ユー・イングリッシュ

ユー・イングリッシュ 中山裕木子 ブログ

3月も もうすぐ終わり—新たな年へ


3月は、毎年、毎年、待ち遠しい月です。

長い冬が空け、必ず暖かい風が吹き始めるためです。

「ああ、今年も無事に乗り越えることができた」、そんな風に感謝の気持ちで一杯になるとともに、また一年頑張ろう、と決意を新たにする月でもあります。

 

弊社の決算は3月ではありませんので、決算期独特の忙しさは、ありません。

落ち着いた気持ちで、新しい年へと、備えられる月でもあります。

 

さてここ数年は、1月に大学関係のレギュラー授業を終了したあと、2月と3月は、集中講義や単発の講演などを担当させていただくことが多くなっていました。

今年も、いくつかの大学様や高専様へ、お邪魔してきました。

 

特に今年は、教員の方々向けの論文英語の講義も担当をしましたので、講義を通して、新たな気づきが多くありましたことに、感謝しています。

 

3月の講義はあと一回で、終わりです。教員の方々のお役に立てるよう、努力します。

 

さて、一つの大学様にて、講義の様子をご紹介してくださいましたので、ここに掲載いたします。

 

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英語論文セミナー(第2回目)を開催しました!2017.03.15

 

英語論文セミナー第2回目を開催しました。

11月30日(水)に開始した第1回目の英語論文セミナー

が好評でしたので、2月28日(火)に第2回目「論文執筆のための技術英語~基礎から実践まで~」を開催しました。

 

講師は前回と同様に中山裕木子先生をお招きし、鳥取地区と米子地区あわせて約40名が参加しました。

今回はセミナーを前半と後半に分け、英語論文執筆における技術を基礎から実践までじっくりと教えていただきました。

演習を取り入れながら、その場でどんどんリライトされていくセミナーは、活気にあふれ、参加者からも『実践形式がよかった』、『密度の高い講義で、具体例が多く参考になった』などの声が寄せられ大変好評でした。

 

第2回セミナーの様子:

http://www.sankaku.tottori-u.ac.jp/worksblog/5097.html

 

開催要項(第2回):

http://www.sankaku.tottori-u.ac.jp/wp-content/uploads/sites/5/2017/01/f7ac5b22ae41f53d02f63f7ac529dcc0.jpg

 

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第1回の様子はこちら↓

http://www.sankaku.tottori-u.ac.jp/worksblog/4871.html

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お呼び下さった大学様、誠に、ありがとうございました。

一つでも、ご受講者にとってお役に立てる情報をご提供できていたことを、切に願っています。

 

 

(しかし、いつも内容を詰め込んでしまうのは、私の悪い癖です。お忙しい研究者の方々に、少しでも効率的に時間を使って学んでいただきたい、と思うあまり、資料の量、演習の量、そして説明の量も、いつも膨大になってしまいます。これは今回も、深く反省すべき点でした。今後の課題としてまいります。)

和文作成者の気持ち-特許翻訳より


発明について記載する「特許明細書」の日本語には、一読すると理解しづらいような表現が多く出てくることがあります。

 

それも、明細書によって、書いている人によって、表現が異なり、この明細書作成者は●●という表現が頻出する、この作成者は、△△という表現を好むようだ、そして同じ表現であっても、異なる明細書中では大きく違うことを意味している、といったこともあります。

 

これについて、拙著「外国出願のための特許翻訳英文作成教本」では、和文作成者に寄り添い、その人の「癖」をも理解することが大切、といったことを、書きました。

 

今回英訳担当していました特許明細書で、和文作成者の気持ちが読めない箇所が、最後まで、数点、残っていました。

 

この日本語を、この内容に使っている意図は・・・、と疑問に思いながら、全体のリライトを、重ねてきました。

 

個人的に、私はリライトに、かなりの回数を重ねます。

 

その中で、完全に納得出来ていない表現であっても、なんとか誤りだけは避けられると思われる英語に訳すことが出来るのですが、それでもなお、和文作成者の気持ちが、理解しづらいという箇所が最終段階の直前まで残ってしまう、という時が、まれにあるのです。

 

今回も、最終段階のリライトの直前まで分からないことがありました。

しかし、直前で、ようやく、分かりました。

 

「●●」とは、こういう感じの時に、この方が使われる言葉だったんだ・・・。

 

今回はもう、「ひらめき」といった感覚でした。

 

明細書翻訳では、言葉の端々を、よくよく、吟味する必要があると思っています。

 

問題となる表現(分かりにくいと思う表現)の箇所だけではなく、別の箇所の日本語も合わせて、その和文作成者の「思考」を理解するために、吟味する必要があります。

 

同じ案件の「和文」と「英文」に何度も向き合っていると、それを書いた人が、どのような日本語の癖を持っている人か、ということが、徐々に、分かってきます。

 

そして最終段階、やっとのことで、疑問だった色々な部分が即座につながり、すっきりとした状態で、英文の最終リライトへと、すすめるということがあります。

 

ある程度の経験則が理解を進めてくれる場合でも、しかしいつまでも、このような「リライト」の過程が、私には、必要です。

 

