ユー・イングリッシュ

ユー・イングリッシュ 中山裕木子 ブログ

和文作成者の気持ち-特許翻訳より


発明について記載する「特許明細書」の日本語には、一読すると理解しづらいような表現が多く出てくることがあります。

 

それも、明細書によって、書いている人によって、表現が異なり、この明細書作成者は●●という表現が頻出する、この作成者は、△△という表現を好むようだ、そして同じ表現であっても、異なる明細書中では大きく違うことを意味している、といったこともあります。

 

これについて、拙著「外国出願のための特許翻訳英文作成教本」では、和文作成者に寄り添い、その人の「癖」をも理解することが大切、といったことを、書きました。

 

今回英訳担当していました特許明細書で、和文作成者の気持ちが読めない箇所が、最後まで、数点、残っていました。

 

この日本語を、この内容に使っている意図は・・・、と疑問に思いながら、全体のリライトを、重ねてきました。

 

個人的に、私はリライトに、かなりの回数を重ねます。

 

その中で、完全に納得出来ていない表現であっても、なんとか誤りだけは避けられると思われる英語に訳すことが出来るのですが、それでもなお、和文作成者の気持ちが、理解しづらいという箇所が最終段階の直前まで残ってしまう、という時が、まれにあるのです。

 

今回も、最終段階のリライトの直前まで分からないことがありました。

しかし、直前で、ようやく、分かりました。

 

「●●」とは、こういう感じの時に、この方が使われる言葉だったんだ・・・。

 

今回はもう、「ひらめき」といった感覚でした。

 

明細書翻訳では、言葉の端々を、よくよく、吟味する必要があると思っています。

 

問題となる表現(分かりにくいと思う表現)の箇所だけではなく、別の箇所の日本語も合わせて、その和文作成者の「思考」を理解するために、吟味する必要があります。

 

同じ案件の「和文」と「英文」に何度も向き合っていると、それを書いた人が、どのような日本語の癖を持っている人か、ということが、徐々に、分かってきます。

 

そして最終段階、やっとのことで、疑問だった色々な部分が即座につながり、すっきりとした状態で、英文の最終リライトへと、すすめるということがあります。

 

ある程度の経験則が理解を進めてくれる場合でも、しかしいつまでも、このような「リライト」の過程が、私には、必要です。

 

特許翻訳をはじめて15年以上がたった今も、この過程を短縮することが、できていません。

 

自分の「内容理解力」がすごく遅いのか、それとも、担当する和文の構成がたまたま難しいのか、分かりません。

 

しかし大切なことは、自分の弱点を認め、補強して、翻訳過程の途中で、必ず、「挽回」を図ること。

 

そして多くの場合、リライトに長い時間を割くことができれば、「挽回」が可能になると考えます。

そのためには、他の段階での基礎がおろそかにならないように、仕事をできる限り早く的確にできるようになっておくことは、日英特許翻訳者にとって、大切だと思っています。

 

さて、今回も大切なお客様の案件を納めることが出来て、安堵しました。

 

ご依頼くださったことに、感謝しています。

書籍への想い(3語の英語)


さて、「世界一受けたい授業」に先週出演をしましたので、もう少しだけ、拙著『会話もメールも 英語は3語で伝わります』について、書いてみたいと思います。

 

 

拙著『会話もメールも 英語は3語で伝わります』は、東京でのオリンピック開催が決まったことをきっかけに、そのアイディアの元を、思いつきました。

 

2020年の東京オリンピック、が決まった2013年を振り返ると、私個人は「7年先の自分」というのが、全く、描けませんでした。

 

その理由は拙著「外国出願のための特許翻訳英文作成教本」の執筆まっただ中でして、特許翻訳者としての歩みをまとめ、かなり心を入れ込んで作っていましたので、そのときは、今にも自分が消えてしまいそうな精神・身体の状態でした。「7年先? そんな先、全くわからない。明日だってわからないから。」と思っていました。

 

しかしその後 執筆が終わり、長い闇があけて安定を取り戻しました時、クリアになった頭で考えました。

そして、「東京オリンピックか・・・」、日本国民として、自分にも何かできることがないか・・・、と考えるにいたりました。

 

