ユー・イングリッシュ

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10年間 続けてきたこと


2016年はあと少し。

 

12月は少し遠方への出張が続いたり、新しい類のお仕事もありまして、少しペースを崩してしまっていましたが、なんとか乗り切りまして、ようやく、終わりが見えてきました。

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年内の講義は、あと1日だけとなりました。

 

さて今年は、この10年続けてきたお仕事を、2つ程、終了することが決まりました。

Bittersweet goodbye(ほろ苦いお別れ)です。

少しだけ未練があるかもしれませんが、しかし、良い機会、ととらえています。

 

10年・・・、十分な、ひと区切り、だと思います。

 

そのようなこともあり、今年はめずらしく、2016年の終わりに、これまでを、振り返っていました。

 

この10年、まあまあ頑張った、と言えるかな・・・。

 

 

 

さて、2017年より、また一つ一つ、積み重ねて、歩んでゆきます。

 

これからは、向かい風に立ち向かうような「攻め」の姿勢を少し緩和しまして、背中を押してくださる「風」に少しは身を任せて、自由に仕事をしてみても良いかな、とも考えています。

 

今年も良い出会いが、いくつかありましたことに、感謝しています。

 

背中を押してくださる方々とも協力させていただきながら、

Now, it’s time to move on…

 

2017年。

I hope the year will treat us well.

英語の一般書いろいろ(+ACS, AMAのこと)

今回、英語の一般書を書いたため、英語の本って沢山 出ているなあ、と久しぶりに、少し「英語事情」を垣間見てみるようなことも、してみました。

多くの英語本が出ていることに、驚きました。

 

過去にはそのような英語関係の一般書も結構読んでいたのですが、最近はめっきり、愛読書が、偏っていました。

 

ここ数年の心トキメク愛読書は、変わらず、『ACSスタイルガイド(The ACS Style Guide)』です。

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本当に、愛して、やみません。

 

とても細かいところが載っているところが、好きです。

 

●例えば、e.g.を私は、丸括弧の中だけで、使っています。つまり、本文中では、使いません。

特にACSにしたがっていたわけではないけれど、それが良いと自分で思って、そのようなスタイルに決めていたところ、ACSにも、次の記載がありました。

 

****

The ACS Style Guideより:

➤ Use “e.g.”, “i.e.”, “vs”, and “etc.” only in figure captions, in tables, and in parentheses in text. Elsewhere, spell out “for example”, “that is”, “versus”, and “and so forth”.

 

e.g., i.e., v.s, etc.などは、図面の説明(figure captions)、表(tables)、本文中の丸括弧( )でのみ使う。それ以外の箇所では、for example, that is, versus, and so forthなどとスペルアウトする。

****

 

●次に、結構多くの翻訳者の方々が、参照符号が2つある時に、systems 12, 13のように、符号を羅列しているのを目にします。それが正しいのかどうかの議論は避けて、私は、systems 12 and 13と、普通にandを使ってつないでいます。

なお、丸括弧を使う場合には、systems (12, 13)のように、andを省いてコンマでつないで、書いています。

これも、自分のスタイル(というか、納得のいく形)として、これまで採用してきましたが、このことに関連して、ACSには、次の記載があります。

 

****

The ACS Style Guideより:

➤ Use a comma between two reference callouts in parentheses or as superscripts.

Lewis (12, 13) found

Lewis12,13 found  (*12,13は上付き)

When the reference numbers are on the line, the comma is followed by a space;

when the numbers are superscripts, the comma is not followed by a space.

 

●丸括弧に入った場合に12, 13のようにandが不要になる。ちなみに、スペースは必要。12,13は×。12,13(スペース無し)は、上付き文字の場合。

****

 

丸括弧以外にも、上付き文字の場合も、andではなく、コンマでつなぐ、ということが記載されています。

また上付き文字の場合、符号同士の間には、スペースが不要です。

 

つまり、12, 13や12,13とandなしに書けるのは、上記の場合(つまり丸括弧に入った場合、および上付き文字の場合)、と理解をしています。

 

さらには、上記「丸括弧に入った場合のand不要」の前には、ダメ押しの、次の記載もあります。かなり丁寧なスタイルガイドです。

 

*****

➤ When two numbered items are cited in narrative, use “and”.
Figures 1 and 2
refs 23 and 24
compounds I and II

番号符号付きの要素を説明文で使う時、andを使ってください。

*****

 

このような、一見細かい点、にも「答え」があることを知ること、そして、自分が納得できる表現を探して翻訳スタイルを決めていくことが、翻訳者として気持ち良く仕事をすすめていくために、大切だと思っています。

 

 

個人的に、ACSの次に好きなのは、AMAスタイルガイド(AMA Manual of Style)です。

こちらも大変細かい「知りたいこと」が載っていると思います。

 

たとえば、私は、「簡単な単語」がより好ましいと思っているため、日本語に「利用する」とあっても、utilizeは通常は使いません。

より平易なuseを使います。

 

したがって、セミナーでは、次のことを、伝えてきました。

 

●utilizeはuseで代用しましょう。

●使うのは、utilization factor, utilization rate(利用率)の場合くらいです。

 

なお、utilization factor, utilization rateという表現には、やはりutilizationのほうが適切だなあ、と思って使ってきました。例えば「光利用効率」などといった文脈で、utilizationを使ってきました。

 

このことに対して、次の記載を見つけた時は、嬉しかったものです。

間違っていなかった、と自分のスタイルを後押ししてもらったようでした。

 

 

****

AMA Manual of Styleより:

Use is almost always preferable to utilize, which has the specific meaning “to find a profitable or practical use for,” suggesting the discovery of a new use for something. However, even where this meaning is intended, use would be acceptable.

