ユー・イングリッシュ

ユー・イングリッシュ 中山裕木子 ブログ

のびやかな心—特許翻訳


特許翻訳をするときに、最近大切だと感じること、それは、

 

「のびやかな心」を持つこと

 

です。

 

 

****

あの表現は絶対にダメ。

ここは定型文と違う・・・。

先の案件ではこの単語を使ったのに、今回の案件で微妙に違うのは絶対にダメ。

MPEPの記載と少しでも一致していないところは、必ず修正する・・・。

****

 

 

丁寧に翻訳をしようとすればするほど、色々なことに「頭が硬く」なってしまいがちです。

 

そんなとき、もっと「のびやか」に、この特許文書の目的は何か、という大きな視点で、考えてみることが、大切だと感じています。

 

「特許翻訳とはこうあるべき」や「特許翻訳の決まりは・・・」という視点を少しよそにおき、次のように、視点を切りかえます。

 

発明家(現在は多くの場合、企業様なのですけれど)が、自らの発明に対して特許を取りたい。日本だけでなく、外国でも保護を得たい。

 

確実に決まったフォーマットがあるわけではないが、審査便覧に推奨される形で、不備無く、外国向けの出願明細書を作りたい。

 

それをお手伝いするのが、翻訳者の仕事。

 

和文明細書に書いてある内容を正しく理解し、それを審査官に正しく伝える英語で記載すること。

そして願わくは、英文明細書の出願先のフォーマット、出願国のプラクティスに沿った形に仕上げること。

 

和文が意図していた権利範囲での特許を円滑に取得できること。

 

取得できた特許が無事に役割を果たせること。(特許が無効化されたり、権利行使できなかったり、といったことを、悪い英語が助長してしまわないこと。)

 

案件間の整合も、もちろん翻訳者として大切ですが、しかし、案件1件1件が審査され、特許になるのです。そのことを考えると、過去に訳した案件に縛られすぎるのが好ましいわけでは、ありません。

それよりも、今、目の前にある案件に向き合い、その内容に対して、どのような英語表現がベストか、を考えることが大切と感じることがあります。

 

 

MPEP(米国特許審査便覧)の記載も、もちろん、重要です。

 

かくいう私も、MPEPにFaber(クレームドラフティングの書籍)を読み込み、それをふんだんに引用した書籍(外国出願のための特許翻訳英文作成教本)を書きましたので、かなり「細かいこと」にこだわっていた時期もありました。

 

そのことは継続をしながら、しかし今は、より「のびやかな心」を持って、お客様にとって本当の意味で「助かる」と思っていただける翻訳者になりたいと、思っています。

 

そしてもちろん、日本の企業様の大切な技術を「守れる」特許の取得を目指した、明細書翻訳をしたいと思っています。

 

なかなか難しいのですが、精進してまいります。

 

また最近、あらためて、日本の企業様の技術に、尊敬の念をいだきながら、翻訳させていただいています。

記載されている技術へ、そして出願人様へと、「愛」が高まります。

 

このような翻訳を弊社で担当させていただけますことに、感謝しています。

3周年に感謝しています


株式会社ユー・イングリッシュとして法人化をして、4月2日で、3年が経ちました。

 

業務に日々邁進できていることに、感謝しています。

 

個人フリーランス時代からの大切なお客様、そして法人化したら是非にご一緒したいと願っていたお客様、さらには同じ方向へ一緒に向かわせていただける新しいお客様・・・、という素晴らしいご縁に恵まれながら、スタッフ共々、業務に毎日邁進させていただけていますことに、心より、感謝しています。

 

「3年」といえば、「石の上にも3年」、という言葉があります。

しかし私は、「何ごとも10年」、と思っています。

 

「続けたい」と思うことは、10年続けてみると、次の段階へと進めるような気がしています。

 

翻訳業も、10年たったとき、やっと、少しだけ、できるようになったと感じました。

 

そしてフリーランスとして開業から10年たったときには、「大丈夫、何があっても、乗り越えられる」、という妙な自信がついていました。また特許翻訳を一生続ける覚悟もできていて、自然に法人化するに至りました。

 

講師業は、もともと人前で話すことが全くできなかった私。声も出ないし、緊張するし、本当に、ダメでした(準備と闇練で乗り切っていました)。しかし10年たったとき、「講師らしい」とか「緊張しないのですね」と言われることがあり驚きました。

 

All things are difficult before they are easy. (Thomas Fullerの名言)は、本当です。

 

 