そこで頭に浮かんだことは、「シンプルイングリッシュ」のアイディアを広める、ということでした。

 

私の英語を変え、私の仕事を変え、私の人生を変えた「テクニカルライティング(=シンプルイングリッシュ)」は、日本のみなさんの英語を「短時間で一気に」変える、という力を持っているのではないか、と思ったわけです。

 

これまで、理系の研究者(大学の先生や大学院生、学部生)、そして特許関係の方々、また技術翻訳者の方々を対象として、「シンプルイングリッシュ」を伝えてきました。

特許の書籍が終われば次はすぐに論文関係に着手する・・・、と考えていたのですが、そこに「Simple English for Everyone」というこれまでと少し異なる取り組みを、挟むことを考えました。

 

私自身がシンプルイングリッシュに救われたため、広く一般の人々、ビジネスパーソン、また若い世代(中高生・大学生)にも、シンプルイングリッシュについて知っていただくことにより、英語の苦手度が減ったり、英語を使いやすくなったりするのではないか、と考えたためです。

 

また、大学で講義をする中で、ここ最近の若い人たちを見ていると、確実に、着実に、英語力が上がってきています。1年前にブログを書いていたときも、そのことを強く、感じていました。( http://www.u-english.co.jp/blog/?m=201601

 

英語に触れることが日常多くなってきた環境のため、また彼らの積極性が増してきたため、でもあるでしょう。

そんなタイミングでの、あと「一押し」がとても重要とも、考えたのです。

 

まずは次のスピーチを、公の場で、行ってみました。

 

Simple English for Everyone

TEDx Yukiko Nakayama 2015

 

 

聞いてくださっていた私立中高の先生が、海外に留学予定の自分たちの生徒にシンプルイングリッシュを伝えたい、と熱くおっしゃってくださったことが、嬉しかったです。ネイティブの先生で、「日本の英語教育を変えたい」とおっしゃっていました。

 

その後、TEDxトークでのアイディアを引き継ぎつつ、より包括的に英文法を含めて、シンプルイングリッシュについて平易に知ることができるような書籍を作りたいと思いました結果、『会話もメールも 英語は3語で伝わります』が誕生しました。

 

拙著で「3語の英語」に焦点を当てることになったのは、シンプルイングリッシュ(テクニカルライティング)の中で最も大切なエッセンス、そして私自身も、過去に最もインパクトを受けたエッセンスが、「誰かが 何かを する」という「SVO」だったからです。

 

日本人の英語基礎力は、学校教育のために、皆が一定の、良いレベルにあると思います。

その英語力を、 「3語の英語」を切り口にして、一気に、実際に使えるものへと、変えていってもらえるといいな、というような願いを込めて、書きました。

(なお、拙著でもコラムに書いていますが、実際には、SVOを中心としながら、SV, SVC, SVOの3つを使うことができます。)

 

 

さて、2020年の頃、シンプルに伝わる英語で世界の方々を迎えられる日本になっていることの一助となれば、幸いです。

(あと3年。私ももう少し、頑張るつもりです。急がなければ・・・。)

 

拙著を皆さまのお手にとっていただいていますことに、心より感謝しています。

「3語の英語」のご縁


拙著「英語は3語で伝わります」は引き続き、色々なご縁をもたらしてくれています。

 

少しテレビに出ることになりまして、先日撮影に行ってきました。

 

個人的には、日常ほとんどテレビを見ない私。。。

芸能人にも疎く、バラエティ番組でしたので、「大丈夫か私?!」と思ったのですが、到来する新しい類の仕事を何でも断らずに15年やってきた自分が、自分を後押しして、せっかくの機会ですので、出させていただくことにしました。

 

そしてテレビ番組のスタッフさん、という方々に、お会いする機会を得ました。

 

全然違う分野で働いている方々の仕事を見るというのは、興味深いものです。

 

一カ月ほどやりとりさせていただきまして、寝る間をおしんで仕事をしている人たち、文字通り「走り回り」、楽しい番組を提供するために大きな組織の中で頑張る人たちと、交流させていただくことができて、興味深い経験でした。

 

好きなことを仕事にするということで、人は輝くのですね。(子供の頃からテレビ大好き というスタッフさん達でした。)

You work hard.(大変ですね。)

We enjoy this!(楽しんでいますから。)

という感じが、仕事中ずっと、伝わってきていました。

 

 

そして撮影当日の芸能人の方々。。。

頭が切れる、スピード感満載、声が通る、女性はとにかく美しい。

このような場に生き残ってこられた方々を目にし、素直に、尊敬の念を抱きました。

 

 

さてそんな皆さまから元気をいただきまして、私の「3語英語」にまつわることは、これで一旦終わり!

