ユー・イングリッシュ

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私の次の転換期は、大手企業(XX社)の知的財産部への特許英語講座でした。工業英語協会で私が講師を務めた英文ライティング基礎セミナーに来てくださったその企業の方が、社内での特許英語の講座を企画くださったのです。

個人へのご依頼をご希望ということで、お打ち合わせから、すべて一人で行いました。講座の対象者は、XX社の知的財産部の方々60名程度、とのことでした。

 

「よく一人でXX社に立ち向かうね」、と知人は言いました。

 

私の考えとしては、「目の前に来た仕事は拒まない」こと。スケジュール的に可能でさえあれば、即答でよい返事をして、お引き受けします。難しい仕事には、返事をしてから、大いに、悩みます(笑)。

「できない仕事は自分のところにこない」、と信じて、即答したら、あとは最大限の努力をして、なんとか形を作っていきます。自分に負荷をかけることで、力がでることがあります。(“Push yourself. Physically, mentally, you’ve gotta push, push, push.” David Gallo)

 

さて、この講座、はじめは明細書の英語全般(特許英語)が中心だったのでよかったのですが、その年の5回コースを終えたのち、次は「クレーム編」と「明細書編」に分けて実施しよう、と中身が深まりました。「クレーム編」、となってくると、大勢の知的財産部のクレーム作成実務経験者を前にして、「一翻訳者」である私は、一体、何を話せばよいのでしょう。

 

そのようなこともあり、根拠を探して、「武装」をしはじめたのです。

 

毎日毎日、MPEP(米国特許審査便覧)を読み込みました。そして、関連する判例を、徹底的に読みました。さらに、Faber on Mechanics of Patent Claim Draftingという良書に出合い、実務の上での答えも、どんどん見えてきました。

 

これまでぼんやりと思っていたこと、表現を迷っていたことに、理由付けができるようになりました。

実務と理論がつながり、これまでバラバラだった知識が、一つにまとまって、理解できるようになりました。また文字通り、英語と特許が融合し、本当の意味で、「特許英語」というものが理解できるようになりました。

 

この頃から、翻訳者であっても、英語だけでなく、そしてもちろん技術だけでなく、特許の法律や特許の実務も学ぶべきだ、と考えるようになりました。

 

根拠を見つけながら、納得しながら仕事をすることは、とても楽しいことですから。

 

XX社さま、2年間にわたる特許英語講座のご依頼、本当に、ありがとうございました。またいつか、お仕事でご一緒できる機会があればよいと願うばかりです。

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