ユー・イングリッシュ

ユー・イングリッシュ 中山裕木子 ブログ

クレーム翻訳はパズル!(2015年の締めくくり翻訳中)


年末まで、翻訳とリライトに励んでいます。

翻訳に始まり、翻訳で終わることが出来た一年に、今、とても感謝しています。

 

15年ほど前に特許翻訳をはじめた際、特許事務所の入所試験に、何か面白そうなパズルのような問題を、解きました。

「この数字とこの数字の関係は?」、また「これとこれがつながれば、どのような解が出るか???」

内容を上手く説明できませんが、頭を「じっ」と使って、パズルを組み立てていくように、解いていく問題でした。

 

「英語の試験じゃなくて、何でこんなことする?」

と疑問に思っていました。

 

試験の結果は良かったか悪かったか知りませんが、その問題、私は「頭がイタイ、だけど面白い!」と思いながら、必死で解いていました。

 

クレーム翻訳というのは、まさに、「ここと、ここが、つながって、このように、なって・・・」と、パズルの組み立てのようです。

 

そう、今まさに、パズルを、組み立てているところ。

 

案件によってはクレームのパズルの組み立てはとてもスムーズなのですが、和文の制約が厳しい場合など、そのパズルの組み立てが、難航することが、あります。

 

なんとか、1つ1つのピースが上手く埋まるように構成すること、なんとか、1つ1つのピースが埋まっているかのようにおさめること(?)、というのに、苦戦することが、あります。

 

明細書翻訳のはじめや途中で「クレーム」に取り組むとき、「わ、今回ダメだ、難航する」、と思える場合が、たまにあります。

 

明細書翻訳の「はじめ」→「途中」→「終わり」、この各段階で、クレーム翻訳を行うのですが、その際、少しずつ、「明るい光」が差してくることが多いです。

 

しかし、案件によっては、「光が見えない」、場合も、あります。

 

「ああ、とうとう、明細書翻訳が、終了してしまった。しかし、クレームが、定まらない」

 

こんなとき、悲壮感、が漂いますが、その場合には、落ち着いて、クレームだけに、丸一日を、使います。

 

実際は、丸一日クレームだけとにらみ合いしている訳では無いのですが、他の翻訳部分を見直したり、リライトしたりする過程で、とにかくクレームを定めることを目標として、その日を、使います。

 

そうすれば、必ず、なんとか先が見える。

完璧でなくとも(クレーム翻訳には答えが一つではないため、なかなか、完璧、というのは、難しいです)、なんとか、パズルを組み立てあげることが、最後には、出来ることを目指します。

 

今回の案件も、とうとう、クレームが、定まってきました。

 

 

「ああ、難しい!」

 

と思いながらも、案件ごとに、1つの翻訳ストーリーがあって、必ずどこかに山場があって、そしてなんとか形にしていく、この過程こそが、特許翻訳の、醍醐味なのでしょうね。

 

もちろん、お客様の顔を、いつも頭に浮かべながら・・・。

 

 

2015年、あともう少し翻訳しますけれど、ますます特許翻訳が好きになった、一年でした。

様々な方との出会いもあり、日本の特許翻訳業界がもっともっと良い品質となっていくことができる、と確信する一年でした。

 

さてさて、日本企業様の英文特許明細書はもう大丈夫、審査官にきちんと英語が理解され、きちんと審査してもらえる、きちんと権利行使ができる、英語の問題で損をしない、そんな日が、確実に、近づいてくると思っています。

 

そんな日を、見届けることが出来たら、つまり、私たち特許翻訳者の大方の役割が終わる(?)ことが見届けられたら、本当に、嬉しいなあ、と思っています。

 

上級特許翻訳者の皆さま、「そんな日が来たら、仕事が無くなるのでは」、なんて、思わないでください。

社会全体が良い方向にすすめば、必ず、次の新たな仕事が、やってくるはずです。

何より、自分が社会に出来ること、をコツコツと積み上げて真摯な気持ちで働いていれば、必ず、その前に、道が作られていくと思います。

 

 

2015年、弊社ブログを読んでくださいまして、ありがとうございました。

 

I hope 2016 will treat you well.

