ユー・イングリッシュ

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ありがたい提携でビジョンを広げる


最近の私は講師業が多いように見えていると思います。ブログで書くのは講師のお話が多く、また実際、講師のお仕事や、またそのお打ち合わせに出かけることがあるためです。

 

しかし、法人化前よりも費やす時間が増えたのは、実は「翻訳業」のほうです。昨年に書籍(『外国出願のための特許翻訳英文作成教本』)の執筆に使っていた時間を丁度埋める分、翻訳のお仕事が、増えました。書籍の執筆が終わっても「ゆっくり」しようとは考えていなかったため、この変化には、感謝しています。

 

さて、翻訳業のほうも、色々な「野望」を抱いています。まだあまり明かすことはありませんが、ゆくゆくは、通常の特許翻訳会社ではない、ワンランク上の、特許翻訳エキスパート集団、をご提供したいと思っています。そしてその、特許翻訳エキスパート集団 + ○○(提携先協力者)により、少し異なることができるよう、考えています。

 

そんなビジョンをぼんやり持っていた頃、まさに私の意図にぴったりの業務提携の可能性についてのお話が、突然、舞い込みました。向きたい方向性や、お仕事に対する気持ちがぴったりフィットする方(?)からのご連絡は、とても、嬉しく思います。

 

ぼんやりであっても、ビジョンを持っていること、が役に立つことがあります。そのビジョンに対して自分に足りない部分、を意識していると、それを提供してくれる第三者が、突如現れることがあります。人生とは、不思議ですね。

 

今日は、ぼんやりしたブログでした。

 

 

さて、ぼんやりの続きに、ある方のブログをご紹介。ちょうど私が先日書いた、precisionとaccuracyについて、同じようなことを、より分かりやすい日本語とその方のご経験による知識で、書いておられます。許可を得て、転載させていただきます。

 

ブログ

米国特許修行記 -A Japanese Patent Attorney Struggling in the United States- より

 

**********

閑話 -翻訳の難しさ-  ・・・・抜粋

正確さとは何か。この単語を英訳すると、一般には、「accuracy」又は「precision」という訳になると思うが、少なくとも私の理解する限り、機械、電気、化学系の分野において、「accuracy」と「precision」は、かなり、どころか全くと言って良いほど意味が異なる。

 

「accuracy」という語は、「測定値等が真の値にどれくらい近いか」を意味する。その一方、「precision」という語は、「繰り返しの測定において測定値のばらつきがどれだけ小さいか」を意味する。

 

例えば、100gの石ころを重量計(A)で50回計ったところ、「85g、111g、104g、102g、128g、70g...」と計測結果にかなりばらつきがあるが、50回分の測定値を平均するとキッチリ100gになったとする。この重量計(A)の「accuracy」は非常に高いが、「precision」は非常に低いということなる。

 

その一方、同じ100gの石ころを重量計(B)で50回計ったところ、「72g、73g、72g、72g、71g、72g...」と計測結果にほとんどばらつきがないが、50回分の測定値を平均すると72g(真値からかなり離れた値)になったとする。この重量計(B)の「precision」は非常に高いが、「accuracy」は非常に低いということなる。

 

このように、英語の発想では、「如何に真値に近いか」、「ばらつきの少なさ(再現性の高さ)」という明確に異なる2つの意味を曖昧に併せ持った「正確さ(精度)」という一つの単語を、日本人の我々は違和感なく使い、イメージしている。

 

もっとも、英語がネイティブのアメリカ人でも、ある程度技術のバックグラウンドを持った人でなければ、「accuracy」と「precision」の意味の違いを理解していない事も珍しくはないと思う・・・

**********

 

 

 

私のような「ガチガチの知識」、ではなく、こんな風に「実践」から自然に得てこられた知識を持っておられる方は、素晴らしいですね。現地米国にてstrugglingされているという点も、私には、憧れ対象です。