さて一方で、続けたいと思えない類のことはどうするか。

若い頃には、それでも「石の上にも3年」と思って続けることがありました。

しかし今は、3年どころか、ザクザクその場でも、削っていきます。

 

まるで「英文リライト(難解な直訳英語を、シンプル英語に直すこと)」、のような明快さで、ザクザクその場で、苦手なこと、無理をしていること、自分の信念に沿いにくいこと、を削っていきます。

 

すると、リライト後の英文と同じように、驚くほど、すっきりとした、生身の自分、が現れます。

 

「両立ならぬ、多立、欲張りになろう!」

ということを、前著「外国出願のための特許翻訳英文作成教本」に書いていましたが、大切なことは、一つもあきらめず、多少無理があっても、多立する。そのための時間と労力の捻出には、上のような「切り捨て」が必須です。

 

誰かの言葉の受け売りですが、「人は、Noと言いにくいときがある。しかし、Noと言えずにYesと返事をしてしまうことで、同時に多くの大切なことに対してNoと言っていることになる」、これを意識すると、Noと言うことへの罪悪感が減ります。

 

さて、ユー・イングリッシュのこれから。

 

大切なことを、欲張りに「多立」しながら、邁進してまいります。

そして大切なお客様のお役に立てるよう、努力してまいります。

お客様と、共に歩み、成長をしたいと思っています。

どうかよろしくお願いいたします。

 

 

さて、3年の次は、節目はきっと、10年です。

 

走り抜けたその先に、もし10周年があったとしたら、その時に歩みを振り返り、日本という国にとって役に立つこと、これからの若い人たちにとって役に立つことを、会社として一つでも、出来ていたと思えますように・・・。(ちなみに米国オバマ政権の英語は、Yes, we can! にはじまり、Yes, we did.でスピーチを締めくくられました。「考え」をあらわす助動詞と「過去の報告・振り返り」を表す時制を「パラレル(並列主義)」に使った、きれいな英語。)

 

 

普段あまり「先」を見ませんが、今日はそんなことを思いながら、記念日に、感謝をしていました。

和文作成者の気持ち-特許翻訳より


発明について記載する「特許明細書」の日本語には、一読すると理解しづらいような表現が多く出てくることがあります。

 

それも、明細書によって、書いている人によって、表現が異なり、この明細書作成者は●●という表現が頻出する、この作成者は、△△という表現を好むようだ、そして同じ表現であっても、異なる明細書中では大きく違うことを意味している、といったこともあります。

 

これについて、拙著「外国出願のための特許翻訳英文作成教本」では、和文作成者に寄り添い、その人の「癖」をも理解することが大切、といったことを、書きました。

 

今回英訳担当していました特許明細書で、和文作成者の気持ちが読めない箇所が、最後まで、数点、残っていました。

 

この日本語を、この内容に使っている意図は・・・、と疑問に思いながら、全体のリライトを、重ねてきました。

 

個人的に、私はリライトに、かなりの回数を重ねます。

 

その中で、完全に納得出来ていない表現であっても、なんとか誤りだけは避けられると思われる英語に訳すことが出来るのですが、それでもなお、和文作成者の気持ちが、理解しづらいという箇所が最終段階の直前まで残ってしまう、という時が、まれにあるのです。

 

今回も、最終段階のリライトの直前まで分からないことがありました。

しかし、直前で、ようやく、分かりました。

 

「●●」とは、こういう感じの時に、この方が使われる言葉だったんだ・・・。

 

今回はもう、「ひらめき」といった感覚でした。

 

明細書翻訳では、言葉の端々を、よくよく、吟味する必要があると思っています。

 

問題となる表現(分かりにくいと思う表現)の箇所だけではなく、別の箇所の日本語も合わせて、その和文作成者の「思考」を理解するために、吟味する必要があります。

 

同じ案件の「和文」と「英文」に何度も向き合っていると、それを書いた人が、どのような日本語の癖を持っている人か、ということが、徐々に、分かってきます。

 

そして最終段階、やっとのことで、疑問だった色々な部分が即座につながり、すっきりとした状態で、英文の最終リライトへと、すすめるということがあります。

 

ある程度の経験則が理解を進めてくれる場合でも、しかしいつまでも、このような「リライト」の過程が、私には、必要です。

 

特許翻訳をはじめて15年以上がたった今も、この過程を短縮することが、できていません。

 

自分の「内容理解力」がすごく遅いのか、それとも、担当する和文の構成がたまたま難しいのか、分かりません。

 