 

- useはutilizeより通常好ましい

- utilizeはfind a profitable or practical use for it(有益または実用性を見出す)という意味

- その意味であっても、useが許容

(→つまりuseを使いましょう)

 

例文: utilizeが意味上正しい例

During an in-flight emergency, the surgeon utilized a coat hanger as a “trocer” during insertion of a chest tube.

 

Some urban survivors utilized plastic garbage cans as “lifeboats” to escape flooding in the aftermath of Hurricane Katrina.

 

Exception: Utilization review and utilization rate are acceptable terminology.

 

- 例外:utilization review, utilization rateはOK

****

 

 

とても良い、スタイルガイドです。

 

 

さてさて、本日の本題は、英語の一般書でした。

 

春から担当してきた技術英語研修がそろそろ終盤に向かっていますが、そこでは、「皆様の今後」→independent self-learnerまたはindependent self-editor of your Englishへ、ということを目指して、英語の勉強を続けていただくための色々な書籍を、紹介しています。

 

その中で、「英語の一般書も読んでみたい」、というご意見があったので、自宅の本棚から、一般書もいくつか、持参してみました。

またこの機会に、最近の書籍も少し買ってみましたら、結構、面白かったです。

 

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英語の一般書、色々あって、目移りするかもしれません。

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書籍は、当たりでもハズレ(?)でも、とても、良い買い物だと、思っています。

目に付くものなんでも、買ってみれば良いと考えています。

 

私も一応の著者として、本が一日で書けるものではないことを知っていますので、著者の人生をかけた産物を手の届く価格で購入できること、とても素晴らしいことだと思っています。

 

したがって、それぞれの著者に敬意を持って、知識をもらえることに感謝をしながら、本を開くようにしています。

大阪セミナーありがとうございました(備忘録も失礼します)


さて、大阪セミナー【Application Drafting and Translation Strategies for U.S. Filing of Japanese Applications】(米国出願のための特許明細書の起草と翻訳のコツ)が終了いたしました。

総勢46名の方にお申し込みいただきまして、なんとか無事に、終えることができました。

 

ご参加いただきました皆様に、心より、感謝申し上げます。

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さて、本日はセミナー報告ではなく、ご質問があった点の、備忘録(+some thoughts)を記載させていただきます。

ご質問者にメールをさせていただこうかと思いましたが、ここに、共有させていただきます。

 

●アブストラクトのお話のところで、「アブストラクトは150ワードを少しでも超えてはいけないか」についての質問がありました。

 

この質問、色々なところで、聞かれます。

 

なお、MPEP(米国特許審査便覧)の改訂(2013年)のあと、文言が「preferably not exceeding 150 words」に変わったので、150ワードの規則は緩和されたのではないか、というご意見も聞くことがあります。

 

また、「何ワード超えると指摘されるか」を調べられた、というある方によると、166ワードまで、大丈夫だった(指摘が来なかった)そうです(!)

 

さて、話は戻り、150ワードを1ワードでも超えたら、指摘をされるのか・・・。

また、MPEPの改訂後、150ワードを多少超えても、良くなったのか・・・。

 

 

このことについて、私は、次のように、考えてきました。

 

私の印象(または予想)なのですが、MPEPの改定の前後にかかわらず、前から、「150ワード」は決まりではあったけれど、厳格ではなかったのではないか、と思っています。

 

個人的に2013年よりも以前のセミナーで使っていた資料を見返してみると、次のようなMPEPからの記載を、載せていました。

 

●2012年の中山セミナーより:(MPEP改訂前)

37 CFR 1.72 Title and abstract.
(b) A brief abstract of the technical disclosure in the specification must commence on a separate sheet, preferably following the claims, under the heading “Abstract” or “Abstract of the Disclosure.” The sheet or sheets presenting the abstract may not include other parts of the application or other material. The abstract in an application filed under 35 U.S.C. 111 may not exceed 150 words in length. …

 

*ここでの記載は、may not exceed 150 words in length…です。

 

may not…と書いてありますが、例えば強い禁止を表すshall not…などではありません。

 

そして、続いて読んでいくと、次の記載があります。
C. Language and Format
The abstract should be in narrative form and generally limited to a single paragraph within the range of 50 to 150 words. The abstract should not exceed 15 lines of text. Abstracts exceeding 15 lines of text should be checked to see that it does not exceed 150 words in length since the space provided for the abstract on the computer tape by the printer is limited. If the abstract cannot be placed on the computer tape because of its excessive length, the application will be returned to the examiner for preparation of a shorter abstract.

 

*つまり、

Abstracts exceeding 15 lines of text should be checked to see that it does not exceed 150 words in length since the space provided for the abstract on the computer tape by the printer is limited.

