ユー・イングリッシュ代表取締役 中山 裕木子のブログ


I want you to find the beauty of English and love English.

  勉強, 日常, 英語表現 

English! コロナボキャブラリーのお話

久しぶりのブログ更新となります。みなさまお元気でしたでしょうか?

私、中山は英語チャレンジを続けながら、日々を過ごしています。

 

さて、このパンデミックyearにて目にしたのは、新しい英単語。

 

言葉は人が便利に使うものですから、時代ととともにゆるやかに変わりますが、激動の1年だったために、その変化を実際に感じることができたことは興味深かったです。

 

いくつかご紹介。

 

■まずは「ソーシャル・ディスタンス」=「社会的距離」

 

本題の前に、基礎を確認。

 

このソーシャル・ディスタンスという言葉は、名詞で使うとWe must keep a social distance.

このときdistanceは例えば1.5メートルなどと「値」を想定しているので、必ずaが付きます。We must keep a social distance of 1.5 m.

 

一方、動名詞にして、social distancingとすると、We must maintain social distancing.などと表現。このときはdistance = 「距離を取る」という動詞を名詞の形に変えた動名詞のためsocial distancing「社会的距離をとること」は不可算、無冠詞。

 

さて、基礎を終えたので本題。

 

面白いなと思ったのが「distance」を自動詞で使う場合の表現です。

 

We must social distance.といった類のsocialまでをまとめた動詞表現が使われるのを(主にニュースで)多く聞いたのです。

具体的には、People are expected to social distance and wear face masks.など。

 

はじめ耳にしたときは、「あれ?distanceを今自動詞で使った?しかもsociallyではなく?」と耳を疑いました。

通常であればWe must socially distance from other people.などと「socially = 副詞」を使って表現するはずですが(physically distanceのように)、2021年、social distanceは1つの動詞を作ろうとしていました。

 

 

social distance「社会的距離を(他人との間に)取る」の自動詞表現。

随所で耳にしながら、「ハイフンは入っているのだろうか」「そのうちsocial-distance(社会的距離をとる)→socialdistanceなどと一語の動詞になる日はくるのか(多分来ない)」「Ngramviewerで確認する日がくるのか(わからない)」などと一人で興味深く想いを膨らませました。

 

 

■そしてここ1週間ほどの私のヒットは「マスク」という単語です。

 

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)がfully vaccinated Americans(ワクチン接種を終えたアメリカ人)のマスク着用(および社会的距離)について、方向転換したガイダンスを出したニュースが賑わいを見せていました。

 

outdoorsのみならず、indoorsでもマスクmandateが取り払われた。way too earlyという反応する人いれば、I’m so excited.と喜ぶ人も。

 

そこで使われたのが、動詞の「mask(マスクを着用する)」と「unmask(マスクを外す)」。

 

unmaskは辞書を調べると「仮面を取る」や「正体を露わにする」などしか載っていない辞書が多くて、ネイティブ英語圏がマスク文化ではなかったことが伺い知れます。

 

しかし今、「マスクを取っていいのか」という議論が続く中、「mask(マスクをつける)」と「unmask(マスクを外す)」、特にunmaskのほうの動詞使いが多くのニュースで見られました。

 

→「英語はやはり動詞が好きだなあ」と実感していました。

 

他にも、形容詞maskless(マスクなしで)も多く使われました。

 

→「英語は否定の内容の肯定表現が好きだなあ」と実感していました。

 

他にもマスクのボキャブラリーを沢山拾いました。

 

マスク着用の義務

mask mandate

 

マスク着用の義務を取り払う

lift/remove mask mandate

 

マスクを外す

take off/remove/ditch/shed your mask

 

*ditchとshedはとても面白いですね。ditchなどは、はじめとても口語的?そのニュースキャスター固有?と思ったのですが、他のニュースキャスターも続いてどんどん使っていたので、とてもアメリカらしいと思いました。

 

 

■さて、コロナボキャブラリーをさらにいくつか。

 

vaccine rollout

ワクチンの接種展開

 

vaccinated/unvaccinated

ワクチン接種済み、未接種

*unvaccinated children(未接種の子ども達)がいる場所では大人はマスクを外すか否か、の議論のところでunvaccinatedが何度も使われました。子供は現時点ではワクチンを受けられないため。

 

vaccine hesitancy

ワクチンを受けたくないこと

 

mass vaccination site

大規模接種会場

 

one-shot/dose vaccine

1回打つタイプのワクチン

 

two-shot/dose vaccine

2回打つタイプのワクチン

 

milestone

顕著な数

*hit a milestoneなどとして「ある数に到達した」という意味で使われましたが、それが「良い意味」のときと「悪い意味」の時が平等にあったのが、面白かったです。

良い意味とは「ワクチン摂取率X%達成」、悪い意味とは「感染者数が~に到達してしまった(COVID-19 cases reached a milestone of ____.)」。

なお、悪い意味のときにはgrimが付くときもありました。hit grim milestonesなど。

 

 

blood clots

血栓

 

 

少し難しいもの。

jeopardized

= in danger

*The J&J vaccine(ジョンソン&ジョンソンのワクチン)で血栓が報告され、数日間のpause(接種停止)の時期がありました。そのニュースのとき、The J&J vaccine is jeopardized.という文脈で耳にしました。

「この単語は私にとってnew!」と思わず書き留めました。

→のちにjeopardy(名詞)が実際にTOEICに出てきたので驚きました。ボキャブラリーはコツコツ増やすことが大切とわかりました。

 

 

さらに、もう1つ

curfew

夜間の外出禁止

 

*知っている単語でしたが、実際に自分で発音をしたことがなかったので、耳にしたとき勉強になりました。自分でも発音もしっかりと練習しておきました。

 

 

 

非ネイティブ・ネイティブ問わず、言葉はアップデートをする必要があると考えています。

そのように考えると、私たち非ネイティブも、非ネイティブだからわからない、非ネイティブだから知らない、とあまり気負わなくてよくなり、逆に心が軽くなると感じます。

 

仕事から離れたときの私の「英語の楽しみかた」のお話でした。

お読みいただき、Thank you!