 

 

私は私の道を、また歩みはじめています。

「ユー・イングリッシュ」として良い仕事をご提供できるよう、一層、努力してまいります。

 

具体的には、日本の英語技術文書・特許文書の品質改善のお手伝いができるよう、そして理系研究者の方々の英語論文執筆のお手伝いができるよう、取り組みを各種はじめています。

 

ありがとうございました。
******

 

 

 

 

さて番組は、「英語に親しみを!」という観点から作成されています。

ユー・イングリッシュのテクニカル英語(特許・論文)とは異なる分野のものとなりますが、ご覧いただける方がいらっしゃいます場合には、どうかよろしくお願いいたします。↓

 

 

日本テレビ『世界一受けたい授業 スペシャル』

2月25日(土)午後7時より放送

私  中山 裕木子 は、1時限目「英語」 の先生役をさせていただきます。

今期もよく頑張ったね!学生達!


理系学生への継続的な授業が今期も終了しました。

 

1年間、または2年間、見てきた学生達が、巣立っていく姿には、感慨深いものがあります。

 

個人的には、「いつまで教壇に立てるか?」また、「いつまで教壇に立つべきか?」と考えながら、大学での講師業を続けてきました。

 

学生が何を求めているかが分からなくなったり、学生の心が分からなくなったり、また学生に寄り添えなくなったら、私は教壇に立つのをやめよう、と心に決めて、20代後半より、大学での講師業を始めました。

 

そのときは、30代で終わりかも、などと考えていました。

理由は、自分が習った年配の先生達の授業が、何か「独りよがり」で、学生の求めていることを考えていない、と感じていたことがあるためです。

こんなこと、何の役に立つのだろう?なんて思いながら、シェイクスピアを読んだり、または何かアメリカの映画やドラマを見たり、またはよく分からない子供のゲームをしてコミュニケーションを取る英語の授業だったり・・・。

 

しかし今は、学生のためになる授業が、強く求められていると思います。

 

そして私自身は、当初の予定を超えても教壇に立っていますが、もう少し、もう少しだけ、学生達と、一緒にいたいと思っています。

年を重ねることは悪いことばかりではなく、年を重ねて分かること、を生かしながら、今授業を組み立てているためです。

 

さて、今期も、確実なライティング力、つまり英語の組み立て力に基づく、英語での発信力、に焦点を当てて、授業を行いました。

 

しっかりと、シンプルな英語を組み立てる力、がつけば、それを元に、書くことも、話すことも、出来るようになる、と考えています。

彼らは伝えたいこと、伝えるべきことを持っている。それを確実に、しっかりと自信をもって、伝えられる英語を学ぶこと・・・。

 

基礎を押さえ、繰り返し、書く練習をしました。

 

英語で自在に書くことが出来るようになったら、最後は、自分で選んだ技術テーマについて、書く、そして、話す・・。

 

迎えた最後の英語プレゼン大会・・・。

 

それぞれが個性的で、とても素晴らしい、プレゼンテーションでした。

2017presentation

 

学生同士が、お互いの成長を確認しあえる、良い機会になったと思います。

 

 

授業は、ただ受けるだけの受動的なものでは、いけないとも思います。

 

また逆に、学生に働かせるだけの授業も、それもいけないです。

 

講師もしっかりと働き、学生も、それに応えて、働いてもらう・・・。

 

そして学生に働いてもらうと、各学生の、思わぬ素敵な一面を、見ることができます。

 

それぞれが、本当に個性的で、素晴らしい、「人」、です。

 

みんな、今期もよく頑張ったね!

本当に、素晴らしい!