 

「15行を上回ったら、150ワードを上回っていないかチェックされる」

という記載が当時ありました。

 

 

さて、改訂後の、現在のMPEPの記載です。

 

608.01(b)    Abstract of the Disclosure [R-07.2015]

37 C.F.R. 1.72   Title and abstract.

*****
(b) A brief abstract of the technical disclosure in the specification must commence on a separate sheet, preferably following the claims, under the heading “Abstract” or “Abstract of the Disclosure.” The sheet or sheets presenting the abstract may not include other parts of the application or other material. The abstract must be as concise as the disclosure permits, preferably not exceeding 150 words in length. The purpose of the abstract is to enable the Office and the public generally to determine quickly from a cursory inspection the nature and gist of the technical disclosure.

 

* preferably not exceeding 150 words in lengthへと、記載が変わっています。

 

私個人の考えとしては、may not exceed→preferably not exceedingに変わったからといって、大きな差は生じないのでは、というようにも、考えてきました。以前から「15行を超えたらチェック・・・」という記載を目にしていたためです。

あくまで個人的な意見ですが。

 

また、現在のMPEPの表記は、PCTの表記に似せたのかもしれない、とも個人的には、考えてきました。

 

●次の記載は、PCTです。

Regulations under the PCT

Rule 8  The Abstract

(b)  The abstract shall be as concise as the disclosure permits (preferably 50 to 150 words if it is in English or when translated into English).

 

*preferably 50 to 150 wordsという記載があります。

 

***

なお、翻訳業務としましては、150ワードを超えないように、表現を工夫して、訳します。そして万が一超えた場合には、お客様に翻訳注でご報告します。

 

***

さて、ここで、先の現在のMPEPを読み進めると、15 lines(15行)の記載も、微妙に、変わっています。

C.    Language and Format

The abstract should be in narrative form and generally limited to a single paragraph preferably within the range of 50 to 150 words in length. The abstract should not exceed 15 lines of text. Abstracts exceeding 15 lines of text or 150 words should be checked to see that they are as concise as the disclosure permits. The form and legal phraseology often used in patent claims, such as “means” and “said,” should be avoided. The abstract should sufficiently describe the disclosure to assist readers in deciding whether there is a need for consulting the full patent text for details.

 

*つまり、

Abstracts exceeding 15 lines of text or 150 words should be checked to see that they are as concise as the disclosure permits.

 

「15行または150ワードを超えると、(開示が許す限りにおいて)十分に簡潔になっているかをチェックされる」、というのです。

 

何か興味深い、記載です。

 

以前のMPEPは、「15行を超えると、150ワードを超えているかチェックされる」、そして今は、「15行または150ワードを超えると、記載の都合が許す状況において(というような意味に取れます)簡潔になっているかをチェックされる」というのです。ここは結構、変わっています。

 

これを全体として考えると、やはり以前よりも改訂後のMPEPの決まりにおいて、150ワードの決まりというのは、緩和された、というように考えるのが良いのかもしれません。

しかし、150ワードを一語でも超えてはいけなかったのが、改訂されたpreferablyになってから超えても良くなった、というのとも、少し、違うようにも思います。

 

しかしいずれにしましても、MPEPの改定において、AIAのための改定という主な点は良いとして、こうして、細かな文言が様々に変わっているところに、どのような意味を見出せば良いのかなあ・・・と、当時、思っていました。

 

当時丁度、書籍「外国出願のための特許翻訳英文作成教本」の最終チェックをしていた時に、MPEPが改定されたので、随分、原稿の修正をしました。

 

あのとき、書籍のために旧MPEPと新MPEPを読み比べていましたが、例えば機能表現のmeans forの箇所の記載が微妙に改定されていること(means for→meansになっていて、forが取れていることに気付いたり、またbe configured toなどについての記載が追加されていたり)を知った時は、何かとても、ワクワク、したものです。

何度も見比べて、それが意味することを、一人、考えてみたり・・・(答えは出ないのですけれど)

 

しかし、AIAにしてもそうなのかもしれませんが、どこかのauthorityが「ここがこのように変わったのは、こういうことを意図しているので、これからはこうなるよ」とすべてにおいて明示してくれたら分かりやすいのに、Nobody knows what will happen.な状態で、微妙な変化がprosecutionやinfringementに与える影響が徐々に出てくるまで、ただひたすら、待っている・・・。そして、その新しい法律文言が与える影響を徐々に判断をして、仕事のやり方を決めていく・・・。

Nobody knows what will happen….

 

素人の目からすると、何かとても、不思議なことです・・・。

 

さて、備忘録は終わりです。

 

大阪セミナーにご参加くださった皆様、お会いできて、良かったです。

時間を共有してくださって、誠にありがとうございました。私にとっては、皆様との特別な時間になりました。

皆様にとって、少しでも実りある時間であったことを、心より願っています。

 

また改めて、セミナーのご報告をさせていただきます。

JSTC特許英語講座です


今日は久しぶりに、JSTC特許英語講座(東京)です。

 

公益社団法人 日本工業英語協会(JSTC)の専任講師になって、10年以上が経っています。当時何もできない私に講義の機会をくださった協会の担当者様には、いくら感謝をしても、感謝しきれません。

 

初めてのセミナーでは、いくつもの苦い思い出があります。受講者の質問に答えられなかったり、必要以上に緊張してしまったり。猛烈な闇練で、なんとか克服しました。

その後も、失敗を繰り返しながら、苦戦しましたが、なんとか、「講師」を続けてくることができました。

 