是非お仕事に、ご一緒させていただきたいものです。(・・・なーんて。)

precisionとaccuracyの違い


さて、先のブログに続いて、precisionとaccuracyについて、記載しておきます。

McGraw-Hill Machining and Metalworking Handbook (McGraw-Hill Handbooks)からの抜粋です。

 

 

Precision

For any measuring device, precision is an indication of how much variation one will observe when one measures the same dimension on the same part using the same measuring device. The terms precision and repeatability are often used interchangeably. The sample standard deviation of multiple measurements taken on the same feature with the same device by the same operator is an indicator of precision. The smaller the standard deviation, the higher is the precision.

 

Accuracy

Accuracy is an indication of how close the measured dimension is to the true value for that dimension. Note that accuracy and precision are not the same thing. A device can be highly precise but very inaccurate. In other words, it can consistently give the same wrong measurement.

 

 

 

precisionとaccuracyに関して、その核となる違いが、とても明快に書かれています。

 

 

“McGraw-Hill Machining and Metalworking Handbook”、私はAmazon Kindle版を持っています。移動中などに、時々読み返しています。

Kindleは複数の書籍を平行して読む(例えば10分ごとに、違う本に浮気する)ことが容易に可能ですので、便利です。

 

precisionとaccuracyと講師業と


講師のお仕事は、誰かに教わったわけでは、ありません。

英語プレゼンの指導をするとき、「successful presentationの数カ条」の中に、Develop your own style.という項目を挙げていますが、講師業もプレゼンと同じ、own styleを、講師自身が、時間をかけてdevelopするものです。

 

様々なスタイルがあって、良いのだと思います。

 

講師業を始めた頃、ありがたいことに、「自由に行ってください」、と言われていました。

 

はじめ社団法人日本工業英語協会の専任講師として働き始めましたが、「とにかく自由に」「任せます」、と言っていただいていました。

 

簡単な講座テーマはいただいていましたが、資料作りも、進行も、すべて任されていました。

 

5年くらいした頃、「上手くなってきたね~」、と、ご担当者に、声をかけていただきました。

 

そんな風に、なんとか講師ができるように育つまで、見守ってくださった回りの方々には、感謝の気持ちで、一杯です。

 

さて、自分の講義スタイルが確立してから、少し、「他の講師の方のスタイル」、というものを、見てみたくなりました。

 

そして、例えば協会の先輩や、同僚の方の講義を、機会があるごとに、少し、覗きに行くようになりました。

 

いろんな講義スタイルがあるなー。

 

素晴らしい、と思ってまねようとしても、なかなか難しくて、やはりそれぞれ、自分のスタイルが、一番上手くできるのだと思います。受講者の方々もまた、各種講師のスタイルを楽しんだり、許容してくださったり、しているのだと思います。

 

 

さて、私のスタイルでは、以前にもブログに書きましたが、京都大学大学院生に長年、理詰めで説明や回答をするように求められて鍛えられたのか、くどいくらいに、質問に答えてしまう癖があります。

 

何かひとつでも、受講生が聞いてくださると、あまりの嬉しさに、その質問に、根拠と理由を求めて、くどいくらい、説明してしまう傾向があります。

その場で一緒に調べることもあります。

答えられることばかりでない場合には、後日、回答のご連絡をすることもあります。

 

そんなスタイルで、ずっと、行ってきました。

 

 

さて、比較的最近、ある講師の方の講義を覗き見に行きました。

 

私とはまた違うスタイル。ビジネス英語、企業の英語に強い、素敵な内容でした。

 

 

さてさて、受講者が質問を一つ。

 

「そこ、precisionを使われていますが、accuracyでも良いですか?」

 

 

講師の方:

「はい、いいです。accuracyも、いい単語ですね。」

 

 

私の心:

「来た来たー!!!、さあ、先生よ、そこで、説明説明!チャンス到来ですね!」

 

 

・・・

 

 

と思っていたのですが、そこで、その講師の方と受講者との会話は、終了でした。

 

「いい単語ですね。」の後に説明がある、と思って楽しみに注目しましたが、終わり、となっていました。

 

 

私の心:

ああ、残念~! 聞きたかったなー、precisionとaccuracyの違い。

なぜ言わないのぉー?

