ユー・イングリッシュ

ユー・イングリッシュ 中山裕木子 ブログ

考えるか 考えないか


会社を設立して何が変わったか?と尋ねられることがあります。

 

個人事業で10年、翻訳業と講師業を行ってきましたので、それをそのまま引き継ぐ形で法人成りしました。したがって、実質は、何も、変わっていません。

 

講師業も翻訳業も、これまで通り、変わらずに、行っています。

 

もし変わったことがあるとすれば、「去っていく人」と「新たにお仕事を下さる方」、というように、「新しい出会い」と「少しの別れ」、があったようには思います。

私自身は何も変わらないけれど、「離れていく」ほんの少しの人、がいました。そして、それを埋めるかのように、「新しい出会い」があったように思います。

 

 

さて、もう一つだけ、変わったことがあります。

 

これまでの個人事業では、全くといっていいほど、「営業」、というものをしてきませんでした。ただただ、くださるご縁、舞い込むご縁、に対して、精一杯、邁進をしてきました。営業ゼロで10年間お仕事をいただいてこれたのは、大変、幸運なことでした。

 

さて、会社として自由度が高まった今、ほんの少しだけですが、私のほうから、「会いたい人」「お話をしてみたい企業様や大学様」に、働きかけをするようになりました。

 

そんな新しい出会いの中、思うことが、ありました。

 

企業や大学、その他の場所で活躍されてきたハイレベルの方々とお話すると、とてつもない、オーラを感じます。それぞれのお立場で、これまで多大なご苦労とご努力されてきたこと、それが短時間のお打ち合わせの中で、初対面でも、にじみ出てくる、ということです。

 

第一印象から、そしてお話の節々から、そのようなオーラや、人格や、ご実力、それらが見えてしまう、というのは、新しい発見であり、少し、恐ろしいことでもあります。

そのような方々と、ほんの少しの時間でも共有することができ、大変、勉強になります。

 

そんな中、先日お打ち合わせをした際の、ある方の言葉です。新しいお仕事を立ち上げられるかどうか、ということについて、同僚の方に対して、さらっと、言われた言葉ですが、私には、ストン、と腑に落ちました。

 

結局その時、やるか やらないかでしょう。

考えるか、考えないか。

頭で考えている時間って、1時間くらいじゃん。だから、考えるか 考えないかでしょう。

 

 

そのとおり、と思いました。

日々、後回しにしたり、「時間が無いから」、と言ってしまいがちな様々なことに関して、結局、「その時、実際にするかどうか」「実際に考えるかどうか」、ということだけ、のように、思います。

 

大そうに考えなくても、何でも、たいてい、1時間も考えれば、できてしまう、または、完全にはできなくても、1時間あれば、少なくとも、新しい道へ進む準備が、できてしまうのだと思います。

 

「考えるか 考えないか」「1時間使って 行うか 行わないか」、その決断こそが、このハイレベルの方々の「今」を作っているのでしょう。

 

ご自分を信じ、新しいことをどんどん進めていかれる方々に、尊敬の念を抱きました。

大阪開催第3回基礎セミナー


弊社大阪開催第3回 技術英語基礎セミナーを、無事終えることができました。

多数の方々にご参加をいただきまして、ありがとうございました。  遠方からお越しくださった方もいらっしゃり、大変恐縮でした。

ありがとうございました。

 

さて、早速ですが、一つご質問が届きましたので、ここに、補足しておきます。

 

今回はワンポイント文法講座として、関係代名詞の限定・非限定、について扱いました。

それに関連して、such asにも、実は「非限定」がある、ということに触れました。

 

 

届いたご質問:                                                       *一部文言を変えています

「such as」と「, such as(コンマあり)」の使い分けについてお教えください。

後者の場合は非限定用法になるとコメントされたと記憶しますが、「, such as(コンマあり)」の書き方はしたことがありませんでしたので、教えてください。

 

 

回答:

<, such as>は、学校などで習うことがあまりありませんが、実務では、目にすることがあります。

 

私などは、テクニカルライタになってはじめて受けた先輩テクニカルライタ(テクニカルライティングに詳しいネイティブ)によるチェックで、such asの箇所に、徹底的に、コンマを入れられました。

 

What?(何するの!?)、と思いました。

 

 

その後、少しずつ、その効能を、理解しはじめました。

 

すべてにコンマを入れる必要はありませんが、文章が長い場合であって、非限定の場合に、コンマを入れる用法を知っておくと、読みやすくなることがあります。

 

以下、ACSスタイルガイドからの引用(和訳と解説は私による)を掲載します。

 

 

*****

Phrases introduced by “such as” or “including” can be restrictive (and thus not set off by commas) or nonrestrictive (and thus set off by commas).