しかし大切なことは、自分の弱点を認め、補強して、翻訳過程の途中で、必ず、「挽回」を図ること。

 

そして多くの場合、リライトに長い時間を割くことができれば、「挽回」が可能になると考えます。

そのためには、他の段階での基礎がおろそかにならないように、仕事をできる限り早く的確にできるようになっておくことは、日英特許翻訳者にとって、大切だと思っています。

 

さて、今回も大切なお客様の案件を納めることが出来て、安堵しました。

 

ご依頼くださったことに、感謝しています。

本年もよろしくお願いいたします


syogatsu2017

新年あけましておめでとうございます。

2017年、皆様どうぞよろしくお願いいたします。

 

ユー・イングリッシュは、本日5日が始業の日となります。

 

2017年、以下の業務に邁進いたします。

 

●日英特許翻訳

元の日本語に書かれている内容を過不足無く、読みやすく伝え、円滑な審査を助けることができる英文特許明細書の作成を目指しています。

パリルート、PCTルートの両方で、米国・欧州 他の必要各国での審査が円滑に進むことを助けるような翻訳文を目指して、日英特許翻訳を行います。

時には、請求項のご提案なども、させていただくことがございます。

 

日本企業様の円滑な特許権利化のお手伝いをさせていただきたいと考えています。

また、権利行使の段階でも損をしないような、権利化後も見据えた英文の作成を行います。

 

 

●技術翻訳(日英・英日)

企業様・教育機関様などの、各種技術文書の翻訳も承っています。

ホームページの英文化や各種規約などの英文化、またプレゼン資料やマニュアル・仕様書・契約書なども、読みやすく、適切な形に翻訳します。

 

 

●技術英語研修

企業様、大学様の技術英語研修を承っています。

短時間で、自信を持って書けるようになる、真のライティング力を付けていただくよう、各種コースを準備しています。半日、1日研修から承ります。

技術英語一般、論文英語、eメール研修、契約書研修、工業英検対策、特許英語研修、などがあります。

 

 

●「3語」の英語

拙著「英語は3語で伝わります」のほうも、おかげさまで、引き続き、手にとっていただいているようです。広く一般の方々にも、テクニカルライティングのエッセンスを知っていただき、英語が皆様にとって身近なものとなるよう、今年ももう少しだけ、働きかけてまいります。

 

 

2017年、「あなた」と「英語」をつなぐことができるよう、そして「あなたの技術」・「あなたの想い」を世界に伝えることのお手伝いができるよう、ユー・イングリッシュは、邁進いたします。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

年末年始の愉しみ


今年の年末は、講師業に加えて、いつもとはやや異なる業務に追われていましたため、これまでとは、少し異なる年末年始になるかな、と思っていました。

 

昨年末は、ひたすら、特許翻訳に追われていました。

 http://www.u-english.co.jp/blog/?p=1442(昨年末ブログ)

 

今年は、ユー・イングリッシュでは、翻訳チームの目処が、徐々に立ち始めました。

 

なお、ユー・イングリッシュの翻訳では、全件、私、中山にて、完全リライトを、しています。

 

一方、翻訳を手伝ってくださるスタッフが少しずつ増え、ユー・イングリッシュ設立当初にかかげていた、「工業英検1級レベルの英語ライティング力と、法律・技術を理解する(理解をするための努力をする)ハイレベル翻訳チームの構築」に関して、「明るい光」が見えてきました。

 

したがって、そのような協力者の方々に、第一ドラフトの翻訳をお願いすることが、最近は、増えてきていました。

 

その結果なのですが、ユー・イングリッシュの翻訳は、私が一人ではじめから終わりまで翻訳を担当していた頃よりも、品質が格段に上がっている、と感じています。

 

なお、リライトには相変わらず、時間を多くかけていまして、第一ドラフトの翻訳者による原稿がほとんど残らない場合も、結構多く、あります。

(翻訳者の方々には、申し訳ないと感じることもあるのですが、「リライト」を手放せない私は、相変わらず、ドラスティックな変更をしています。)

 

しかし、異なる翻訳者が、各段階(第一ドラフト、リライト、チェック、など)を担当する、ということには、思わぬ利点が、ありました。

 

それぞれの翻訳者の良いところを最大限に生かしていただいて、引き出していただいて、そして、それを集約してリライトしながら、安定した高品質へと、仕上げていく・・・。

 

担当翻訳者は皆さんそれぞれに、非常に良い点を、お持ちです。

 

「人」というのは、私も含め、誰でも、完璧、ということは、ありません。

 

No one is perfect.