 

まあ、講座も終盤で、講師の方、お疲れになられていたかな。

 

・・・というか、確かにその文脈では、どちらも同様に良い表現だから、「どちらも良いですよ」、が講師として良い応答なのかな。

 

うーん、私、マニアック過ぎるのかしら。

質問から説明に時間を使うので、受講生には「くどい」と思われている?

 

色々なことを思いつつ、他の講師の方のスタイルも、楽しませていただいています。

 

→さて、precisionとaccuracyの違い、は次のブログに続く。

 

大阪開催第3回基礎セミナー


弊社大阪開催第3回 技術英語基礎セミナーを、無事終えることができました。

多数の方々にご参加をいただきまして、ありがとうございました。  遠方からお越しくださった方もいらっしゃり、大変恐縮でした。

ありがとうございました。

 

さて、早速ですが、一つご質問が届きましたので、ここに、補足しておきます。

 

今回はワンポイント文法講座として、関係代名詞の限定・非限定、について扱いました。

それに関連して、such asにも、実は「非限定」がある、ということに触れました。

 

 

届いたご質問:                                                       *一部文言を変えています

「such as」と「, such as(コンマあり)」の使い分けについてお教えください。

後者の場合は非限定用法になるとコメントされたと記憶しますが、「, such as(コンマあり)」の書き方はしたことがありませんでしたので、教えてください。

 

 

回答:

<, such as>は、学校などで習うことがあまりありませんが、実務では、目にすることがあります。

 

私などは、テクニカルライタになってはじめて受けた先輩テクニカルライタ(テクニカルライティングに詳しいネイティブ)によるチェックで、such asの箇所に、徹底的に、コンマを入れられました。

 

What?(何するの!?)、と思いました。

 

 

その後、少しずつ、その効能を、理解しはじめました。

 

すべてにコンマを入れる必要はありませんが、文章が長い場合であって、非限定の場合に、コンマを入れる用法を知っておくと、読みやすくなることがあります。

 

以下、ACSスタイルガイドからの引用(和訳と解説は私による)を掲載します。

 

 

*****

Phrases introduced by “such as” or “including” can be restrictive (and thus not set off by commas) or nonrestrictive (and thus set off by commas).

(such as やincluding で導入する句は、コンマで区切らない限定とコンマで区切る非限定がある)

 

限定の例:

Potassium compounds such as KCl are strong electrolytes; other potassium compounds are weak electrolytes.

 

解説:下線部分が伝えるのは「KCl といったカリウム化合物は強電解質である。」「KCl」は文中の必須情報。

 

非限定の例:

Divalent metal ions, such as magnesium(II) and zinc(II), are located inthe catalytic active sites of the enzymes.

 

解説:文章が伝えるメイン情報は「二価金属イオンは酵素の触媒活性部位に存在する」こと。二価金属イオンの一例として、つまり付加情報として、magnesium(II) とzinc(II) があげられている。

 

*****

 

このように、such asの限定・非限定について、ACSスタイルガイドには、載っています。

 

 

限定・非限定、が「関係代名詞」だけのものでないことから見えてくる、文法事項、「分詞」と「関係代名詞」の説明、「コンマが入ることの意味」、などなど、文法書の裏側に迫るような、ワンポイント文法講座を行ったつもりです。

 

 

さて、この種のワンポイントののち、第3回は、どんどんレベルアップ。

工業英検の2級と1級の問題の良い部分を使いながら、「正確・明確・簡潔に各文を書く」ことに加えて、「文章同士のつながり」までを意識したライティングを行いました。

またまた必死な感じの3時間半でした。

 

演習がすべて終わり、受講者の方に、最後に、問いかけました。

 

 

Difficult?

