4月に入り、各大学の授業が始まりました。
今期は少し多くの講師業を、お引き受けしています。
それぞれの大学で立場があると、例えばメールアドレスの数が増えていくと、いったい自分が何者なのか、目が白黒する毎日です。
ユー・イングリッシュに戻り、特許翻訳に戻るとき、心が静寂を取り戻します。
やっぱり私にはライティング、と思う瞬間です。
そんな「動」(=講師)と「静」(=翻訳)を組み合わせた仕事ができるのは、そしてその二つの相乗効果で技術英語ライティング力が伸びていくのであれば、ありがたいことです。
”Teaching is learning.”です。今日も、いくつか学びました。
また、理系技術者の方の思考に寄り添うと、その技術について、少しでも理解が深まるような気もしています。
また、技術者の方々が、一生懸命「英語」を理解しようと努力くださる姿を見ると、私も、一生懸命「技術」を理解したい気持ちが強まります。お互いの歩み寄り、が「良い英文技術文書」を作ると思います。
さて、今日は少し講師業について。
「高専」、という教育機関について、ここしばらく、感銘を受けていることについて、書きたいと思います。
ここ数年、ご縁があった「高専」という教育機関。
高等専門学校
=「深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成する」ことを目的とする日本の学校。
後期中等教育段階を包含する、5年制(商船に関する学科は5年6か月)の高等教育機関と位置付けられている。一般には高専(こうせん)と略される。
ウィキペディアより
学内に足を踏み入れると、「高専という選択」、という見出しのポスターが貼られていました。
進路にはいろいろな選択肢があるなあ、と単純に思いながら、自分の進路にも、思いをはせていました。
「高専という選択」が無かった(存在も知らなかった)私にとって、高専という場所に足を踏み入れることは、大変新鮮なことでした。なお、昨年から、F高専の非常勤講師です。また、ほかの高専にも、ここ数年、お邪魔しています。
その学内の、気持ちの良いこと!
●廊下では、右を歩く。
●数人で歩いていても、前から人が来たら、即座に一列に。
●大人にすれ違ったら、挨拶する。
(これをみんなが守っている、とのこと)
この「挨拶」、驚きました。
「こんにちは」
「こんにちは」
ある学生は、立ち止まって、「こんにちは」
さて、授業へ。
90分×2コマ連続
●授業中の学生達の目:
皆が背筋をピンと伸ばして、前を向いている。
話を聞いている。
時に目を輝かせて。
●授業中のディスカッション:
「お隣の人と一緒に、英文を検討してください」、と声をかけると、すぐに、話し始める。
各ペア、沈黙することなく、話をどんどん続ける。
●休み時間:
若者達らしい、屈託無い笑顔。青春輝くやりとり。
声「あーっ、疲れた-。英語の授業90分まじめに聞いたの、初めて」
●授業終了:
疲れた-!!!っという表情
こんな感じで、とても気持ちよく、授業をさせていただきました。
これも、先生方の、生徒さんへの温かいまなざし、愛情、日々の教育、のたまものなのでしょうね。
恵まれた環境で、若い頃から自分の技術開発や専門分野の勉学に没頭できる。
「高専」、という選択肢が、もっと広まっても、良いのかもしれません。
また高専での「テクニカルライティング教育」も、もっと広まると、良いなあと思います。