そして、東京での特許英語のセミナーを、毎年担当させていただくようになりました。1年に複数回、多い時は1年に5回など、講義に行っていたと記憶しています。セミナーに向けて、毎回入念に、準備をしていました。

 

その準備は、正直結構な大変さだったのですけれど、私のイメージは、大変さを感じさせず、手際よくどんどん情報を出していくセミナー、でした。難しい内容であったとしても、楽しく、かつ好ましくは爽やかに、そして時には熱い想いを裏に持ちながら、限られた時間に詰め込んだ内容を受講者にご提供したい、と思いながら行ってきました。

 

そんなことを行っていたら、特許英語は、一冊の、書籍になりました。

「外国出願のための特許翻訳英文作成教本」の元となったのは、やはりJSTCセミナーだったように思います。

 

そんな特許英語のセミナー、日々切磋琢磨される受講者のレベルは、時と共に、どんどん、上がって行きました。受講者はもはや私から学んでいただくことは無い・・・と思うのですが、それでもリピートしてくださるので、毎回、何をご提供すれば良いか、ここ最近は、悩むことも多くなっていました。

新しくご参加くださる受講者と、リピートくださる受講者の両方の役に立つ内容、というのがあるのか、と悩むことも多くなっていました。

 

さて、今年は、特許英語セミナーをはじめた頃のような内容とスタイルを意識しながら、そして気持ち新たにして、心を込めて、セミナーを作りました。受講者の方々に少しでも役立てる内容になっていることを願っています。

 

あこがれながら通ってきた、クールな東京・・・。

これまでありがとう、東京セミナー。

 

時制について:現在形と未来のwillの違い


担当しています「技術英語」のセミナーで、助動詞について、話していました。

助動詞は、書き手の「考え」を伝えるもの。

その「考え」は、the degree of obligation(義務の度合い)を伝えたり、the degree of probability(起こりうる確率)を伝えたりする、ということをお話していました。

 

加えて、助動詞willは、the degree of probability(起こりうる確率)の中でも最高の類。

willは名詞で「意思」という意味ですから、助動詞willが読み手が伝える「考え」としては、「起こりうる確率」が最高の類、つまり事実を言い切る現在形に、限りなく近い「起こりうる確率」を表します。

 

このような助動詞willの説明ののちに、「時制」について、お話をする機会がありました。

 

ハイレベル英語ライターの方々への「時制」のポイントは、意外と理解しにくい「現在形」、です。

 

現在形は、最もよく使う時制ですが、結構、奥が深いです。

 

現在形には、「時間の概念が無い」という考え方ができます。

 

つまり、現在形は、「普遍的事実」を表す際に使うことができます。

そしてその「普遍的事実」とは、例えば「地球は丸い」や「宇宙は広い」などといった事実だけではなく、「私は英語を教えている」や「私はX社に勤めている」といった事実のことも指します。

 

「時制」を選ぶ時、「普遍的事実かそうでないかを見分けるのが、難しい」という受講生のご意見がありました。

したがって、次のように考えてはいかがでしょうか、とご提案しました。

 

テクニカルライティングの良書からの抜粋:

the simple present is used primarily to express “timeless” generalizations―that is, general statements which do not specify any particular time frame.

 

なお、この ”timeless” generalizations が、現在形は「時制が無い」ということです。

そしてその後に出てくる do not specify any particular time frame も、”timeless” generalizations を理解するために、分かりやすい描写です。

 

つまり、伝えようとしている行為(つまり動作)が particular time frame のものなのかどうか、という点を考えると、現在形を使うのが適切かどうか、の判断が平易になると思います。

 

例えば、I teach English. (私は英語を教えている) I work for X company.(私はX社に勤めている)は、「特定の時間フレーム」に限られた事実ではありません。

したがって、これらには、”timeless” generalizations を表す、現在形の使用が正しい、ということになります。

 

なお、例えばI am teaching English.  I am working for X company.  I have taught English.  I have worked for X company.というように時制を変えると、表す事実に「時間フレーム」という概念が、生じてきます。

 

さて、次に受けた質問は、次のものです。

 

「現在形に限りなく近い助動詞willと、現在形は、どのように違うのか。」

「助動詞には書き手の「意志」が入る、という説明では、分かりにくい。」

 

例えば次の例文を見てみます。

(1) Pressing the button starts the engine.

(2) Pressing the button will start the engine.

(ボタンを押すと、エンジンが始動する)

 

「この2文の違いは何か。」

 

という質問です。

 

私自身は、「違いが何か」、というより、2文の利点(読み手に対する利点)は何か?といった観点から、これまで、これらの英文をとらえていました。

 

(1)

利点:淡々と客観的に事実を述べている。そのような機能(構造)になっている、という意味を表せる。短い。

欠点:startsの動詞構造が読みづらいときがある。「条件を表すPressing the button(ボタンを押すこと)」について、読み手の理解がついていけない場合がある。

 

(2)

利点: willがあることで、読み手が「条件」であること、「その条件となれば~が起こる」という点が理解しやすい。willがあることで、時間的なズレを出せる。

欠点:一語分、長くなる。

 

「このような説明では納得がいかない」ということで、助動詞willと現在形の違いを、テクニカルライティングの洋書からの表現も含め、次のように、簡単にまとめてみました。

 