 

 

「うん、うん」、とうなずいてくださるご様子。

 

 

 

さて、本日皆様にお送りした言葉は、次のとおり。

 

 

All things are difficult before they are easy. by Thomas Fuller

 

 

 

 

難しく見えるからこそ、やってみようではありませんか。続けていれば必ず、やさしくなっていきます。              by Yukiko Nakayama

 

 

Powerful!


数日前、拙著「特許翻訳英文作成教本」のご感想を記載させていただいた中に、次のフレーズがありました。

 

「何人もの特許翻訳者が恩恵に預かれるでしょう。本の力はパワフルですね。」

 

昨年ヒットしたディズニーの映画のセリフにも、次の表現がありましたね。

 

「愛の力は そう パワフルさ。」

 

 

Powerful

 

 

この英単語、つい先日、私がとても好きになったところでした。

 

 

ある大学の非常勤講師を務めることになりました。最近は集中講義に出かけていましたが、来年度は、レギュラーの授業を担当します。

 

そこで先日、現在担当されているネイティブ講師の方とのお打ち合わせに行きました。その方の実際の授業を見せていただき、どのようにすれば、私のような「日本人講師」と、その方のような「ネイティブ講師」が、共に協力をして、それぞれの強みを生かし、真に効果の高い論文ライティングの授業が構築できるか、を探りました。

 

建設的な、議論でした。私たちが向いている方向はただ一つ、「学生にとって最高の学びの環境を作り上げること」。

利害なく同じ方向を向けることを、とても気持ちよく、感じました。このような考えを持った素晴らしいネイティブ講師の方と出会うことは、初めてです。

 

さて、その先生との「論文英語」についての議論の中で、ありがちな日本人英語や、論文英語のあるべき表現例について話し合っていたところ、次のように、おっしゃいました。

 

実は私、ネイティブの方の口から出る言葉、すべてメモしたくなるのですが(いつまでも、英語への憧れが強いんですね)、次の1文は、特に即座に、メモをしました。

 

 

 

Verbs are powerful.

 

 

 

私がこれまで、テクニカルライティングの重要ポイントとして伝えてきた「良い動詞を使いましょう。」「強い動詞を使いましょう。」「静的な動詞ではなく、ダイナミックな動詞を使いましょう。」

 

その理由を、「パワフル」、という言葉を使って、端的に、描写されました。

 

 

私が過去に言っていた、Put verbs in action. Use dynamic verbs rather than static. などよりも、ずっとずっと、心に届く、フレーズだと思いました。

 

もう一度。

 

 

Verbs are powerful.

 

 

 

こんな表現をサラリと言えるところ、やはり生のネイティブは、違うなあ、と思ったりもしました。

(なお、ネイティブなら誰でも良い、という意味ではありません。日本人英語の問題と、科学技術英語ライティングをきちんと理解したネイティブの方ならでは、です。)

 

ちなみに、その先生の英語表現を、結構な数、ノートにメモしていました。

 

きっとその先生は、「次年度の英語授業プランについてメモしているんだろう」と思っていたでしょうが、私は実は、話しながら、「ネイティブ英語」に飛びついて、その魅力を、メモしていました(笑)。

 

 

「ノンネイティブはノンネイティブの道を行く、ネイティブ以上に、正しく書く」

これらを普段の翻訳実務では、モットーにしています。それでもいつまでも、やっぱり、私には憧れなんですね、ネイティブの、生の英語。

 

 

メモしたネイティブ口頭表現の一例です。

 

Questions are the center of science.

 

(ネイティブ講師の方の授業より。「科学とは・・・」、についての説明の部分でした。the centertheが生きていて、素敵。)

 

 

It might be difficult. No, I shouldn’t say that. Anything can happen.

