「なぜ法人化したのですか」や「会社にしたメリットは」などと、たまに聞かれることがあります。
その都度、私は、答えに詰まります。
「それらしい」答えを探して言葉で埋めても、なんとも、自分らしくない。そう、私自身は、法人化の「メリット」とか「デメリット」とか、そういうことを、考えたこと自体、あまりありませんでした。
法人化することは自分の中ではあまりにも自然なことで、特に大きな変化を求めたわけでも、何かのメリットを追求したわけでもなく、本当に、迷いも不安も無く自然なことでしたので、なぜ10年も法人化しなかったのか、と聞かれるならまだしも、なぜ法人化したのですか、と聞かれても、答えに迷ってしまうのです。
法人格は、「人格」と同じ。
「人」と同じような「格」を持つのが法人。
心を決め、生涯その「格」と寄り添い、ともに歩むことを決める。
難しいことは考えず、それが、「法人化すること」なのだと思っています。
そして、「特許翻訳」、への気持ちについて。
人生において、わくわくする、という感覚は、本当に大切だと思っています。
心が「わくわく」する。胸が「ドキドキ」する。それはまるで、若い恋のような、そんな感情。
これを特許翻訳の仕事の中で、感じることが、あります。毎日ではありませんが、何か特定のことをしているとき、本当に「ドキドキ」します。
「来た!」という感じ。
これを感じたら、心にスイッチ、が入ります。
火が付いた心は、ただ、ただ、邁進する。
もし法人化に「メリット」があるとしたら、つまりメリットデメリットといった尺度で考えるとしたら、そんな「わくわく」を、心のままに、意のままに、追求できること、これこそが、私にとって、法人化のメリットなのでしょう。
心のままに、意のままに、「お客様の益になり、そして社会の益になると自分で考える仕事」を、何の遠慮もなく、誰にも気兼ねすることなく、始めることができ、提案することができ、追求することができる。
ユー・イングリッシュという法人格と寄り添い、自分らしさを追求しながら、そして代表としてあらゆる責任を負いながら、翻訳業と教育業の一つ一つの仕事に、邁進したいと考えています。
そしてそのことが、ほんの少しでも、日本という国を良くすることにつながることを、切に、願っています。