown prince(皇太子)

emperor(天皇)

 

辞書

*reigning emperor君臨している天皇(=the reigning emperor [king] 現皇帝)

*the crown  王位, 帝位, 王権, 君主, 国王

 

 

■そしてはじめにイギリス英語を

BBC News

特徴的な発音 years of:after years of public controversy

他動詞left the imperial family: This is the moment when princess Mako left the imperial family,

bowing to her mother and father. 分詞

単語rigid: the rigid formality

特徴的なアール発音forward:as princess Kako stepped forward to give her old sister a warm hug.

やはりアール発音が気になるdesire, clear: deep desire to make a life together… It was clear that her choice of…

アールの中でもhereは格別:… did not meet the approval of many here.

名詞(widow:未亡人)が動詞のように働き、結果、形容詞(widowed)になる単語:widowed mother

などなど、若干マニックな解説も含めながら、とにかくシャドウイングをしていただきます。

 

 

■次にアメリカ英語

NBC News

冒頭からアメリカらしい英語choose love over the crown: Tonight a marriage that’s breaking up a royal family, Japan’s princess Mako, the eldest daughter of crown prince Tomohito and a niece of the reigning emperor, CHOOSING LOVE OVER THE CROWN.

 

その後も続く、先の英とは異なる描写sweetheartや動詞使いwed(英では普通にmarry):

Today, she was wed to her college sweetheart.

 

次に着目したいのは「口のつながり」具合。イギリスが一つ一つの発音にしっかりイントネーションを入れていたのに対してアメリカは「ならなら~のらのら~(?)」と口がなだらかにつながった発音。どこか「くねくねした印象」すらある。

The couple was first engaged in 2017, but the marriage was delayed following a financial scandal involving the groom’s mother, …

 

そして描写もやや生々しくもありますが、そこは気にせず淡々とシャドウイング・・・

leading the public to question whether they were marrying for money. The backlash was severe.

 

 

*****

学生の感想:

イギリス英語をこれまであまり意識していなかったが、アールの発音が予想外に下がったり、という特徴が見られた。

内容を知っているニュースだったので、聞き取りやすかった。

 

 

I hope you enjoyed the little warmup session. Thank you!

 

授業のウォームアップに使う動画


大学での理系ライティング授業がオンラインになって以来、「ウォームアップ」の準備をこれまでよりも頻回に行っています。

 

オンラインは無音で緊張感もあるので、「これから英語を学ぶ」というウォーミングアップが必要と感じるためです。

 

また、オンラインの授業は英作の提出も資料の共有も対面よりもスムーズなので、多めの内容がカバーできますから、90分という限られた授業の中でもウォームアップに使う時間を捻出しやすい。

 

話題性のあるものや、理系の内容や、様々な短い動画を使います。

 

今回は少し趣向を変えて、授業の内容に関連するもの。

「マニュアルの作成」を題材にして行った授業にて、電動歯ブラシの使い方の1分動画にしました。

 

https://www.youtube.com/watch?v=UUXAivWbnOw

How to brush your teeth with an electric toothbrush?

 

1度流して内容や画像を把握。

2回目はYouTubeの速度調整機能で0.75倍に落として、シャドウイング。

音声に飽きたら、原稿をスライド表示して、動詞ほかのボキャブラリーを確認。

原稿を見ることで「聞こえない」原因を探ってもらうこともできます。音のつながりだったり、知らない単語だったり。

 

Oral-B Osclillating – Rotating brushing instructions

Wet brush head and apply toothpaste. You can use any kind of toothpaste. To avoid splashing, guide the brush head to your teeth before switching on the appliance. Move the brush head slowly from tooth to tooth along the gumline, spending a few seconds on each tooth surface. Brush the gum, as well as the teeth. First the outsides. Incline the brush head so the bristles can reach interdental areas. Then the insides, and finally the chewing surfaces. There is no need to brush hard or scrub. Let the brush do the work. More advanced models of Oral-B power brushes have a Gum Care Pressure Control system that alerts you when brushing too hard. Remember: spend 30 seconds on each quadrant of your mouth and brush your teeth at least two minutes twice a day. For the best results, dental professionals recommend to change the brush head regularly every 3 months.

 

The number one brand used by dentists themselves worldwide.