 

(次年度のコースについて2人で検討しているとき、もっとこうなれば、学生さんにとって効果的ですね、という内容を議論していました。「国の決まりの都合でそれは難しいかもしれない。いや、あきらめることはない。無理ということなどない。」、という、そのネイティブ先生のつぶやきをメモ。)

 

 

Anything can happen.

 

 

英語は、表現のみならず、思考も、やはり素晴らしいですね。

 

 

今日のブログの内容は、少しマニアックで、分かりにくかったでしょうか?

 

英語の素晴らしさに生で触れることができた、良いお打ち合わせの一日でした。

英英辞書Collins COBUILDの明快定義:Concise


前々回の記事で、英英辞書Collins COBUILDのCorrectの定義、Clearの定義を読みました。

 

定義をもう一度。

 

 

Correctの定義

If something is correct, it is in accordance with the facts, and has no mistakes.

 

 

Clearの定義

Something that is clear is easy to understand, see, or hear.

 

 

いずれも、分かりやすい定義です。

 

 

そして最後に、Conciseの定義を見てみましょう。

 

 

Conciseの定義

Something that is concise says everything that is necessary without using any unnecessary words.

 

 

 

もう一度。

 

Something that is concise (簡潔とは)

says everything that is necessary (必要なことすべてを言うこと)

without using any unnecessary words.(不要な言葉を一つも使わずに)

 

 

厳密で、明快な定義です。

簡潔、といってもただ短いことではない。「必要なことはすべてを言う」、つまり必要な語であれば、使ってよい、という点が重要です。

一方で、「不要な言葉」を一切削除することで、conciseを達成できます。

 

このように、英英辞書Collins COBUILDは、明快な定義により、英語の真の意味、微妙なニュアンスを伝えます。

(なお、収録語数の関係で、技術的な専門用語には弱いです。)

 

 

ちなみに、Oxford English Dictionaryでは、conciseは次のように定義されています。

 

Concise:

1. Of speech or writing: Expressed in few words; brief and comprehensive in statement; not diffuse.

(スピーチやライティングにおいて、少ない言葉で表現する。まわりくどくなく、簡潔で理解可能なように表現する)

 

理解はできますが・・・。

 

 

また、Longman Dictionary of Contemporary Englishでは、次のように定義されています。

 

Concise:

1. short, with no unnecessary words [= brief]:

(短く、不要な言葉がない。brief)

 

こちらも、普通の定義・・・。

 

 

これらと比較してみても、Collins COBUILDの明快さ、大胆さ、そして具体性、が理解できます。

 

 

なお、どの辞書がベスト、というわけではなく、上のOxford, Longmanともに、Collins COBUILDには無い利点がある辞書です。

 

大切なことは、各辞書の良い点を知り、目的に応じて組み合わせ、ツールとして使いこなすことです。当然ですが、辞書はあくまでツールです。「辞書に書かされる」のではなく、「辞書を駆使して、自ら考え理由付けをして書く」ことが大切、と考えています。

 

テクニカルライティングの3C


原点に戻ります。

テクニカルライティング(Technical writing in English)とは、情報を伝える英語、実務の英語、会社などの機関が作成するあらゆる文書(マニュアル、仕様書、提案書、報告書、論文、特許文書など)に使う英語のことです。

 

「伝える」ことが目的の文書、誤りはご法度、Correctが最も重要です。

技術文書に少しでも誤りがあると、文書全体の品位・質が落ち、文書の中身が疑われることになります。

 

そして次に大切なのが、ClearとConcise。

文書が複数の解釈を与えず、誰が読んでも「明確に」内容が伝わることが重要です。

そして、忙しい読み手に読んでもらうため、それから明確に内容を伝えるためには、「簡潔性」も必須の条件となります。

 

Clearであり、Conciseであることが、Correctになる可能性も高めます。

 

これが、テクニカルライティングの「3つのC」です。

 

  • Correct          正確に書く
  • Clear             明確に書く
  • Concise         簡潔に書く

 

 

