ユー・イングリッシュ代表取締役 中山 裕木子のブログ


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  日常, 講師 

技術系英文ライティング教本(重版いただきました)

2009年に出版しました『技術系英文ライティング教本』は、はじめて出版した本。

 

2006年に開始した理系学生への技術英語の基礎講義において、適切な教科書が見つからず、資料を作成しはじめたのが執筆のきっかけです。

 

「三単現とは何ですか。」

「三単現の「単数」には不可算名詞は入りますか。」

 

といった、本当に基礎的な質問を、授業でしてくれた学生たち。

 

三単現とは、三人称、単数、現在形 です。三人称は、「私」と「あなた」以外ですが、技術文書では、「彼」や「彼ら」は出てこないので、三人称は「無生物」です。例えば「机」も「イス」も「半導体の小型化(miniaturization of semiconductor devices)」も三人称。

 

そして、技術文書では、二人称(You)はほとんど出てきませんし、一人称IやWeを使うのは、責任の所在を明示したい特定の場面に限られます。ですからほとんどが、三人称が主語です。

 

現在形については、技術文書、例えば論文では、研究した結果、実験結果から、普遍化できるところを探して、人間生活に活かす。そこで、普遍化したことを表現するための「現在形」は最も重要な時制と言えます。

 

単数・複数は、いずれも平等に可能性がありますが、単数の場合の三単現のエスは動詞の場所を明示してくれるので、重要です。単数の名詞を見たあと、三単現のエスがなければ、動詞の位置がわからなくなり、文構造がわからなくなってしまうかもしれません。

 

そのようなわけで、三単現のエス、大切にしていきましょうね。

 

などと、早口で(ゆっくり話すと学生が去ってしまいそうで)、やりとりをした記憶がよみがえります。

 

技術系英文ライティング教本、今でも、私の中ではとても大切な書籍。

技術英語の基礎をはじめて勉強される向けに、基本事項の丁寧な解説を試みています。学習者にお役に立てていただきたい、と願っています。

 

今年も、重版の一報が届きました。

初版から10年以上が経った今も、細く、長く、読者にお手に取っていただけていること、とても嬉しいです。

2冊の重版サンプルをいただいたので、もし「これから勉強してみよう」「本が欲しい」と希望くださる方がおられましたら、弊社「問い合わせ」より、「本希望」としてお問い合わせをください。先着2名様に、よろしければ、お送りさせていただきたいです。

 

 

また、現在も一部の理系学生向けの授業で使用していますが、例文を改訂したいな、説明を追加したいな、などと感じるところがあり、この先、改良したいようにも思っています。

読者の方からの改良へのご指摘やご意見も、もし教えてくださる方がおられましたら、お願いいたします。

 

それでは、「技術系英文ライティング教本」(第11刷)のご応募、7月末ころまで、2名様をお待ちいたします。

 

よろしくお願いいたします。