 

特に私などは、仕事が早い結果、ざっくりと大ざっぱなところが多く、それを詳細に指摘してくれる他のスタッフにより、本当に多くを、助けていただいています。

 

 

そのように、チームそれぞれが、ご自分の良い点を最大化していただき、それを集約して、一つのもの(英文特許明細書)を、作り上げる・・・。

 

この結果、私自身が一人で翻訳すべてを担当していた頃よりも、結果物の品質は、確実に、上がっている、というように、感じています。

 

このことは、2016年のユー・イングリッシュの、大きな収穫です。

 

チームに協力いただいている方々に、心より、感謝しています。

(また、弊社翻訳チームに加わってみたいと思ってくださる方がいらっしゃれば、是非に、ご連絡をいただきたいとも、思います。)

 

 

さてさて、本日のブログは、「年末年始の愉しみ」、でした。

 

私自身は、特に過去のフリーランスの10年は、年末年始のお休み、お盆休み、といった概念が、全くありませんでした。

 

むしろフリーランスの頃は、年末年始こそ、仕事が重なる、大忙しの時期で、たくさん、翻訳していました。

没頭していたらいつのまにか大晦日の12時を超えていた、ということが、何度もありました。

 

 

そんなことを思い起こしながらも、しかし今年は、リライト案件が数件あるものの、年末年始のお休みを人並みにとってみようかと考えていたところ、年末に、思いがけないお客様から、翻訳案件を一件、いただきました。

 

 

さて、誰に第一ドラフトを担当いただくか、と思ったのですが、世間は、年末ムード。

弊社フリーランスの協力者の方々からは、「今年はお世話になりました。ありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします。」といったメールが届く中、世間は年末ムードへと数日前から移行していることを、感じていました・・・。

 

 

そのようなわけで、今回の案件、納期が比較的短いこともあり、自分で担当することにしたのですが、ああこれが、楽しすぎます!

 

訳し始めると止まらず、まずはざっと昨晩2000ワード程度を訳出・・・。

 

その後も、調子よく、訳出を続けています。

 

お仕事をくださったお客様、本当に、ありがとうございます。

 

今年も年末に一から翻訳ができる、という思わぬ幸せに、感謝しています。

(普段でしたら、ちょっと自分での翻訳を我慢して(?)、別の方にお渡しするのですが、世間のお正月ムードを理由に、訳出の機会を得ましたので。)

 

 

そして何度も自分で再確認をするのですが、私、特許翻訳、好きです

ワクワク、ドキドキ、この気持ちが薄れることが、まるでありません。

 

これからも「serve」の気持ちを持ち続け、大切な、大切な、特許翻訳のお客様に、お客様の価値となる仕事を提供できるよう、努力していきます。

 

2016年、皆様どうもありがとうございました。

 

2017年も、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

テクニカルライティングは、英会話にも効くということ


私は、英語を勉強してきたのに、英語が話せませんでした。

 

英語をどうやったら話せるようになりますか?と聞かれることがあるけれど、私にとっては、それは、ある意味、永遠の課題です。

 

一夜にして、成し遂げられない、一筋縄にはいかない、難しいテーマだと考えてきました。

 

しかし、私は英語が「ペラペラ」と話せないけれど、私は、自分の考えていることを、英語で相手に、伝えることが出来ます。

 

自分が何の仕事をしていて、それがどのように大切であると考えているか、について、英語で誰にでも、伝えることができると思います。

TEDx Talk:Simple English for Everyone, Yukiko Nakayama

 

どうしたら英語を話せるのか?

これはノンネイティブにとって、特に日本人にとって、そして私にとって、永遠のテーマ、かもしれません。

 

少し海外に行ったからといって、英語がペラペラ話せるようには、なかなかならないことを経験されている人もいるのではないでしょうか。

 

何か、超えなければならない、大きなハードルがある・・・。

 

そして一つハードルを超えたとしても、次にまた一つのハードル・・・。

 

なかなかネイティブの方の会話のスピードについていくのは難しいですし、また文化的なハードルを超えるのも難しい。

また、英語を話せるようになるためだけに、長い時間を海外で過ごしたりする、そんな人生の余裕は、無いものです。

 

もっと身近に、英語が使えるようにならないものか・・・

日本人になら、きっと出来る。

なぜかって、日本人は、どのようなことでも勤勉に努力し、器用に、成し遂げることができてきたはず・・・。

素晴らしい精密で高い技術力を誇る、日本国。

英語だけが、語学だけが、日本人にとって、なかなかモノにできない、なんていうことは、ないはず・・・。

 