(しばらくブログはお休みです。良いお年を。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続・学生さんへの言葉・・・


先のブログで、20才の学生さんへのアドバイスが上手く出来なかった、ということを書いていました。

 

講師という立場からすると、「学生時代にしておくことは」という質問に対しては、「しっかり、勉強してください」と、即座に、いうべきだったのでしょうね。

講師、失格か・・・。

 

しかし、「なぜ勉強しなくてはならないか」、の答えのほうを自分自身が「身を持って」示さないまま、ただ「勉強してください」とか、「テストに向けて」とか、または「就職のため」とか、そのようなことは、言いたいとは、あまり思いませんでした。

 

「勉強する」ことの意味、そして究極的には、「学ぶこと」、「新しい知識を得ること」の人生における意味というのを、身を持って示すことが、講師には、そして大人には、大切なのではないか、と考えます。

 

しかし、情けないことに、私自身、つい最近まで、「勉強することの意味」を、あまり考えていませんでしたし、理解していませんでした。

目の前に必要になった「学び」を、ただ必死でこなしてきただけでした・・・。

 

そんな折、数年前、ある書籍を、読みました。

 

live and learn

そこには、「学ぶことの理由は、その知識を活用して、幸せになるため。」といったことが、書かれていました。

 

 

なるほど、と妙に、納得しました。

 

この書籍、いつもとても爽やかに輝いておられる、大学の理系のある先生が、「今の学生さんにすすめる本」、として挙げられていたものです。

 

それを、私も、読んでみたら、何かとてもこれまで苦しかった「勉強」というものに対して、妙に納得して、答えが出ました。

「学ぶこと」「頑張ること」、について、自分なりに、理解をしました。

 

書籍の内容は、数学者のお話で、私とは全然違う分野の、私には直接は全く関係の無いお話でしたが、苦しかった自分ともなぜか重ね合わせ、読みながら、涙がポロポロこぼれるくらいに、感動してしまいました・・・。

(なぜその時そんな風に心が動いたのか、分かりません。その時、苦しかったからかもしれません。)

 

さて、そんな「学ぶことの理由」を、このように、私は今から数年前に、やっと少し理解した訳ですけれど、最近の若い人たちは、ちょっと、違います。

 

先日、新聞を読んでいたら、次の読者の投稿が、ありました。

 

中学生、13才、の投稿でした。

 

 

切り出しは、ありがちな、兄弟の受験の話より。

 

*****

私には高校3年の兄がいるが、その兄より親のほうが「良い大学」に入ることを望んでいる。高学歴で、給料の高い会社で仕事ばかりする未来を、兄自身が本当に望んでいるとは思えない。

・・・・・中略

*****

 

この少女からの投稿、最終部分が、素晴らしい。

 

*****

良い大学に進み、高給の会社に入りたい人もいるだろう。でも私は、自分が望む未来に近づくために、幸せになるために勉強するべきだと思っている

(13才の女子中学生からの新聞投稿より)

*****

 

 

  • 「自分が望む未来に近づくために、幸せになるために勉強するべき」

 

そんなことに、今の若い人達は、早くから、気付いている。

 

日本の若い世代は、私たちが心配するようなことは、無いのではないか、と思っています。

変わらなければならないのは、そして「しっかりしないといけない」のは、むしろ、大人である私たちなのではないか、とも思っています。

 

 

そのような訳で、私たちの世代よりずっと進化していて、十分に素晴らしい、若い人からの質問へのアドバイスが、上手く、出来なかった、かな・・・。

 

 

そんな若い人達を「英語」の面で後押しする仕事も、私にとって、そしてユー・イングリッシュにとっても、大切な仕事の一つだと考えています。

 

学生さんに贈る言葉—成功の秘訣とは(?)


