講師のお仕事は、誰かに教わったわけでは、ありません。
英語プレゼンの指導をするとき、「successful presentationの数カ条」の中に、Develop your own style.という項目を挙げていますが、講師業もプレゼンと同じ、own styleを、講師自身が、時間をかけてdevelopするものです。
様々なスタイルがあって、良いのだと思います。
講師業を始めた頃、ありがたいことに、「自由に行ってください」、と言われていました。
はじめ社団法人日本工業英語協会の専任講師として働き始めましたが、「とにかく自由に」「任せます」、と言っていただいていました。
簡単な講座テーマはいただいていましたが、資料作りも、進行も、すべて任されていました。
5年くらいした頃、「上手くなってきたね~」、と、ご担当者に、声をかけていただきました。
そんな風に、なんとか講師ができるように育つまで、見守ってくださった回りの方々には、感謝の気持ちで、一杯です。
さて、自分の講義スタイルが確立してから、少し、「他の講師の方のスタイル」、というものを、見てみたくなりました。
そして、例えば協会の先輩や、同僚の方の講義を、機会があるごとに、少し、覗きに行くようになりました。
いろんな講義スタイルがあるなー。
素晴らしい、と思ってまねようとしても、なかなか難しくて、やはりそれぞれ、自分のスタイルが、一番上手くできるのだと思います。受講者の方々もまた、各種講師のスタイルを楽しんだり、許容してくださったり、しているのだと思います。
さて、私のスタイルでは、以前にもブログに書きましたが、京都大学大学院生に長年、理詰めで説明や回答をするように求められて鍛えられたのか、くどいくらいに、質問に答えてしまう癖があります。
何かひとつでも、受講生が聞いてくださると、あまりの嬉しさに、その質問に、根拠と理由を求めて、くどいくらい、説明してしまう傾向があります。
その場で一緒に調べることもあります。
答えられることばかりでない場合には、後日、回答のご連絡をすることもあります。
そんなスタイルで、ずっと、行ってきました。
さて、比較的最近、ある講師の方の講義を覗き見に行きました。
私とはまた違うスタイル。ビジネス英語、企業の英語に強い、素敵な内容でした。
さてさて、受講者が質問を一つ。
「そこ、precisionを使われていますが、accuracyでも良いですか?」
講師の方:
「はい、いいです。accuracyも、いい単語ですね。」
私の心:
「来た来たー!!!、さあ、先生よ、そこで、説明説明!チャンス到来ですね!」
・・・
と思っていたのですが、そこで、その講師の方と受講者との会話は、終了でした。
「いい単語ですね。」の後に説明がある、と思って楽しみに注目しましたが、終わり、となっていました。
私の心:
ああ、残念~! 聞きたかったなー、precisionとaccuracyの違い。
なぜ言わないのぉー?
まあ、講座も終盤で、講師の方、お疲れになられていたかな。
・・・というか、確かにその文脈では、どちらも同様に良い表現だから、「どちらも良いですよ」、が講師として良い応答なのかな。
うーん、私、マニアック過ぎるのかしら。
質問から説明に時間を使うので、受講生には「くどい」と思われている?
色々なことを思いつつ、他の講師の方のスタイルも、楽しませていただいています。
→さて、precisionとaccuracyの違い、は次のブログに続く。