今日は、原点に戻りました。次の記事では、1つ前の記事に続いて、Collins COBUILDの”Correct, Clear, Concise“の定義を読みます。

Collins COBUILDで英英辞書使用のハードルが下がる


ここ最近の英英辞書Collins COBUILDに関する記事つながりで、またもう少し、辞書の定義に着目してみます。

 

その前に、英英辞書に関する個人的な苦い思い出。

 

「英英辞書を引きなさい」

学生時代には、何度と無く、いわれた言葉です。

 

その都度、

「引かないといけないんだろうな~」
「きっと英英辞書なんて引いてたら、カッコイイんだろうな~」

「一度引いてみようか」
「英語の定義が分かったような、分からないような・・・」
「ああ面倒・・・」
「別に引かなくても、いいか」
「あれ?英英辞書、どこに行った?」
「新しい辞書購入」

→ 同じことを繰り返す

 

このような状態は、いよいよプロの技術翻訳者として英語を書き始めてからも、続いていました。

 

New shorter, Longman, Oxford, 色々な英英辞書にトライしては、短期間で挫折。

「引いたほうがよいのは分かっているけれど・・・」

 

そんな私に一筋の光をくれたのが、CD-ROM版の英英辞書Collins COBUILDです。

なお、収録語数の関係から、技術系の単語には大変弱いですが、一般語の定義が明快で分かりやすくなっています。

 

●試しに、テクニカルライティングの3つのC、のうちの”Correct”を引いてみましょう。

 

Correctの定義
If something is correct, it is in accordance with the facts, and has no mistakes.

 

「当たり前」のことが「当たり前」に書いてあるところが、良い!

 

●次に、”Clear”を引いてみましょう。

 

Clearの定義
Something that is clear is easy to understand, see, or hear.

 

分かりやすい!

 

 

さてさて、最後に”Concise”です。

これが、最高に、良い定義なのです。

 

少しもったいぶって、Conciseの定義については次回のブログに書くことにします。

 

それまでに読みたい方は、ネット上のEnglish Cobuild Dictionary↓で是非引いてみてください!

 

English Cobuild Dictionary:

http://dictionary.reverso.net/english-cobuild/

Collins COBUILDの明快英語


昨日のブログでは、2つの英単語の英英辞書定義を記載しました。

 

今日は、その英英辞書定義の中にある、3C表現、を考えたいと思います。

まずはもう一度、辞書の定義を読んでみましょう。

 

****

Serendipity

Serendipity is the luck some people have in finding or creating interesting or valuable things by chance. (Collins COBUILD)

****

 

****

Resilient

Something that is resilient is strong and not easily damaged by being hit, stretched, or squeezed.(Collins COBUILD)

****

 

英語の中身(意味)を、読んでいるとき、英語表現の「形」には着目できないと思います。

中身(意味)の理解に集中しているため、「英語の形」には注意を払うことができません。

 

 

意味がわかったところで、次に、「英語表現」、に純粋に着目して、読んでみましょう。

この表現のここは良い、ここはこういう意図があってこの表現になっていると思う、などとコメントをするつもりで。

 

 

Serendipity is the luck some people have in finding or creating interesting or valuable things by chance.

 

 

私の分析:

●まず気がつくのが、Serendipity is the luck…のluckの前のtheです。

これは、a luckでも、luckでもダメでしょう。”the luck”と特定しているからこそ、固く厳密な表現として表せる、また、「幸運」、をある人たちが備えている「能力」、のようなニュアンスで、表現が可能です。

 

●次に、the luck some people have in finding or creating…の動名詞、に着目。

to不定詞を使ってthe luck some  people have to find or create…ではダメなのでしょうか。

そうです、ダメなんです。(to不定詞でも間違いではないけれど、…ingがベター。)

the luck some people have in finding or creating…であるからこそ、英文が自然に流れます。

また、「見つける(finding)」「作り出す(creating)」であることで、to不定詞が表すような「これから行うことに対するluck」ではなく、「~という一般事実や行為におけるluck」、また「そういうことが可能になるluck」、として、表すことができています。