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●時制の復習

現在形:”timeless” generalization

will表現(未来への意思):logically necessary (degrees of probabilityの最上)

と、とららえていただくと、分かりやすいと思います。

 

 

そのつもりで、読んでみると・・・

●現在形は”timeless” generalization

   Pressing the button starts the engine.(普遍事実・そうなることが決まっている)

 

●will表現はlogically necessary (論理的必然)であること。

degrees of probability(確信の度合い)が最上

   Pressing the button will start the engine.(論理的に必然的にそうなる)

 

これら二つは、似ているようで、根本が「時制」か「助動詞」かという点で、大きく違う表現となっている、とも考えることができます。

 

いずれにしても、自分にとって納得のいく説明、を自分で見つけられることが、英語の正しい理解には非常に重要なのではないかと思います。

その助けとなることができるよう、講師は、努力をいたします。

 

“timeless” generalization(現在時制)とlogically necessary(助動詞will)、という英語表現は、いずれもテクニカルライティングの良書より抜き出したものですが、私にとっては、なかなか良い説明だと思っています。

 

ご質問をくださったご受講者の方々にとって、少しでも理解が進まれると良いのですが・・・。

 

以上、講師の日常から、でした。

東京セミナーありがとうございました


2016年8月 5日(金) 東京開催セミナー【Application Drafting and Translation Strategies for U.S. Filing of Japanese Applications】(米国出願のための特許明細書の起草と翻訳のコツ)を終了いたしました。

 

特許翻訳者の方々と、知的財産ご担当者(明細書起草者)の方々に、お集まりいただくことができました。

ご参加くださいました36名の方々に、心より感謝申し上げます。

 

今回のセミナーでは、明細書起草者(Application Drafter)と特許翻訳者(Translator)の二つの観点から、日本企業様の英文特許明細書をどのようにして、より良い方向へと転換していけるか、ということを、米国特許の視点から、ご受講者と共に、模索させていただきました。

 

「米国特許の視点から」という点につきましては、米国向け特許明細書では注意すべき点が少し特殊であること、また企業様の戦略として米国に重きを置いておられる場合が比較的多いというような点により、米国特許の視点を「知る」ことは、大切であると考えるためです。

その後の他国へのアレンジ(または他国を中心とした米国へのアレンジ)は、実務のご状況に応じて適宜行っていただけますと幸いです。

 

さて、東京セミナーでは、一つでも、ご受講者にとって有益となる情報をご提供できていたことを、願っています。講座のアンケートも見せていただきまして、今後の講座の改善へと、努力してまいります次第です。(ご受講いただきました方々、アンケートのご提出をどうかお願いいたします。)

 

引き続き、大阪セミナー(9月16日開催)が控えていますので、詳しい講座内容はここではお伝えをいたしませんが、ご受講くださった皆様、開催にあたってご尽力くださった皆様に、心より、感謝申し上げます。

 

講座の雰囲気のみ、ここに写真にて、お伝えをさせていたけますと幸いです。

 

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【講師のブラッド先生です。】

 

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【サブ講師(コーディネータ)の中山も、mini-翻訳レクチャを担当しました。】

 

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【今回は少し情報が多くなってしまい、またご質問もお受けしまして、少し講座時間を延長させていただくことになりました。申し訳ございませんでした。お付き合いをくださいました皆様、ありがとうございました。】

 

 

大阪セミナー(9月16日開催)のほうは、ご受講者枠が残り若干名となっています。ご参加をご予定くださっています皆様、誠に、ありがとうございます。どうかよろしくお願いいたします。

東京セミナーどうぞよろしくお願いいたします


東京開催セミナー【Application Drafting and Translation Strategies for U.S. Filing of Japanese Applications】(米国出願のための特許明細書の起草と翻訳のコツ)の日取りが、近づいてまいりました。

 

[東京開催セミナー] 2016年8月 5日(金)9:30~16:30

http://www.u-english.co.jp/seminars/2016/4.html

 

今回のセミナーでは、明細書起草者(Application Drafter)と翻訳者(Translator)の皆様にお集まりいただき、日本企業様の英文特許明細書をどのようにして、より良い方向へと転換していけるか、ということを、共に模索させていただきたい、と考えてきました。

 

翻訳者一人の力では何もできないかもしれない、しかし、Application Drafterの方々に助けていただき、教示いただき、そして強く導いていただくことで、翻訳者にも、仕事を通じて、何か日本という国が良くなっていくことに関われるのではないか、大変恐れ多いことですが、そんな思いを持ちながら、本セミナーを開催させていただく運びとなりました。

 

セミナーの準備を終えて、この写真を、眺めていました。

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USPTO・・・(米国特許商標庁)

 

 

 

私の明細書翻訳文、どうなっているのかなあ・・・。

無事、仕事を終えてくれているのだろうか・・・。

どんな審査官に、どんな風に審査されているのだろう・・・。

どのくらいの数が、無事特許になったのか・・・。

DOE(Doctrine of Equivalents)は保持できたのだろうか・・・。

英語表現は、問題無かっただろうか・・・。

 

色々なことに思いをはせながら、遠く米国を、見ていました。

 

*****

 

 

 

さて、東京セミナーは現在34名のお申込者に恵まれ、皆様に無事にお会いできますことを、講師のブラッド先生、およびサブ講師(コーディネータ)中山ともに、心待ちにしています。