 

一方で、私はこのような英語を使う仕事をしておきながら、話す英語に関して、ずっと、気後れしていました。

ずっと、ずっと、英語が話せない自分に、悩んでいました。

 

しかし、ある時、大きな変化が起こりました。

 

それは、テクニカルライティングを学んで、リライトを随分経験して、頭の中で、正確・明確・簡潔な英語を組み立てることが、素早くできるようになってきた頃でした。

 

そうだ、テクニカルライティングを、英会話にも生かせばいいんだ、とひらめきました。

 

ついつい直訳しようとする頭の働きをぐっと抑えて、いつもの仕事のライティングのルールにしたがって、落ち着いて、しかし素早く、頭の中で、英文を組み立てるのです。

 

私達は、所詮ノンネイティブ。英語が頭に湧き出て、考えなくても口からするすると出てくる、なんてことは無い、と思ってしまえば、よいことに気付きました。

 

落ち着いて、じっくり考えながら、組み立てるのです。

 

そのように私は開き直った時、私の英語に、変化が起こりました。

この変化は、一気に、起こりました。

 

落ち着いて、言いたいこと、伝えたいことを、テクニカルライティングの要領で、頭の中で、組み立てました。

 

並びはいつも、

主語→動詞→そして目的語。

 

そのようにテクニカルライティングの考えのベースにして、自分の仕事の英語を、英会話やメールといった日常の英語、一般英語、という観点から、改善してしまおう、ということを、自分の中で、試しました。

 

すると、みるみる、私の英語に、変化が起こりました。

 

言いたいことを英語で伝えることが、これまでよりずっと楽に、出来るようになりました。

 

ペラペラ話せなくてもいい、自分の考えを、短い英語でしっかりと伝えること。

 

このことこそが、日本人にとって、ノンネイティブにとって、必要な英語コミュニケーションの力なのではないか、と考えるに至りました。

 

そのような考えを持って、今回、一冊の英語の一般書を、書きました。

 

これまでの技術英語・特許英語からは、全く、離れた書籍です。

 

テクニカルライティングの概念は多く盛り込みましたが、テクニカルな要素は一切なし、という、一般の方向けの簡単な書籍となります。

 

翻訳者と英語講師という2つの目線から、執筆しました。

 

英語を話せるようになりたい方、英語をもっと気楽に使いたいと思う方、英語が苦手な中高生、大学生、社会人まで、広く一般の方にも、読んでいただけるといいなと思っています。

 

少しの脇道にそれた、私のちょっとした、寄り道でした。

 

(普段あまり「寄り道」をしないのですけれど、今回は、少しの遊び心も、盛り込んでいます。)

 

 

「英語は3語で伝わります」

・・・というタイトルになりました。

(*3語とは、「主語」・「動詞」・「目的語」のことです)

 

 

 

最終の校閲が終わり、なんとか入稿へと、こぎつけました。

書籍写真

 

さてあとは印刷していただいて、無事店頭においてもらえるといいな、と思っています。

 

もうamazonにも、載っているようです・・・。

(いつもamazon、掲載が早い・・・。まだ手元に現物が無いのに・・・。)

(そして今回 表紙の帯(おび)が、派手~。)

 

 

大阪セミナーありがとうございました(備忘録も失礼します)


さて、大阪セミナー【Application Drafting and Translation Strategies for U.S. Filing of Japanese Applications】(米国出願のための特許明細書の起草と翻訳のコツ)が終了いたしました。

総勢46名の方にお申し込みいただきまして、なんとか無事に、終えることができました。

 

ご参加いただきました皆様に、心より、感謝申し上げます。

selected

 

 

さて、本日はセミナー報告ではなく、ご質問があった点の、備忘録(+some thoughts)を記載させていただきます。

ご質問者にメールをさせていただこうかと思いましたが、ここに、共有させていただきます。

 

●アブストラクトのお話のところで、「アブストラクトは150ワードを少しでも超えてはいけないか」についての質問がありました。

 

この質問、色々なところで、聞かれます。

 

なお、MPEP(米国特許審査便覧)の改訂(2013年)のあと、文言が「preferably not exceeding 150 words」に変わったので、150ワードの規則は緩和されたのではないか、というご意見も聞くことがあります。

 

また、「何ワード超えると指摘されるか」を調べられた、というある方によると、166ワードまで、大丈夫だった(指摘が来なかった)そうです(!)