 

 

●最後に、interesting or valuable thingsの「or使い」に着目。

「面白いこと や 価値のあること」

orを使うことで、「面白いこと」そして「価値のあること」のいずれか一方、または両方、そしてさらには、その他の事柄すら除外しない、といった意味を表すことができています。

 

つまり、「面白いことや価値のあることなどを」、のように「など」の意味も含めて、表すことができています。

 

 

 

さて、 次の定義。

 

Something that is resilient is strong and not easily damaged by being hit, stretched, or squeezed.

 

●まず目につくのは、関係代名詞thatの使用。

限定用法にはthat、というテクニカルライティングの原則を守っています。

Something which is resilient…とwhichに置き換えてニュアンスを比較すると、thatを使うことで、スムーズに読めたり、先行詞を限定する「限定力」が強まることが感じられるでしょうか。

そのように感じられれば、あなたもテクニカルライター、と言えるかもしれません。

(なお、ここの関係代名詞は、非限定は決して使えない文脈です。)

 

●さて次に、シリアルコンマ。

A, B, and Cのandの前(または今回のようなorの前)のコンマを、「シリアルコンマ」といいます。

このコンマは、文法上は省略可能ですが、入れることで明確になるので入れましょう、と各種スタイルガイドが推奨しています。

この点も、スタイルガイドを読んだことがあるかどうか?明確性を大切にしているかどうか?、が問われるところでしょう。

 

●ついでにstrong and not easily damaged

誰でも理解できる平易な単語を使っています。

 

●さらにはhit, stretched, or squeezedのパラレリズム。

具体的な意味を持つ明快な動詞3つを、綺麗に並べています。

 

 

以上、Collins COBUILDの辞書定義の英語チェックでした。

 

Collins COBUILD、定義が明快で、使いやすい辞書です。

英英辞典の初心者にも、おすすめです。

 

本日の日常英単語serendipityとresilience


先日出張授業に行った際、「良い英単語を知ったんです」、と学生さんよりご報告をいただきました。

 

昨年私の授業を受けてくださった学生さん、1年ぶりにお会いして、見違えるように英語力も伸び、そして考える力、伝える力、「人間力」が伸びておられました。1年前の授業がほんの少しでも、その一助となっていたとしたら、とても嬉しいと思いました。

 

さて、選ばれた言葉は、

 

”serendipity”

 

 

なかなか難しい英単語ですね。

「思い通りにならなくても、思っていたものが得られなくても、その道で、別の良いものを見つけていける力」、と説明されました。

 

良い英単語です。

 

 

さて、英英辞書の定義です。

 

****

Serendipity

Serendipity is the luck some people have in finding or creating interesting or valuable things by chance. (Collins COBUILD)

****

 

 

「それでは私も英単語を一つ」、とその学生さんにお返ししたのが、次の単語です。

 

“resilience”

 

私自身がつらかった時、若く苦しかった20代, 30代前半、この単語が頭に浮かんだことが何度もあります。

何があっても、折れない心、負けない力。

 

形容詞resilientについて、英英辞書の定義を記載しておきます。

 

****

Resilient

Something that is resilient is strong and not easily damaged by being hit, stretched, or squeezed.(Collins COBUILD)

****

 

 

どちらの言葉も、厳しい世の中を生き抜くために、良い言葉だと思います。学生さんが選んだserendipityがとても「明るく」「前向き」な言葉なのに対 して、私が選んだresilientは、少しだけ長く生きている分、苦しみを乗り越えるのに必要な、少し重たい言葉かもしれません。

 

英語は、一つの単語が持つ「強さ」や「ニュアンス」が明快で、とても興味深いと思います。

 

ちなみにresilientのほうは、技術英語でも使えます。

resilient steel = 弾力鋼

 

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