 

「英語、頑張った」、という自信が、これからのみんなを、必ず、後押し、してくれますよ。

 

少々暑苦しいのですが、私が「英語の授業」という媒体を通じて伝えたいこと、身につけて欲しいと思っていることは、みんなの「生き抜く力」、でもあります。

 

ですから出来るだけ、みんなの「元気が出る」授業を心がけたいと思っています。

 

 

本年もよろしくお願いいたします


syogatsu2017

新年あけましておめでとうございます。

2017年、皆様どうぞよろしくお願いいたします。

 

ユー・イングリッシュは、本日5日が始業の日となります。

 

2017年、以下の業務に邁進いたします。

 

●日英特許翻訳

元の日本語に書かれている内容を過不足無く、読みやすく伝え、円滑な審査を助けることができる英文特許明細書の作成を目指しています。

パリルート、PCTルートの両方で、米国・欧州 他の必要各国での審査が円滑に進むことを助けるような翻訳文を目指して、日英特許翻訳を行います。

時には、請求項のご提案なども、させていただくことがございます。

 

日本企業様の円滑な特許権利化のお手伝いをさせていただきたいと考えています。

また、権利行使の段階でも損をしないような、権利化後も見据えた英文の作成を行います。

 

 

●技術翻訳(日英・英日)

企業様・教育機関様などの、各種技術文書の翻訳も承っています。

ホームページの英文化や各種規約などの英文化、またプレゼン資料やマニュアル・仕様書・契約書なども、読みやすく、適切な形に翻訳します。

 

 

●技術英語研修

企業様、大学様の技術英語研修を承っています。

短時間で、自信を持って書けるようになる、真のライティング力を付けていただくよう、各種コースを準備しています。半日、1日研修から承ります。

技術英語一般、論文英語、eメール研修、契約書研修、工業英検対策、特許英語研修、などがあります。

 

 

●「3語」の英語

拙著「英語は3語で伝わります」のほうも、おかげさまで、引き続き、手にとっていただいているようです。広く一般の方々にも、テクニカルライティングのエッセンスを知っていただき、英語が皆様にとって身近なものとなるよう、今年ももう少しだけ、働きかけてまいります。

 

 

2017年、「あなた」と「英語」をつなぐことができるよう、そして「あなたの技術」・「あなたの想い」を世界に伝えることのお手伝いができるよう、ユー・イングリッシュは、邁進いたします。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

年末年始の愉しみ


今年の年末は、講師業に加えて、いつもとはやや異なる業務に追われていましたため、これまでとは、少し異なる年末年始になるかな、と思っていました。

 

昨年末は、ひたすら、特許翻訳に追われていました。

 http://www.u-english.co.jp/blog/?p=1442(昨年末ブログ)

 

今年は、ユー・イングリッシュでは、翻訳チームの目処が、徐々に立ち始めました。

 

なお、ユー・イングリッシュの翻訳では、全件、私、中山にて、完全リライトを、しています。

 

一方、翻訳を手伝ってくださるスタッフが少しずつ増え、ユー・イングリッシュ設立当初にかかげていた、「工業英検1級レベルの英語ライティング力と、法律・技術を理解する(理解をするための努力をする)ハイレベル翻訳チームの構築」に関して、「明るい光」が見えてきました。

 

したがって、そのような協力者の方々に、第一ドラフトの翻訳をお願いすることが、最近は、増えてきていました。

 

その結果なのですが、ユー・イングリッシュの翻訳は、私が一人ではじめから終わりまで翻訳を担当していた頃よりも、品質が格段に上がっている、と感じています。

 

なお、リライトには相変わらず、時間を多くかけていまして、第一ドラフトの翻訳者による原稿がほとんど残らない場合も、結構多く、あります。

(翻訳者の方々には、申し訳ないと感じることもあるのですが、「リライト」を手放せない私は、相変わらず、ドラスティックな変更をしています。)

 

しかし、異なる翻訳者が、各段階(第一ドラフト、リライト、チェック、など)を担当する、ということには、思わぬ利点が、ありました。

 

それぞれの翻訳者の良いところを最大限に生かしていただいて、引き出していただいて、そして、それを集約してリライトしながら、安定した高品質へと、仕上げていく・・・。

 

担当翻訳者は皆さんそれぞれに、非常に良い点を、お持ちです。

 

「人」というのは、私も含め、誰でも、完璧、ということは、ありません。

 

No one is perfect.