 

さて、話は戻り、150ワードを1ワードでも超えたら、指摘をされるのか・・・。

また、MPEPの改訂後、150ワードを多少超えても、良くなったのか・・・。

 

 

このことについて、私は、次のように、考えてきました。

 

私の印象(または予想)なのですが、MPEPの改定の前後にかかわらず、前から、「150ワード」は決まりではあったけれど、厳格ではなかったのではないか、と思っています。

 

個人的に2013年よりも以前のセミナーで使っていた資料を見返してみると、次のようなMPEPからの記載を、載せていました。

 

●2012年の中山セミナーより:(MPEP改訂前)

37 CFR 1.72 Title and abstract.
(b) A brief abstract of the technical disclosure in the specification must commence on a separate sheet, preferably following the claims, under the heading “Abstract” or “Abstract of the Disclosure.” The sheet or sheets presenting the abstract may not include other parts of the application or other material. The abstract in an application filed under 35 U.S.C. 111 may not exceed 150 words in length. …

 

*ここでの記載は、may not exceed 150 words in length…です。

 

may not…と書いてありますが、例えば強い禁止を表すshall not…などではありません。

 

そして、続いて読んでいくと、次の記載があります。
C. Language and Format
The abstract should be in narrative form and generally limited to a single paragraph within the range of 50 to 150 words. The abstract should not exceed 15 lines of text. Abstracts exceeding 15 lines of text should be checked to see that it does not exceed 150 words in length since the space provided for the abstract on the computer tape by the printer is limited. If the abstract cannot be placed on the computer tape because of its excessive length, the application will be returned to the examiner for preparation of a shorter abstract.

 

*つまり、

Abstracts exceeding 15 lines of text should be checked to see that it does not exceed 150 words in length since the space provided for the abstract on the computer tape by the printer is limited.

 

「15行を上回ったら、150ワードを上回っていないかチェックされる」

という記載が当時ありました。

 

 

さて、改訂後の、現在のMPEPの記載です。

 

608.01(b)    Abstract of the Disclosure [R-07.2015]

37 C.F.R. 1.72   Title and abstract.

*****
(b) A brief abstract of the technical disclosure in the specification must commence on a separate sheet, preferably following the claims, under the heading “Abstract” or “Abstract of the Disclosure.” The sheet or sheets presenting the abstract may not include other parts of the application or other material. The abstract must be as concise as the disclosure permits, preferably not exceeding 150 words in length. The purpose of the abstract is to enable the Office and the public generally to determine quickly from a cursory inspection the nature and gist of the technical disclosure.

 

* preferably not exceeding 150 words in lengthへと、記載が変わっています。

 

私個人の考えとしては、may not exceed→preferably not exceedingに変わったからといって、大きな差は生じないのでは、というようにも、考えてきました。以前から「15行を超えたらチェック・・・」という記載を目にしていたためです。

あくまで個人的な意見ですが。

 

また、現在のMPEPの表記は、PCTの表記に似せたのかもしれない、とも個人的には、考えてきました。

 

●次の記載は、PCTです。

Regulations under the PCT

Rule 8  The Abstract

(b)  The abstract shall be as concise as the disclosure permits (preferably 50 to 150 words if it is in English or when translated into English).

 

*preferably 50 to 150 wordsという記載があります。

 

***

なお、翻訳業務としましては、150ワードを超えないように、表現を工夫して、訳します。そして万が一超えた場合には、お客様に翻訳注でご報告します。

 

***

さて、ここで、先の現在のMPEPを読み進めると、15 lines(15行)の記載も、微妙に、変わっています。

C.    Language and Format

The abstract should be in narrative form and generally limited to a single paragraph preferably within the range of 50 to 150 words in length. The abstract should not exceed 15 lines of text. Abstracts exceeding 15 lines of text or 150 words should be checked to see that they are as concise as the disclosure permits. The form and legal phraseology often used in patent claims, such as “means” and “said,” should be avoided. The abstract should sufficiently describe the disclosure to assist readers in deciding whether there is a need for consulting the full patent text for details.

 

*つまり、

Abstracts exceeding 15 lines of text or 150 words should be checked to see that they are as concise as the disclosure permits.

