ユー・イングリッシュ

ユー・イングリッシュ 中山裕木子 ブログ

英語は「丸覚え」しようとすると、苦労します。

 

例えば学校の先生が「命令文は主語がありません。動詞から開始します。」と言います。

特に疑問を感じずに、「そういうものだ」と覚えることになります。

 

一方で、より興味を持って勉強するためには、色々な文法事項や表現に「理由」を探します。

「理由」を探すためには、書籍やテキストをあたるのではなく、自分なりに考えていると理由が見つかる、といった経験が多くあります。

 

先日、3語セミナーで、受講者のみなさんに尋ねました。

 

「命令文は動詞で開始する」と学校で習っていますが、命令文の主語ってなんだと思いますか?

 

お一人の答え。

 

「主語は動詞です」

 

!!!

 

ん?「主語」が「動詞」?

 

 

「動詞です(動作です?)」とおっしゃりながら、少し自信なさげでした。

 

命令文の文頭には動詞(動作)が来ます、という意味でおっしゃったかな。

または、日本語でよく言われる「主語」と「主題」の混在であったかな。つまり「主題は動詞(動作)です」という意味であったかな。

 

 

「命令文の主語は何?」への応答は次の通り。

 

主語はYou(あなた)です。

 

命令する、つまり動作を促すときは、いつも目の前には「あなた」がいて、「あなた」に動作を促します。

 

しかし、だからといってYou do this!と命令してしまうと、「あなた」に対して圧力的で、失礼です。

 

ですから少し遠慮をして(?)、Youを省略したのが、命令文の正体です。

 

 

命令文の主語は「あなた」である。

 

そんなことを少しだけ意識すれば、例えばマニュアルで

 

Click Yes to save the WIN study before returning to the start page.

(WIN studyを保存するためにYesをクリックしてからスタートページに戻ってください。)

 

といった文を目にしても、before returning toの文法事項について、before you return to the start page.の意味であることが理解できる。

 

また、

The application prompts you to save your changes.

(本アプリにより、(あなたの)変更を保存するように指示されます。)

 

なんていう文をマニュアルで目にしたら、マニュアルでは動作を促すときにはYouを書かずに命令文を使うけれど、それ以外の場合にはyou, yourといった「あなた」が結構登場する。

マニュアルは、製品を使おうとしている「あなた」に対して話しかけるようなreader-friendlyな文書だから。

 

といったことを実感できます。

 

 

ちょっとした英語の「美」を普段から楽しむことで、技術文書の英語にも応用できる、と思っています。

 

 

命令文では主語を省略しますが、もう一つ、日常的に主語を省略している文があります。

 

 

Thank you.

 

「感謝」というのはいつも自分の気持ち。

 

 

ですからHe thanks you.やThey thank you.の文脈はまれ(または皆無)で、通常の主語はI thank you.です。

そしてIはもう分かっているから、Thank you.のように省略するわけです。

 

そんなことを理解すれば、少し頭を柔らかくして、日常会話でのWe thank you.(ありがとう)といった応用、Thank him!といった命令文(彼にありがとうと言って)への応用、さらにはビジネスメールでのWe would like to thank you. I would like to thank you for…といった定型文への応用が可能になります。

 

 

先日社内では、英訳でHe would like to explain his understanding of XX.といった文をリライト時にHe needs to explain his understanding of XX.やHe will explain his understanding of XXに修正する提案をしました。would like toの主語もlikeは自分が「好き」「したい」という気持ちからくるので、主語は通常WeやIであることが英語として自然なように思ったためです。

彼の気持ちを「代理」して書く、という文脈であればHe would like to…も不可ではないのかもしれませんが(実際、「代理人」が「発明者」の意見を代弁する文脈でしたが)、その文書ではやや引っかかりましたので、修正提案をしました。

 

 

基礎ばかりでも、応用ばかりでもいけなくて、基礎と応用を上手く組み合わせることで、仕事品質を高めていけると考えています。

 

そういうわけで、いつも基礎に立ち返りながら、英語という言葉の魅力を感じることを大切にしたいと思っています。

 

 

Find the beauty of English. L♥ve English!

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