 

特に私などは、仕事が早い結果、ざっくりと大ざっぱなところが多く、それを詳細に指摘してくれる他のスタッフにより、本当に多くを、助けていただいています。

 

 

そのように、チームそれぞれが、ご自分の良い点を最大化していただき、それを集約して、一つのもの(英文特許明細書)を、作り上げる・・・。

 

この結果、私自身が一人で翻訳すべてを担当していた頃よりも、結果物の品質は、確実に、上がっている、というように、感じています。

 

このことは、2016年のユー・イングリッシュの、大きな収穫です。

 

チームに協力いただいている方々に、心より、感謝しています。

(また、弊社翻訳チームに加わってみたいと思ってくださる方がいらっしゃれば、是非に、ご連絡をいただきたいとも、思います。)

 

 

さてさて、本日のブログは、「年末年始の愉しみ」、でした。

 

私自身は、特に過去のフリーランスの10年は、年末年始のお休み、お盆休み、といった概念が、全くありませんでした。

 

むしろフリーランスの頃は、年末年始こそ、仕事が重なる、大忙しの時期で、たくさん、翻訳していました。

没頭していたらいつのまにか大晦日の12時を超えていた、ということが、何度もありました。

 

 

そんなことを思い起こしながらも、しかし今年は、リライト案件が数件あるものの、年末年始のお休みを人並みにとってみようかと考えていたところ、年末に、思いがけないお客様から、翻訳案件を一件、いただきました。

 

 

さて、誰に第一ドラフトを担当いただくか、と思ったのですが、世間は、年末ムード。

弊社フリーランスの協力者の方々からは、「今年はお世話になりました。ありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします。」といったメールが届く中、世間は年末ムードへと数日前から移行していることを、感じていました・・・。

 

 

そのようなわけで、今回の案件、納期が比較的短いこともあり、自分で担当することにしたのですが、ああこれが、楽しすぎます!

 

訳し始めると止まらず、まずはざっと昨晩2000ワード程度を訳出・・・。

 

その後も、調子よく、訳出を続けています。

 

お仕事をくださったお客様、本当に、ありがとうございます。

 

今年も年末に一から翻訳ができる、という思わぬ幸せに、感謝しています。

(普段でしたら、ちょっと自分での翻訳を我慢して(?)、別の方にお渡しするのですが、世間のお正月ムードを理由に、訳出の機会を得ましたので。)

 

 

そして何度も自分で再確認をするのですが、私、特許翻訳、好きです

ワクワク、ドキドキ、この気持ちが薄れることが、まるでありません。

 

これからも「serve」の気持ちを持ち続け、大切な、大切な、特許翻訳のお客様に、お客様の価値となる仕事を提供できるよう、努力していきます。

 

2016年、皆様どうもありがとうございました。

 

2017年も、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

10年間 続けてきたこと


2016年はあと少し。

 

12月は少し遠方への出張が続いたり、新しい類のお仕事もありまして、少しペースを崩してしまっていましたが、なんとか乗り切りまして、ようやく、終わりが見えてきました。

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年内の講義は、あと1日だけとなりました。

 

さて今年は、この10年続けてきたお仕事を、2つ程、終了することが決まりました。

Bittersweet goodbye(ほろ苦いお別れ)です。

少しだけ未練があるかもしれませんが、しかし、良い機会、ととらえています。

 

10年・・・、十分な、ひと区切り、だと思います。

 

そのようなこともあり、今年はめずらしく、2016年の終わりに、これまでを、振り返っていました。

 

この10年、まあまあ頑張った、と言えるかな・・・。

 

 

 

さて、2017年より、また一つ一つ、積み重ねて、歩んでゆきます。

 

これからは、向かい風に立ち向かうような「攻め」の姿勢を少し緩和しまして、背中を押してくださる「風」に少しは身を任せて、自由に仕事をしてみても良いかな、とも考えています。

 

今年も良い出会いが、いくつかありましたことに、感謝しています。

 

背中を押してくださる方々とも協力させていただきながら、

Now, it’s time to move on…

 

2017年。

I hope the year will treat us well.

