さて本日の翻訳中の、個人的な発見。
図面はマルチモニター表示するのですが、手元で確認をしたり手書きで書き込みたい時には、印刷をして、手元に置いています。
今日、「さて図面を片手に」、と思ったら、いくつかの案件の図面が、手元にありました。
そう、現時点は2件の案件がほぼ同段階なので、案件を切り替えて、並行して翻訳とチェックをしています。
時には、もう少し多くの案件の図面を並行して、手元に置く場合も、あります。
「えっと、この図面ではなくて、今欲しいのは、こっちの案件」、と図面に手を伸ばして、「あっ」と思ったこと。
そういえば、フリーランスを開始したころ、並行していくつかの案件を扱うのが、すごく苦手だったなあ・・・ということ。
フリーランスのはじめの頃は、1件納品、その日に次の1件を開始、というように、複数案件が重ならないようにして、作業をしていたことを、ふと、思い出しました。
そして、分野が違う案件、またはお客様が違う案件、が重なった時など、大変なパニックになり、2件の案件の構造が頭の中で混ざったり、全然違う案件なのに、同じ単語を使おうとして混乱してしまったり、ということが、よく、ありました。
ところが今、複数案件を、頭で綺麗に切り替えて、何の苦痛や不安も感じることなく、扱うことが、出来ている自分を、発見しました。
なお、複数案件を抵抗なく扱えるようになった理由の一つとして、ある時「分野を超えた3C(正確・明確・簡潔)」に気付いたことも、大きいかもしれません。
「分野を超えた3C(正確・明確・簡潔)」というのは、今ここでは詳しく書きませんが、過去に少し苦手としていた分野を扱ったときに、「ハッ」とひらめいたことです。
この分野はこの訳し方、そしてこのお客様はこの訳し方、またこの案件はこの訳し方、次の案件のこの和文に対してはこの訳し方、と、かなりバラバラに対応していた時期も過去にあったのですが、それらが、だんだんと、収束してきました。(もちろん個別の対応はしているのですが、スタイルが確立してきたことで、翻訳方法が、収束してきたのだと思います。)
そして、苦手分野などと恐れる必要は無い、「分野に特化した力」を超えるような、「分野を超えた3C翻訳力」というのが確かに存在する、ということに、ある時、気付きました。(それを目指して精進中です。)
そのような理由も、複数案件を並行して扱うことに、抵抗がなくなったことの助けとなっているのかもしれません。
いずれにしても、本日発見して、そして再確認したのは、次のことです。
All things are difficult before they are easy.
by Thomas Fuller (過去に勇気付けられた、英語の格言)
「難しいと思っていたこと」「苦手だと思っていたこと」が、それをただ続けていれば、気付かぬ間に、難しくなくなっている、ということです。
「どんなことも、初めからやさしいことはない。それなら、やさしいと感じる日が来るまで、続けるしかない。」
(拙著『外国出願のための特許翻訳英文作成教本』より)
今難しいなあ、と思っていることも、もう少し、しがみついて、食い下がって、継続してみようと思っています。
成功もあれば失敗もある。しかし継続をしてみないことには、何事も、深くは分からないもの、そして、決して出来るようには、ならないものです。