 

ご参加の皆様にとって実りある1日となりますことを、心より、願っています。

 

どうかよろしくお願いいたします。

 

中山裕木子

 

 

 

 

今年も共催セミナーをどうかよろしくお願いいたします


今年もハウプトマン・ハム国際特許商標事務所のブラッド先生とのジョイントセミナーを、開催させていただく運びとなりました。

 

東京・大阪開催
Application Drafting and Translation Strategies for U.S. Filing of Japanese Applications
【米国出願のための特許明細書の起草と翻訳のコツ】

http://www.u-english.co.jp/seminars/2016/4.html (←詳細は、こちらをご覧ください)

 

日本の出願明細書をベースにして米国出願明細書を作成または英語に翻訳する際に、どのような点に気をつけるとよいか、どのような英語表現が、米国出願では問題となる可能性があるか、といったことを中心に、米国パテント・エージェントのブラッド・コープリー先生が、レクチャーをしてくださいます。

 

ブラッド・コープリー先生(パテントエージェント):

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ここがポイント!
1. 米国人特許実務講師が米国特許明細書・クレームドラフティングを教授
2. 関連条文(米国特許法101条、112条など)を実務に即して解説
3. 実務に即した英文作成法を教授

 

ご参加をおすすめしたい方々は、知的財産部門ご担当者・明細書作成者・日英特許翻訳者の方々です。

 

次のような内容を、予定しています。

 

Introduction—Roles of drafters and translators

 <イントロ:明細書作成者の役割、特許翻訳者の役割:ブラッド先生・中山>

 

1. Common drafting mistakes & consequences (Brad Copely, lecturer)

<ブラッド先生による、米国明細書ドラフティングのコツ>

 

2. Translation-specific issues (Brad Copely, lecturer)

<ブラッド先生による、英文明細書改善のコツ>

 

3. Some tips for better translation (Brad & Nakayama)

<ブラッド先生、中山による、明細書翻訳のコツ>

 

● Q&A

<質疑応答>

 

(*ブラッド先生による講義は、英語で行われます。ご受講者には、日本語でご質問いただくことが可能です。)

 

内容につきまして、昨年開催させていただきましたU.S. Patent Application Translation Strategiesと、根底となる考え方は、同じです(内容につきまして、多少の重複の可能性があります)。今年は、各種例示などによるレクチャーが中心となり、ご受講者による長文演習や事前課題は、予定していません。

 

 

私、中山裕木子は、コーディネーターとしてセミナーに参加をいたしまして、各種お手伝いをいたします。

また、セミナー中、翻訳者の観点からの補足説明があれば、必要に応じて、行ってまいります。 また今年は、明細書翻訳のコツについて、ほんの少し(1時間未満)、セミナー中のお時間をいただく予定をしています。

 

 

お申し込みのご検討いただけます場合には、以下より、どうかよろしくお願いいたします。
http://www.u-english.co.jp/seminars/2016/entry2016_4.html

 

 

●東京(8月5日 金曜日)、大阪(9月16日 金曜日)にて、みなさまにお会いできますことを、心待ちにいたします。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

4月:大学院講義より


4月に入り、理工系大学院や学部での春期講義がはじまっています。

 

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(講義教室より)

 

この教室にはじめて来たのは10年前の2006年。

以来毎年、一度も穴を開けずに、講義してきました。

 

毎年、どんな学生に出会えるかな、と楽しみにする一方で、4月、自分は昨年と比べて成長しているのだろうか、ということも、振り返ってきました。

 

自分の成長、に関しては、大きな成長は無いけれど、毎年毎年、懲りもせずに、新しいことを始めているということだけは、10年間、続けています。

 

 

さて、学生さんについて。

既に数回の授業を終えましたが、うん、今年の学生達も、やっぱり、素晴らしい。10年前も、今も、やっぱり、素晴らしい。

 

この教室で学生達に会うたびに、彼らの、これまで頑張って努力してきたという自信にあふれた姿、かつ、謙虚に新しいことを学ぶ姿勢を目の当たりにし、やっぱり、勉強というのは、しておくべきだ、と思います。

 

勉強ができるからといって素晴らしいということになるわけではないけれど、やっぱり勉強しておくと、それは自分の可能性を広げてくれるし、また、自分で幸せをつかむための助けになる、と、この教室の学生達を見ていると、思うのです。

 

 

そして、授業について。

はじめの数回の講義は、次の3つに焦点をあてています。

 

  • 3つのC(正確・明確・簡潔)
  • 名詞
  • 動詞

 

●3つのC(正確・明確・簡潔)

読み手のために書くために必要な「3つのC」。これは、コミュニケーションの大前提となります。

 

●名詞

具体的には、名詞の「数」と「冠詞」です。冠詞や数について、多少誤っていても、不具合が生じないことが多いのでは、という意見も、あります。確かに、例えば冠詞を多少間違ったからといって、不具合が生じないこと、もありです。

しかし、冠詞や数が、不具合を招くことや、冠詞や数の失敗により、理解できない文章に完成してしまうことも、あります。

また、「数」と「冠詞」の考え方や使い方を制覇すれば、書き手にとっての負担、書く時のストレス、が大幅に軽減されます。

したがって、「名詞」は、講義全体を通じて、大切に学んでいきたい内容となります。

 