英語の一般書いろいろ(+ACS, AMAのこと)

今回、英語の一般書を書いたため、英語の本って沢山 出ているなあ、と久しぶりに、少し「英語事情」を垣間見てみるようなことも、してみました。

多くの英語本が出ていることに、驚きました。

 

過去にはそのような英語関係の一般書も結構読んでいたのですが、最近はめっきり、愛読書が、偏っていました。

 

ここ数年の心トキメク愛読書は、変わらず、『ACSスタイルガイド(The ACS Style Guide)』です。

IMG_8242 acs

 

本当に、愛して、やみません。

 

とても細かいところが載っているところが、好きです。

 

●例えば、e.g.を私は、丸括弧の中だけで、使っています。つまり、本文中では、使いません。

特にACSにしたがっていたわけではないけれど、それが良いと自分で思って、そのようなスタイルに決めていたところ、ACSにも、次の記載がありました。

 

****

The ACS Style Guideより:

➤ Use “e.g.”, “i.e.”, “vs”, and “etc.” only in figure captions, in tables, and in parentheses in text. Elsewhere, spell out “for example”, “that is”, “versus”, and “and so forth”.

 

e.g., i.e., v.s, etc.などは、図面の説明(figure captions)、表(tables)、本文中の丸括弧( )でのみ使う。それ以外の箇所では、for example, that is, versus, and so forthなどとスペルアウトする。

****

 

●次に、結構多くの翻訳者の方々が、参照符号が2つある時に、systems 12, 13のように、符号を羅列しているのを目にします。それが正しいのかどうかの議論は避けて、私は、systems 12 and 13と、普通にandを使ってつないでいます。

なお、丸括弧を使う場合には、systems (12, 13)のように、andを省いてコンマでつないで、書いています。

これも、自分のスタイル(というか、納得のいく形)として、これまで採用してきましたが、このことに関連して、ACSには、次の記載があります。

 

****

The ACS Style Guideより:

➤ Use a comma between two reference callouts in parentheses or as superscripts.

Lewis (12, 13) found

Lewis12,13 found  (*12,13は上付き)

When the reference numbers are on the line, the comma is followed by a space;

when the numbers are superscripts, the comma is not followed by a space.

 

●丸括弧に入った場合に12, 13のようにandが不要になる。ちなみに、スペースは必要。12,13は×。12,13(スペース無し)は、上付き文字の場合。

****

 

丸括弧以外にも、上付き文字の場合も、andではなく、コンマでつなぐ、ということが記載されています。

また上付き文字の場合、符号同士の間には、スペースが不要です。

 

つまり、12, 13や12,13とandなしに書けるのは、上記の場合(つまり丸括弧に入った場合、および上付き文字の場合)、と理解をしています。

 

さらには、上記「丸括弧に入った場合のand不要」の前には、ダメ押しの、次の記載もあります。かなり丁寧なスタイルガイドです。

 

*****

➤ When two numbered items are cited in narrative, use “and”.
Figures 1 and 2
refs 23 and 24
compounds I and II

番号符号付きの要素を説明文で使う時、andを使ってください。

*****

 

このような、一見細かい点、にも「答え」があることを知ること、そして、自分が納得できる表現を探して翻訳スタイルを決めていくことが、翻訳者として気持ち良く仕事をすすめていくために、大切だと思っています。

 

 

個人的に、ACSの次に好きなのは、AMAスタイルガイド(AMA Manual of Style)です。

こちらも大変細かい「知りたいこと」が載っていると思います。

 

たとえば、私は、「簡単な単語」がより好ましいと思っているため、日本語に「利用する」とあっても、utilizeは通常は使いません。

より平易なuseを使います。

 

したがって、セミナーでは、次のことを、伝えてきました。

 

●utilizeはuseで代用しましょう。

●使うのは、utilization factor, utilization rate(利用率)の場合くらいです。

 

なお、utilization factor, utilization rateという表現には、やはりutilizationのほうが適切だなあ、と思って使ってきました。例えば「光利用効率」などといった文脈で、utilizationを使ってきました。

 

このことに対して、次の記載を見つけた時は、嬉しかったものです。

間違っていなかった、と自分のスタイルを後押ししてもらったようでした。

 

 

****

AMA Manual of Styleより:

Use is almost always preferable to utilize, which has the specific meaning “to find a profitable or practical use for,” suggesting the discovery of a new use for something. However, even where this meaning is intended, use would be acceptable.