(such as やincluding で導入する句は、コンマで区切らない限定とコンマで区切る非限定がある)

 

限定の例:

Potassium compounds such as KCl are strong electrolytes; other potassium compounds are weak electrolytes.

 

解説:下線部分が伝えるのは「KCl といったカリウム化合物は強電解質である。」「KCl」は文中の必須情報。

 

非限定の例:

Divalent metal ions, such as magnesium(II) and zinc(II), are located inthe catalytic active sites of the enzymes.

 

解説:文章が伝えるメイン情報は「二価金属イオンは酵素の触媒活性部位に存在する」こと。二価金属イオンの一例として、つまり付加情報として、magnesium(II) とzinc(II) があげられている。

 

*****

 

このように、such asの限定・非限定について、ACSスタイルガイドには、載っています。

 

 

限定・非限定、が「関係代名詞」だけのものでないことから見えてくる、文法事項、「分詞」と「関係代名詞」の説明、「コンマが入ることの意味」、などなど、文法書の裏側に迫るような、ワンポイント文法講座を行ったつもりです。

 

 

さて、この種のワンポイントののち、第3回は、どんどんレベルアップ。

工業英検の2級と1級の問題の良い部分を使いながら、「正確・明確・簡潔に各文を書く」ことに加えて、「文章同士のつながり」までを意識したライティングを行いました。

またまた必死な感じの3時間半でした。

 

演習がすべて終わり、受講者の方に、最後に、問いかけました。

 

 

Difficult?

 

 

「うん、うん」、とうなずいてくださるご様子。

 

 

 

さて、本日皆様にお送りした言葉は、次のとおり。

 

 

All things are difficult before they are easy. by Thomas Fuller

 

 

 

 

難しく見えるからこそ、やってみようではありませんか。続けていれば必ず、やさしくなっていきます。              by Yukiko Nakayama

 

 

なぜ、セミナー?


本日セミナー(弊社開催 大阪技術英語基礎セミナー 第3回)にお越しいただいたベテラン翻訳者さんに、講座後の雑談で、尋ねられました。

 

「なぜセミナーをするの?」

 

「翻訳してたほうが、正直、お金もたくさんもらえるでしょう?」

 

「セミナー、必死で、大変そうだし」

 

 

突然の質問に、ドキっ、としました。

そして、即答、できませんでした。

 

 

即答できなかった理由は、次のとおり。

 

最近、この種の質問をされることが、なくなっていました。もうこれまでに随分伝えてきましたし、あまりに自分には講師業も定着していて、もはや「翻訳者」か「講師」か、という疑問や選択肢は、なくなっていました。

 

私は「翻訳者」であって、「講師」です。どちらかに比重を重く置くことなく、つまり、「翻訳者がついでに講師をしている」のでも、「講師が片手間に翻訳をしている」のでもなく、私は「翻訳者であり、講師」です。

 

そんな風に、私の中で答えが明確になっているため、「なぜセミナーを、」という疑問に対して、即答、できませんでした。

 

 

 

さて、今回のセミナーはさておき、翻訳業と講師業を一般的に比べると、金銭的な面では、翻訳業のほうが、はるかに利益が高いかもしれません。

 

 

大学講師は肩書きのため?、とよく言われます。

履歴書に書けるから?

 

 

イエイエ、正直、私には、もう履歴書は、必要ありません。生涯の仕事、骨をうずめる仕事である「ユー・イングリッシュ」が確定した以上、もはや、人に見せるための履歴書や肩書きは、不要と考えています。

 

 

さて、冒頭の疑問へのお返事です。

 

私がセミナーを開くのは、次の理由によります。

 

 

「テクニカルライティングを日本全体に広めるため」、です。

 

 

私のまわりの方々には、もう十二分に、テクニカルライティングの考え方や手法が広がっていますが、日本全体を見渡すと、3C(正確・明確・簡潔)に気をつけて仕事を行っている人は、ほんの一握りと思います。

 

今、自分の身体が動くうちにしっかりと働いて、テクニカルライティングを広く知っていただいて、恐れながら、日本全体の英語での技術発信力を、ぐーっと一気に、引き上げたいと思います。

 

私は日本人ですし、日本人であることを好いていて、日本を愛しています。そんな土地に私ができることは、短期間で、日本全体のテクニカルライティング力を大幅に引き上げる手伝いをすること、です。

 

それが終われば、私の「必死」な感じの仕事の使命は、おおかた終わるものと思われます。

 

 

(ちなみに、弊社のホームページ、英文は作らないの?自分で訳せばよいのに、などと尋ねられることがありました。今のところ英文HPの必要性を感じていないのは、上のことが理由です。海外の人たちではなく、まずは日本企業、日本の人たちの役に立ちたいためです。)

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