 

「15行または150ワードを超えると、(開示が許す限りにおいて)十分に簡潔になっているかをチェックされる」、というのです。

 

何か興味深い、記載です。

 

以前のMPEPは、「15行を超えると、150ワードを超えているかチェックされる」、そして今は、「15行または150ワードを超えると、記載の都合が許す状況において(というような意味に取れます)簡潔になっているかをチェックされる」というのです。ここは結構、変わっています。

 

これを全体として考えると、やはり以前よりも改訂後のMPEPの決まりにおいて、150ワードの決まりというのは、緩和された、というように考えるのが良いのかもしれません。

しかし、150ワードを一語でも超えてはいけなかったのが、改訂されたpreferablyになってから超えても良くなった、というのとも、少し、違うようにも思います。

 

しかしいずれにしましても、MPEPの改定において、AIAのための改定という主な点は良いとして、こうして、細かな文言が様々に変わっているところに、どのような意味を見出せば良いのかなあ・・・と、当時、思っていました。

 

当時丁度、書籍「外国出願のための特許翻訳英文作成教本」の最終チェックをしていた時に、MPEPが改定されたので、随分、原稿の修正をしました。

 

あのとき、書籍のために旧MPEPと新MPEPを読み比べていましたが、例えば機能表現のmeans forの箇所の記載が微妙に改定されていること(means for→meansになっていて、forが取れていることに気付いたり、またbe configured toなどについての記載が追加されていたり)を知った時は、何かとても、ワクワク、したものです。

何度も見比べて、それが意味することを、一人、考えてみたり・・・(答えは出ないのですけれど)

 

しかし、AIAにしてもそうなのかもしれませんが、どこかのauthorityが「ここがこのように変わったのは、こういうことを意図しているので、これからはこうなるよ」とすべてにおいて明示してくれたら分かりやすいのに、Nobody knows what will happen.な状態で、微妙な変化がprosecutionやinfringementに与える影響が徐々に出てくるまで、ただひたすら、待っている・・・。そして、その新しい法律文言が与える影響を徐々に判断をして、仕事のやり方を決めていく・・・。

Nobody knows what will happen….

 

素人の目からすると、何かとても、不思議なことです・・・。

 

さて、備忘録は終わりです。

 

大阪セミナーにご参加くださった皆様、お会いできて、良かったです。

時間を共有してくださって、誠にありがとうございました。私にとっては、皆様との特別な時間になりました。

皆様にとって、少しでも実りある時間であったことを、心より願っています。

 

また改めて、セミナーのご報告をさせていただきます。

東京セミナーありがとうございました


2016年8月 5日(金) 東京開催セミナー【Application Drafting and Translation Strategies for U.S. Filing of Japanese Applications】(米国出願のための特許明細書の起草と翻訳のコツ)を終了いたしました。

 

特許翻訳者の方々と、知的財産ご担当者(明細書起草者)の方々に、お集まりいただくことができました。

ご参加くださいました36名の方々に、心より感謝申し上げます。

 

今回のセミナーでは、明細書起草者(Application Drafter)と特許翻訳者(Translator)の二つの観点から、日本企業様の英文特許明細書をどのようにして、より良い方向へと転換していけるか、ということを、米国特許の視点から、ご受講者と共に、模索させていただきました。

 

「米国特許の視点から」という点につきましては、米国向け特許明細書では注意すべき点が少し特殊であること、また企業様の戦略として米国に重きを置いておられる場合が比較的多いというような点により、米国特許の視点を「知る」ことは、大切であると考えるためです。

その後の他国へのアレンジ(または他国を中心とした米国へのアレンジ)は、実務のご状況に応じて適宜行っていただけますと幸いです。

 

さて、東京セミナーでは、一つでも、ご受講者にとって有益となる情報をご提供できていたことを、願っています。講座のアンケートも見せていただきまして、今後の講座の改善へと、努力してまいります次第です。(ご受講いただきました方々、アンケートのご提出をどうかお願いいたします。)

 

引き続き、大阪セミナー(9月16日開催)が控えていますので、詳しい講座内容はここではお伝えをいたしませんが、ご受講くださった皆様、開催にあたってご尽力くださった皆様に、心より、感謝申し上げます。

 

講座の雰囲気のみ、ここに写真にて、お伝えをさせていたけますと幸いです。

 

1

【講師のブラッド先生です。】

 

7

【サブ講師(コーディネータ)の中山も、mini-翻訳レクチャを担当しました。】

 

9

【今回は少し情報が多くなってしまい、またご質問もお受けしまして、少し講座時間を延長させていただくことになりました。申し訳ございませんでした。お付き合いをくださいました皆様、ありがとうございました。】

 

 