 

– useはutilizeより通常好ましい

– utilizeはfind a profitable or practical use for it(有益または実用性を見出す)という意味

– その意味であっても、useが許容

(→つまりuseを使いましょう)

 

例文: utilizeが意味上正しい例

During an in-flight emergency, the surgeon utilized a coat hanger as a “trocer” during insertion of a chest tube.

 

Some urban survivors utilized plastic garbage cans as “lifeboats” to escape flooding in the aftermath of Hurricane Katrina.

 

Exception: Utilization review and utilization rate are acceptable terminology.

 

– 例外:utilization review, utilization rateはOK

****

 

 

とても良い、スタイルガイドです。

 

 

さてさて、本日の本題は、英語の一般書でした。

 

春から担当してきた技術英語研修がそろそろ終盤に向かっていますが、そこでは、「皆様の今後」→independent self-learnerまたはindependent self-editor of your Englishへ、ということを目指して、英語の勉強を続けていただくための色々な書籍を、紹介しています。

 

その中で、「英語の一般書も読んでみたい」、というご意見があったので、自宅の本棚から、一般書もいくつか、持参してみました。

またこの機会に、最近の書籍も少し買ってみましたら、結構、面白かったです。

 

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英語の一般書、色々あって、目移りするかもしれません。

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書籍は、当たりでもハズレ(?)でも、とても、良い買い物だと、思っています。

目に付くものなんでも、買ってみれば良いと考えています。

 

私も一応の著者として、本が一日で書けるものではないことを知っていますので、著者の人生をかけた産物を手の届く価格で購入できること、とても素晴らしいことだと思っています。

 

したがって、それぞれの著者に敬意を持って、知識をもらえることに感謝をしながら、本を開くようにしています。

心に、聞いてみる


拙著「英語は3語で伝わります」は、思っていたよりも多くの読者に手に取っていただいたようです。

本当に、有り難い限りです。

『英語は3語』紀伊國屋新宿本店

(東京の大きな書店の様子の写真をもらいました)

 

テクニカルライティングのコンセプトを、多くの人に手に取ってもらえたこと、そのことが、とても嬉しいです。

早速重版も出していただけたようで、読者の皆様、そして支えてくださった皆様に、本当に感謝しています。

 

 

 

さてさて、私のほうは、早々に、次のプロジェクトに向けて、いくつか、動いていました。

いくつかの立場を持っていますため、次から次へと、agenda(次に取り組むこと)、がやってきます。

 

そんな中、「どちらにしようかなあ」、と考えたことが一つ、ありました。

私は何でも、「まずはやってみる」「種をまいてみる」というせっかちな性分ですので、2つの相反することをはじめてしまい、運良く2つが重なる、なんていうことや、複数から道を選ばなければいけないことにも、比較的、よく遭遇しています。(なお、自分で勝手にはじめたことであって、道を自分で自由に選べる類の場合、のお話です。)

 

そんなときはいつも、初心に戻って、次のことをします。

 

「心に聞いてみること」

 

 

心を無にして、「どっち・・・?」、と聞いてみます。

 

理由を並べたり、背景を考えたり、また損得を考えたり、ということはせず、ただ心に、尋ねてみるのです。

 

すると驚くほど、心は、自分の選ぶべき道を、よく知っている。

 

答えが出ないということは、これまで一度も、ありませんでした。

「迷う」、ということが、まるで、無いのです。

 

私の「心」の位置は、具体的には、心臓より、少し下で、体の中心部分の、少し奥・・・(?)

 

その「心」の場所が「Yes」、と動くほうを、今回も、選択しました。

 

ワクワク、次のプロジェクトが、自分の中では、走り出しました。

高まる気持ちを仕事に込めて、世の中の役に立てることが少しでもできるように、努力します。

書籍出版への想い

今回の書籍は、軽い内容で、一般の方向けに、書きました。いえ、書くつもりでした。

都合で一年前の自分のブログを見ていましたら、丁度ここで↓、企画書を、出版社(ダイヤモンド社 様)に、送っていました。

 

一年前のブログ(http://www.u-english.co.jp/blog/?p=1169)

 