●動詞

英文では、「動詞」が文章の構造を決め、伝える内容を、決めていきます。したがって、動詞の習得は、必須事項です。

授業では、動詞の基礎文法事項から、動詞の選択、そして時制や助動詞や副詞といった、動詞の「まわり」についても、固めます。

 

 

 

さて、先日の授業では、名詞の細かい習得の中で、accumulationという言葉の扱いに

受講者から疑問が出ていました。

 

「ケイ素の蓄積」、という文脈だったのですけれど、accumulationにtheをどうしても付けたい人、逆にtheを付けたくない人、そして、数えたい人、数えたくないと感じる人、と、皆、色々でした。

 

今回の文脈では、silicon accumulationで良かったのですけれど、「様々な可能性を探る」、ということは、理解し、納得して自分で表現を決めていくために、非常に、重要です。

 

また、「accumulationについて当てはまることが、他の…ionの形の動詞の名詞形すべてに同様に当てはまるかどうか」、という点も、議論が出ていました。

 

それについての私の考えは、次の通り。

 

「一概に当てはまるルールが見つかれば簡単なのですけれど、各動詞によって、使われる文脈が、異なります。従って、完全に同じようには、扱えないです。」

 

「例えば、動詞の名詞形、という点で同じでも、その動詞が持つ意味に応じて、数える文脈の想定が多い場合と、そうでない場合とがあります。」

 

「しかし、この場合はなぜそのようになり、この動詞の場合はなぜそうなるのか、とその都度よく考えることで、様々なケースにも、個別に自分で対応する力がつきます。」

 

 

●accumulationの説明のときに、少し引用した辞書の定義:

(ビジネス技術実用英語大辞典V5 英和編& 和英編 CD-ROM 版より)

 

accumulation

*蓄積, 積み重ね; an ~蓄積した物, たまった物[金銭]

 

◆the accumulation of charge 電荷の蓄積

◆accumulations of up to 7 inches were reported (最高)7インチまでの積雪が報告された

◆the accumulation of empirical experience (理論ではなく, 観測や実験に基づいた)実際的な経験の積み重ね[蓄積]

◆with little concern for the accumulation of dirt 塵が積もることをほとんど気にせずに

◆prevent accumulation of cholesterol in the liver コレステロールが肝臓にたまるのを防ぐ

◆counter the accumulation [buildup] of static electricity 静電気の蓄積を抑える

 

 

***

この辞書の定義から理解できることは、次のとおり:

- accumulationは可算・不可算のいずれも可能

 

- the accumulation of charge, the accumulation of empirical experienceなどのようにtheからof …までをひとまとまりにくくりって表現したい場合には、theが有効

 

- または、with little concern for the accumulation of dirtのような場合には、「塵が積もることを本来は気にする必要があるのだけれど、今回は気にしなくてよい」というように、文脈上、「問題としてあるもの」としてのtheが付いていると思われる

 

同様に、counter the accumulation of static electricityも、「既にある問題」としてのthe accumulation of static electricityとthe付きで書かれていると思われる

 

- 一方で、prevent accumulation of cholesterol in the liverでは、コレステロールが肝臓にたまることが起こるかどうか分からないけれど、それが起こりえる場合に、それを防げる、という書き方なので、accumulation of…という同じ形であっても、accumulationの前にはtheが無い

 

このthe無し表現の場合、次のように、読み進められる:

prevent (防ぐのです、何を?)

accumulation (蓄積を、何の?)

of cholesterol (コレステロールの)

in the liver(肝臓にたまるのです)

 

冠詞theが無いことで、このように、前から順に区切りながら、ゆっくりと、読み進めることができる

***

 

このような表現の精査と解説とともに、受講者の皆さんの意見を聞きながら、「それでは、今回の文脈と、今回の英文の組み立て方の中では、どのように冠詞と数を選択するのが、最も適切に状況を表し、かつ、最も読み手の負担が少ないでしょう」、というように、表現を決めていきます。

 

特に研究者の方々にとって、自分の研究に関する項目は、theを付けたい、と感じられる場合が多いように思います。

一方で、書き手のそのような「特定したいという強い気持ち」と、知らないものについてthe付きで知らされる場合の「読み手の負担」、のバランスを考えて、表現を決めることも大切です。

 

受講者の「このように書きたい」「このように表現したい」という気持ちを大切にしながら、インタラクティブに授業を進めることを、心がけています。

 

 

頭の切れる学生達や、加えて専門分野の先生から、「それではこのルールは~に適応できますか」や、「先の場合は~でしたけれど、今回~といえないのは、~という文脈の微妙な差異によるものですね」、などと、上手くまとめてもらったり、各種指摘してもらったりすることも、多くあります。

彼らの素晴らしい点は、「このような考え方が有効」という、理由付けについて理解してもらうと、後はどんどん、自分で考え、発展させていかれるところです。

 

私にとって理系大学生・院生への授業は、理工系の研究者の方々の思考回路を理解するとともに、英語表現についても一緒に分析し、学ぶことができる、貴重な勉強の機会ともなっています。

 

今年もエンジンがかかってきました。日本の将来を支える研究者の方々のために、Serve!