大阪セミナー(9月16日開催)のほうは、ご受講者枠が残り若干名となっています。ご参加をご予定くださっています皆様、誠に、ありがとうございます。どうかよろしくお願いいたします。

東京セミナーどうぞよろしくお願いいたします


東京開催セミナー【Application Drafting and Translation Strategies for U.S. Filing of Japanese Applications】(米国出願のための特許明細書の起草と翻訳のコツ)の日取りが、近づいてまいりました。

 

[東京開催セミナー] 2016年8月 5日(金)9:30~16:30

http://www.u-english.co.jp/seminars/2016/4.html

 

今回のセミナーでは、明細書起草者(Application Drafter)と翻訳者(Translator)の皆様にお集まりいただき、日本企業様の英文特許明細書をどのようにして、より良い方向へと転換していけるか、ということを、共に模索させていただきたい、と考えてきました。

 

翻訳者一人の力では何もできないかもしれない、しかし、Application Drafterの方々に助けていただき、教示いただき、そして強く導いていただくことで、翻訳者にも、仕事を通じて、何か日本という国が良くなっていくことに関われるのではないか、大変恐れ多いことですが、そんな思いを持ちながら、本セミナーを開催させていただく運びとなりました。

 

セミナーの準備を終えて、この写真を、眺めていました。

uspto

 

USPTO・・・(米国特許商標庁)

 

 

 

私の明細書翻訳文、どうなっているのかなあ・・・。

無事、仕事を終えてくれているのだろうか・・・。

どんな審査官に、どんな風に審査されているのだろう・・・。

どのくらいの数が、無事特許になったのか・・・。

DOE(Doctrine of Equivalents)は保持できたのだろうか・・・。

英語表現は、問題無かっただろうか・・・。

 

色々なことに思いをはせながら、遠く米国を、見ていました。

 

*****

 

 

 

さて、東京セミナーは現在34名のお申込者に恵まれ、皆様に無事にお会いできますことを、講師のブラッド先生、およびサブ講師(コーディネータ)中山ともに、心待ちにしています。

 

ご参加の皆様にとって実りある1日となりますことを、心より、願っています。

 

どうかよろしくお願いいたします。

 

中山裕木子

 

 

 

 

心を込めて、翻訳しました


特許明細書の仕事は、「読み手」がとても大切。

日英特許翻訳の最中は、いつも「読み手」を意識して、書いていくことになります。

 

その時、最も近い「読み手」であるお客様の顔を想像したり、途中に位置されるであろうさらなるお客様や、ひいては顔の見えない審査官を想定したり、しています。

 

さて、今回の翻訳文の和文原稿は、とても、「心に残る」、ものでした。

 

大変丁寧に構成し直された日本語。

きっと、「どんな翻訳者が翻訳をしても大丈夫なよう」、に仕上げてあるのでしょう。

このような手の込んだ、素晴らしい仕事をなさる方はどなたなのか、と思いつつ、明細書の書誌情報を見ていましたら、私にとって、お会いしたことはないけれど、少し気になっていた方が、和文作成に関わっておられるような様子でした。

 

その丁寧なお仕事からは、日本語への「想い」、そして真摯なお仕事への「想い」、がにじみ出ていました。

そのような日本語を、英文に訳せるという幸せをかみしめながら、私のほうも、特別に「丁寧」に、翻訳文を仕上げました。

 

「想い」が込められていることがわかる日本語明細書に対して、「想い」を込めたこの翻訳文(英文明細書)、どうか、良い仕事を、してくれますように。

 

どうか、お客様のご要望を満たすことが、出来ますように。

本当に、祈るような気持ちで、納品です。

 

 

今年の私のテーマは、知財ご担当者(application drafter)と翻訳者(translator)の協力、です。

 

恐れ多いことですが、きっとこの双方が、それぞれ真摯な仕事をし、お互いを理解しながら歩み寄り、そして共に一つのゴールを目指せば、きっと、日本企業様の英文明細書は、短時間で、一気に、高品質なものへと、変わっていくことでしょう。

 

今は顔の見えない知財ご担当者を想像しながら、勝手に私のほうで、翻訳する際に盛り上がっているだけなのですけれど、今年は、そのような知財ご担当者の方々にも実際に出会いたいと考えています。

そして、ご賛同いただける方と一緒に、新たな道を歩み出したい、と思っています。

 

(もちろんそのためには、最大限の、自己研磨が必要なのですけれど・・・。)

(自己研磨・・・Push, push, push!  Push myself!)

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