頭に浮かんだアイディア構想から、丁度一年、一応の「形」になりました。

 

今回はこれまでの2冊の書籍に比べると、少し軽い気持ちで書き始めたのですが、しかし結局、いつも必死に、なってしまいます。

 

前著(外国出願のための特許翻訳英文作成教本)のような「悲壮感(?)」が表れているような本ではありませんが、自分としては、それなりのことを乗り越えて、仕上げたつもりです。

 

 

本を書くことへの想い・・・

 

それは、人それぞれなのでしょうけれど、私の場合は、これまでやってきたことを、使いやすい形にまとめて、どんどん公開していくこと、です。

 

これまで自分が曲がりなりにも一生懸命工夫をしてきたことであって、もしかしたら他の人にも使ってもらえるかもしれないアイディア、それを公開して、残して行くことです。

 

また自分も、一つの形にまとめることで、過去の軌跡を利用しやすくなりますし、また一方で、過去をきれいに清算して、前に進んでゆくことができます。

 

さてさて、なんとか無事、出版されまして、紙の書籍を手にすることができました。

 

 

books for blog

 

book

 

やはり、「紙」は、良いです。

紙の手触り、好き。

 

世の中の「書籍離れ」が進んでいるでしょうから、もうギリギリ紙の本は最後かな、などと思いながらも、「紙」の書籍にこだわっていました。

 

(今回の書籍は、時代の流れもあり、Kindle版も出しました。なお、前著「外国出願のための特許翻訳英文作成教本」は、「紙」にこだわって、電子化をしませんでした。しかし、最近読者の方々からご要望をいただくことが多々あるので、前著のKindle版のリクエストをしているところです。前著のKindle化、されるかな・・・。→追記:その後、今からの電子書籍化は難しいとの回答が、前著出版社よりきました。)

 

 

さて、今回の書籍ですが、ダイヤモンド社様のウェブ記事でも、かなり多くの内容が読めるようになっていますので、もしよしければ、ご覧ください。

 

(私が語っている風に、なっています。内容は、おおむね書籍からの抜粋となります。)

 

第1回 “英語は3語で伝わります”特許翻訳者が教える「やさしい英語」(2016.10.12)

http://diamond.jp/articles/-/104230

 

第2回 日本人に最適な「3語の英語」。特許翻訳者のテクニックを紹介!(2016.10.13)

http://diamond.jp/articles/-/104287

 

第3回 日本人の英語は「長くて、難しい」3語でしっかり伝わります。 (2016.10.14)

http://diamond.jp/articles/-/104367

 

・・・連載は6回まで続く予定です。

書籍はじめの、極簡単な、導入部分だけとなりますが、よろしければ、覗いてみてください。

 

 

ダイヤモンド社 さま について・・・。

「広い読者層を持っておられる出版社」ということを知っていたので、今回の一般向け書籍を、お願いしてみました。

 

今回の新たな発見は、同社の編集者様の熱心さ・・・。

著者が自分の書籍に「熱い想い」を抱くことは普通のことなのですが、編集者様も、「想い」をシンクロしてくださっているようだったことには、驚きました。

出版社としての、販売戦略が当然あるでしょうから、それを上手い形で盛り込むご提案をされながらも、私の著者としての、やっぱり譲れない部分、というところも、よく受け入れてくださっていました。

お互いに要望を調整しつつも受け入れながら、上手く歩み寄れた結果になったのではないかな、とも考えています。

(なお、前著「外国出願のための特許翻訳英文作成教本」は、出版社による口出し(?)はほぼゼロでして、内容からレイアウトデザインまで、ほぼ私の生原稿を使わせてもらったのですが(えっと、タイトルのみ、出版社によるものです。)、しかし今回の書籍は、レイアウトや内容の見せ方などに、編集者の方が、工夫してくださいました。なおいずれも、それぞれに、目的にかなった良い執筆環境でした。)

 

今回の編集者様、大きな組織の中で、自分の仕事に「誇り」と「責任」を持って行動・尽力される姿が、勉強になりました。

 

さて、この書籍の話は、このくらいにしておきます。

 

ちょっと暇つぶし、に上の記事(書籍の冒頭より抜粋)を読んでいただける方は、どうかよろしくお願いいたします。

 

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