2月 3月の振り返り


私は個人的には、人と接することが、あまり上手ではないと思います。

これまで、とにかく目の前のことに向き合い、必死で走ってきましたので、いわゆる「人付き合い」というものを、してきませんでした。

 

「人脈」、というものが、ありませんでしたし、それを求めたことも、これまでに、ありませんでした。

 

ですから、「人生は出会いだ」などという人の言葉を目にするたびに、心が苦しくなり、「出会いか。まだ自分には、分からないなあ・・・。」などと、ため息が出るほどに、人と接することが、苦手でした。

 

そんな中、ここに来て、人生の先が見えてきた今(?)、これまでお世話になった方々には、「ありがとう」という気持ちだけは、伝えたい、と思うように、なっていました。

心残り、が無い状態にしておきたい、と。

 

 

したがって、私の今年の2月と3月は、「感謝の月」、でした。

 

これまで各種お誘いくださることがあったのに、都合を付けてこられなかった方々や、不義理の苦い思い出が心に引っかかる方々、または一度お会いしてお礼を言っておきたいと思っていた方々に、実際にお会いする機会を、設けることができました。

 

「お会いする」、といっても、自分が出向いて会っていただく場合と、なんとか理由を作って、弊社まで来ていただく場合と、がありました。

 

また「感謝」といっても、きちんとこちらからお礼が出来たとも言えず、とにかくお会いする機会を設けられただけで、逆に私のほうが、今回も沢山を与えていただいた、という結果でした。

 

その中では、特許事務所時代の先輩にも、お会いすることができました。

 

私には、決まった指導者やメンター、という方は、いません。

 

特許事務所に入ってすぐに指導してもらったネイティブテクニカルライター(素晴らしい方でした)は、私が特許明細書を2件目を訳しているところで離職され、路頭に迷いそうになりました。

 

その後は、色々な方にも翻訳を見ていただくことがありましたが、指導方法が様々で、指針が分からなくなってしまい、そこで、即座に独学を決意して、工業英検1級やMPEP(米国特許審査便覧)読破の道へと、進みました。

 

その中で、事務所時代の先輩で、ご実力を尊敬していた方がお一人、いました。

私のようなガチガチの知識や、必死の工業英検1級取得や、毎日その場を取り繕うような必死な姿とは全く異なり、とても「やわらか」で、「余裕があって」、そして「検定試験やセミナーなどとは無縁のような涼しいお姿」で、それでいて、「ものすごいご実力」「ものすごいスピード」で翻訳されていました。

 

納期が近づくと、イヤホンで音楽を聴きながらものすごい速度で翻訳を仕上げられていく姿を目の当たりにして、本当にすごいなあ、と圧倒されていました。

(私には、音楽を聴きながら翻訳をする、なんていうことは、今も昔も、全く、想像ができません。)

 

さて、そのような先輩にも、今月はお会いすることができて、良かったです。

 

相変わらずの美しさと柔らかな雰囲気で、職人肌。ツールなんて必要ない、というような圧倒的なご実力。

そんな先輩と一緒に受けた今回の講座は、これまで自分が学んでこなかった、「MSワードの使いこなし」、でした。

 

私も法人化するまで、完全ベタ打ちで、ツールがとても苦手でした。

翻訳メモリなんていらない、自分の頭が翻訳メモリ、などと傲慢なことを思ってた時期も、ありました。

(今は、ツールで翻訳が出来るようにはならないけれど、自動化できる部分があるのであれば、人為的ミスを減らすためにツールを導入しても良い、と考えています。実際に、自分の頭のメモリは、年々、能力が低下しています。しかし、ツールの苦手ぶりは相変わらすで、試行錯誤中です。)

 

MSワードで翻訳をするのか?他のソフト(エディタ)を使うのか、との議論もあるのですが、私は都合上、MSワードを、翻訳のはじめから終わりまで、使っています。

 

したがって、そのMSワードを、気持ち良く使いこなすための「ワードの使い方」に関する社内セミナーの開催を、かの有名な講師の先生に、お願いしました。

(昨年、ご縁をいただき一度お会いする機会がありましたので、今回お願いをしてみた次第です。)

 

 

for website

 

実際にセミナーを受けてみて、何かを成し遂げられた方というのは、本当に素晴らしい、ということも、分かりました。

 

講座内容の相談段階では、私のたび重なる要望にも、嫌な顔一つせず、弊社向けの完璧なセミナーを組み立ててくださいました。

12時半~17時半の5時間通し、私の好きなスタイルである「あれも、これも、詰め込んだセミナー」を、ご準備くださいまして、 必要事項を効率的に、学ばせていただきました。

講師の先生、誠に、ありがとうございました。

 

そしてお越しくださった関係者の方々にも、感謝しています。

 

 

このように、2月、3月、私には珍しく、比較的多くの方々に、お会いしました。

社内セミナーも、技術講座を中心とした計5講座、と、結構、頑張りました。

 

 

心晴れて、新しい未来、新しい仕事と、新しい関係へと、新年度を、迎えていきたいと思います。

 

大学での技術英語講義も始まりましたので、怒濤の日々の、始まりです。

 

落ち着いて、目の前の課題に、取り組んでいきたいと思います。

 

 

 

また、今回「気になっていた方々」にお会いしてみて、私はこれまで人脈を作ってこなかったけれど、気がつけば、尊敬すべき人達や素晴らしい協力者がいてくださった、ということも再確認しました。

 

皆様、誠にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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