 

*原稿の作成は、今は自分自身がシャドウイングをして、スマホの音声認識機能をオンにして、スマホに書き起こさせています。それをPCにメールで送り、不具合をタイプで直します。

聞き取って書き起こしていた時代から比較すると、授業の準備効率は大きく上がりました。

使用音声にはテキストではなく生の題材を使ってきましたが、昔は音声や動画の抽出からウォームアップ資料の準備まで、かなり大変でした。今は色々な動画が使えるのでとても便利。

YouTube動画は授業中に広告が入って欲しくないのでPremium会員になったら、日々の自分自身のシャドウイングも効率化して快適。

 

 

 

さて、取り上げた単語は次の通り。

 

■1分の動画(Brushing instructions)に出てきた動詞・名詞など

 

動詞:

wet, apply, avoid (splashing), guide, move, spend, incline

reach

brush hard, scrab, let (the brush do the work)

have, alert, recommend, change

 

名詞ほか:

oscillating, rotating

toothpaste, appliance, gumline, surface, gum, teeth, outside

bristles, interdental area, quadrant

 

tooth(単数)

teeth(複数)

 

 

かなり充実したボキャブラリー。

 

文法項目も実はポイント満載で個人的にはexcitingですが(前置詞とか冠詞・単複とか)、その「熱」は押さえ気味にして授業をしています。

 

製品に関する動画はコンパクトでいいな、と思います。

 

電動歯ブラシの動画をいくつか見ると出てくるのがquadrant(4分の1の領域を磨きましょう、といった説明)。quadrantは一般的な単語であることを確認。

 

 

学生の感想:

シャドウイングをするとき、今日は落ちついてできたので、発音しながら内容を理解していくことができた。

 

私:

よかった。英語学習には「成功体験」が必須と考えています。「わからなくて心砕かれた」という体験よりも、「できた」や「少しずつできるようになってきた」と思ってもらえる授業を目指したい。

『シンプルな英語』の73歳の読者


シンプルな英語』の読者の声は、まだあまり聞いていません。

 

 

今回書いた本は、「生の私」があらわれている本です。

 

「英語は簡単」と涼しい顔をしていたいけれど、実際はそうではない。そこで、「英語は難しい」ことを隠さずに書きました。

 

 

自分が苦労してきた(そして今もしている)こと、工夫してきたこと、そして英語を教える中で経験したこと、の中から、読者の方々に役立てていただけそうと考える内容を盛り込みました。

 

 

今回、本当に自由な環境で書かせていただけたこと、出版社様に感謝しています。ときに厳しく、しかし大きな懐で書かせてくださった編集者様に、心より感謝しています。

 

 

著者へと10冊の献本をいただいたのですが、まずはいつも近くで英語の業務にいそしんでくれている社内スタッフへと渡しました。そして、本書に関連して過去に大変お世話になった方へ1冊を送り、昨年個人的にお世話になったと感じた方へ1冊を送り、そしてプライベートな方へ1冊手渡し。自分用に1冊。

 

以上で献本は使い切ってしまったので、あとは注文した書籍が届くのを待っています。30冊を注文しましたが、なぜかまだ届いておらず、他にお世話になった方や、お送りするとお約束した方へのお送りは、遅延しています。

 

 

さて、はじめに感想をくれたのは、社内スタッフ。

 

 

「私、中山先生の本を色々読みましたが、1番好きかもしれません。英語の勉強に関して、勇気づけられました。」

 

 

この声、とても嬉しかったです。「言葉」というのは何よりも嬉しいときがある、と実感した瞬間でした。

 

 

編集者様にその社内の声を報告しましたら、喜んでくださったようでした。

 

書籍の出版では、世の中に出したあと、嬉しさと心配さがまじりあいます。そんな気持ちを編集者様もお持ちくださっていたのかな、と感じました。

 

 

 

さて、次の読者は、70歳を超える私の身近な方。2日かけて、読んでくれました。そして「面白かった。」「良い本です。」という感想とともに、隅々までを読んでくれたことがわかるコメントをくれました。

 

 

「英語を前から順に読む方法」「ブロークンはやめよう」「冠詞の使い方」どれもこれも、数十年前に知りたかった・・・と。

 

 

「冠詞の使い方」まで読めたの? 正直、驚きました。

 

 

 

私:文字が小さいけれど、大丈夫だった?

 

 

相手:問題ない、全部読めたよ。コンパクトで持ち運び易いから、小さいことも、とてもいい。

 

 

 

シンプルな英語』を2人の読者に楽しんでいただけたことがわかり、大変に安堵しました。

書いて良かった。



pagetop