今年も1年、多くの講義に出かけました。

よく、運転しました。他大学の講義を1日に詰めこんでしまっているため、県をまたがり、いったり、来たり。

 

そんな大学講義も、終盤に向かってきました。

 

さて、本日聞かれた学生さんの質問。

可愛い、女の子からです。

 

  • 「先生って、20才の頃、何していましたか?」

 

え? 私、即答、出来なかった・・・。

 

私の20才?(はるか、昔・・・)。

 

何か素晴らしいことが言えれば、良かったのですけれど・・・。

 

つまり例えば、

「バリバリ学生時代から、翻訳のアルバイトしていました」、とか。

(私のテクニカルライタの先輩に、こういう方は多いです)

 

「バリバリと夢に向かって勉強していました」、とか。

 

または「アメリカにいました」、とか。

 

しかしそんなことは、皆無。

 

とっさに口から出た答えは、情けない、次の通り。

 

  • 「えっと、ここの近くのあの大学で(指を指して)、ぼーっと、していました。」
  • 「行き詰まって、毎日が、つらかった。」

 

情けない、答え。

 

学生さんの、驚いた応答。

 

「えっ?」

「だって先生、今、すごいじゃないですか。学生時代から、どうやって、準備すればいいのかな、と思って・・・。」

 

 

ごめんね、アドバイスしたいけれど、上手く、出来なかった。

 

そしてさらなる彼女からの質問:

 

  • 「学生のうちに、しておくべきこと、ありますか。」

 

私:

来た~、さらに、この質問。

 

この質問、前にも学生さんから何度か受けて、その都度、良い答えが、見つけられないのです。

 

なぜなら、この種の質問を講師にしてくる学生さんは、その方自体が、素晴らしい場合が多いのです。

私からすると、学生さんがキラキラ素晴らしくて、無理して何かしなくても、「そのままでいいよー」としか、正直、思わないのです。

 

また、私自身が、学生時代、思考錯誤しすぎていて、また模範生ではなかったですし(目的のために、勉強そっちのけで複数アルバイトを詰め100万超貯めたりして)、全く、偉そうなことが、言えない・・・。

 

そして咄嗟にでた言葉。

 

  • 「自由にすればいいんじゃないかな。」

 

我ながら、説得力不足。

 

何をすれば良いか分からないから、学生さんは聞いているんでしょ。

「自由にしろ」、なんて言われても、困るはず。

 

 

次のTEDのスピーカー(Richard St. John氏)が、少女に「どうやったら成功する?」と聞かれて、答えられなかった、って言っていますが、なんだかその種の状況に、今回、少し、似ていました。

 

”Gee. I felt really badly, because I couldn’t give her a good answer.” Richard St. John

 

(私も、I felt really badly, because I couldn’t give her a good answer.)

 

●次回、このTEDの3分ビデオ、授業で少し、見てみるかな~。

 

●TEDトーク

リチャード・セント・ジョン「成功者だけが知る、8つの秘密!」↓

https://www.ted.com/talks/richard_st_john_s_8_secrets_of_success?language=ja

 

 

 

なお、冷静に、冷静に、再度考えて、「何をすれば良い?」の答えは、次の通り。

 

私の学生さんへの答え:

 

「色々手当たり次第やってみて、自分がワクワクすること、がなんなのかを、チェックしてみるといいんじゃないかなあ。きっと、これ、楽しい、とか、これ、ワクワクする、っていうように、時間を忘れて没頭できるような、楽しいことがあると思うから。それを感じたら、続けて、やってみたら、どうかな。そして、それをするのに足りないスキルを、勉強して、しっかりと身につけることで武装して、どんどん、進んでみたら、どうかなあ。それがきっと、のちに、何か形を変えて、仕事になるよ。」

 

 

(言葉の力が、弱いなあ。)

(答えを模索しながら、人生の先輩として、もう少し上手く伝えられるように、なりたいと思います。)

 

なお、私の「学生時代、ぼーっとしていました。苦しかった。」という切り出しのTEDxトークも、もう一度、ここにペーストしてみます。(日本語字幕や英語字幕など、付きました)

 

●TEDxトーク

シンプルイングリッシュのススメ:中山裕木子 ↓

http://tedxtalks.ted.com/video/Simple-English-for-Everyone-Yuk;search%3AYukiko%20Nakayama

 

 

 

 

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