特許翻訳をはじめて15年以上がたった今も、この過程を短縮することが、できていません。

 

自分の「内容理解力」がすごく遅いのか、それとも、担当する和文の構成がたまたま難しいのか、分かりません。

 

しかし大切なことは、自分の弱点を認め、補強して、翻訳過程の途中で、必ず、「挽回」を図ること。

 

そして多くの場合、リライトに長い時間を割くことができれば、「挽回」が可能になると考えます。

そのためには、他の段階での基礎がおろそかにならないように、仕事をできる限り早く的確にできるようになっておくことは、日英特許翻訳者にとって、大切だと思っています。

 

さて、今回も大切なお客様の案件を納めることが出来て、安堵しました。

 

ご依頼くださったことに、感謝しています。

書籍への想い(3語の英語)


さて、「世界一受けたい授業」に先週出演をしましたので、もう少しだけ、拙著『会話もメールも 英語は3語で伝わります』について、書いてみたいと思います。

 

 

拙著『会話もメールも 英語は3語で伝わります』は、東京でのオリンピック開催が決まったことをきっかけに、そのアイディアの元を、思いつきました。

 

2020年の東京オリンピック、が決まった2013年を振り返ると、私個人は「7年先の自分」というのが、全く、描けませんでした。

 

その理由は拙著「外国出願のための特許翻訳英文作成教本」の執筆まっただ中でして、特許翻訳者としての歩みをまとめ、かなり心を入れ込んで作っていましたので、そのときは、今にも自分が消えてしまいそうな精神・身体の状態でした。「7年先? そんな先、全くわからない。明日だってわからないから。」と思っていました。

 

しかしその後 執筆が終わり、長い闇があけて安定を取り戻しました時、クリアになった頭で考えました。

そして、「東京オリンピックか・・・」、日本国民として、自分にも何かできることがないか・・・、と考えるにいたりました。

 

そこで頭に浮かんだことは、「シンプルイングリッシュ」のアイディアを広める、ということでした。

 

私の英語を変え、私の仕事を変え、私の人生を変えた「テクニカルライティング(=シンプルイングリッシュ)」は、日本のみなさんの英語を「短時間で一気に」変える、という力を持っているのではないか、と思ったわけです。

 

これまで、理系の研究者(大学の先生や大学院生、学部生)、そして特許関係の方々、また技術翻訳者の方々を対象として、「シンプルイングリッシュ」を伝えてきました。

特許の書籍が終われば次はすぐに論文関係に着手する・・・、と考えていたのですが、そこに「Simple English for Everyone」というこれまでと少し異なる取り組みを、挟むことを考えました。

 

私自身がシンプルイングリッシュに救われたため、広く一般の人々、ビジネスパーソン、また若い世代(中高生・大学生)にも、シンプルイングリッシュについて知っていただくことにより、英語の苦手度が減ったり、英語を使いやすくなったりするのではないか、と考えたためです。

 

また、大学で講義をする中で、ここ最近の若い人たちを見ていると、確実に、着実に、英語力が上がってきています。1年前にブログを書いていたときも、そのことを強く、感じていました。( http://www.u-english.co.jp/blog/?m=201601

 

英語に触れることが日常多くなってきた環境のため、また彼らの積極性が増してきたため、でもあるでしょう。

そんなタイミングでの、あと「一押し」がとても重要とも、考えたのです。

 

まずは次のスピーチを、公の場で、行ってみました。

 

Simple English for Everyone

TEDx Yukiko Nakayama 2015

 

 

聞いてくださっていた私立中高の先生が、海外に留学予定の自分たちの生徒にシンプルイングリッシュを伝えたい、と熱くおっしゃってくださったことが、嬉しかったです。ネイティブの先生で、「日本の英語教育を変えたい」とおっしゃっていました。

 

その後、TEDxトークでのアイディアを引き継ぎつつ、より包括的に英文法を含めて、シンプルイングリッシュについて平易に知ることができるような書籍を作りたいと思いました結果、『会話もメールも 英語は3語で伝わります』が誕生しました。

 

拙著で「3語の英語」に焦点を当てることになったのは、シンプルイングリッシュ(テクニカルライティング)の中で最も大切なエッセンス、そして私自身も、過去に最もインパクトを受けたエッセンスが、「誰かが 何かを する」という「SVO」だったからです。

 

日本人の英語基礎力は、学校教育のために、皆が一定の、良いレベルにあると思います。

その英語力を、 「3語の英語」を切り口にして、一気に、実際に使えるものへと、変えていってもらえるといいな、というような願いを込めて、書きました。

(なお、拙著でもコラムに書いていますが、実際には、SVOを中心としながら、SV, SVC, SVOの3つを使うことができます。)

 

 

さて、2020年の頃、シンプルに伝わる英語で世界の方々を迎えられる日本になっていることの一助となれば、幸いです。

(あと3年。私ももう少し、頑張るつもりです。急がなければ・・・。)

 

拙著を皆さまのお手にとっていただいていますことに、心より感謝しています。

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