ユー・イングリッシュ

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社内講座を開始しています:「伸縮自在なご説明」より


昨年より、社内で、技術講座を、開催しています。

各種専門分野の方にお願いをして、各分野の技術の基礎について、勉強しています。

 

これまで書籍で読んできた内容、翻訳で訳してきた内容であっても、面と向かって、専門家により解説してもらうと、それらがつながり、理解が進み、定着するのではないか、ということが、狙いです。

 

ユー・イングリッシュ講座の講師にご協力いただいている(またこれからご協力いただく)方々に、心より、感謝申し上げます。

 

実は、ユー・イングリッシュを立ち上げた時、「ユー・イングリッシュ技術カリッジ」、のような構想を、持っていました。

 

技術分野や特許の法律に関する各種講座を準備して、テクニカルライタが、弱点を強化できる、という、壮大な、コースプランでした。

 

単位制をイメージしていて、一定単位を合格して終了すれば、「~分野のテクニカルライタ」の育成修了、といったイメージでした。

 

テクニカルライティング(英語)の部門は私が講師を担当し、専門分野は、各専門の講師の方々にお願いしよう、という構想でした。

 

その構想は、具体的に進まないままですが、社内では、近い方向性へと、昨年より技術講座を開始できましたので、一歩だけ、前に進みました。

 

(なお、現在技術講座は、社内のクローズなセミナーとしていますが、もし、参加してみたいな、という技術翻訳者や技術翻訳学習者の方がいらっしゃったら、私・中山まで、ご相談をくださるといいなと思います。平日の午前や午後、弊社会議室での開催となります。)

 

 

さて、本日は、感銘を受けた、講師の先生について。

 

ご専門の中から、1項目、お教えください、と、「ある項目(X)」を、2時間でご講義いただけるよう、お願いしていました。

 

ところが、その先生、2時間で、「XとYとZ(+α)」を、教えてくださるべく、多大なご尽力を、くださいました。

 

本当に入念に、ご準備をくださっていました。

 

 

そのご講義の、素晴らしかったこと!

 

 

「伸縮自在に説明することの重要性」、からお話を開始してくださり、情報の探し方、検索サイトのまとめ方、物理のお話(相対性理論他)、から特許実務(日・米・欧)のお話(加えて判例のお話)まで、それぞれの時間をきっちりと区切り、守られ、どんどん切り替えながら、丁寧に、しかし素早く、しかも興味深く、お教えくださいました。

 

そのご講義自体が、まさに、「伸縮自在なご説明」、であって、私達受講者(4名)は、2時間の講座がまるで丸1日のように感じられ、時間が伸びた、まさに、「相対性理論」を、その講義で、体験しました。

(実際私は、「すごく時間が経った」「沢山学んだ」、と思って時計を見ると、開始から23分でしたので、驚きました。)

 

 

私自身、講師として、「時間」を非常に大切に思っていますが、時間をこんなに大切に使ってくださった素晴らしいご講義は、これまでで、はじめて、経験しました。

 

ご講座の内容、分かりやすかったです。

素晴らしかったです。

 

 

「また受けたい・・・」、「もっと受けたい・・・」、と、つい思ってしまうのは、受講者目線の、悪いところなのでしょうね。

 

「自立した学習者へ」という、自分自身がテクニカルライティングの講義でも大切に思っていることに重きをおき、今回くださった、またとない機会に、深く、感謝し、あとは自分で前にすすむべき、とも考えています。

 

それにしても、素晴らしいご講義でした。

いつも真摯なお仕事をしておられることが、にじみ出て伝わる、ご講義でした。

 

講師の先生は、私がフリーランス時代にお世話になった方でした。

 

ユー・イングリッシュへと法人化した時にその方にいただいたメッセージを心に刻みながら、初心を忘れず、また法人格としての存在意味を理解しながら仕事をするよう、努めています。

 

ありがとうございました。

 

 

 

 

道が間違っていなかったこと


知財関係のセミナーに、参加してきました。

どうしてもお会いしたい方がそのセミナーにいらしたのと、セミナーのテーマに、興味があったためです。

なかなか最近はセミナーなどに足を運ぶことができていませんでしたが、今回、行けてほんとに良かった。

 

3つ、「良いこと」がありました。

 

●1つは、セミナーの内容が素晴らしかった。

これまで何度か同じテーマのお話やセミナー・勉強会の機会がありましたが(また通学中の大学でも毎週話題を見聞きしますが)、今回は、それらが結びつくとともに、具体例と一緒に学べて、とても分かりやすい内容でした。

 

講師の先生(米国人特許弁護士)のお話がとても分かりやすく、また日本人弁理士の先生の解説や質問も、理解を助け、定着させてくれる助けとなりました。

セミナーに参加させていただけて、感謝の気持ちで一杯です。

 

●2つ目は、セミナーの内容に、必死でしたが(かなり集中しました)、なんとかついて行けたことで、これまで自分が行ってきたことや学んできたことが間違っていなかったことを知り、勇気をもらいました。

うん、私、(多分)成長(?)している!

おそらく数年前の自分には理解できなかったであろう内容でしたが、今回、大筋が理解出来たこと、そして自分の翻訳手法やこれまで持っていた知識が、今回のセミナーと一致していたことに、大きな勇気をもらいました。

 

また、いつも、私は翻訳者だから、、、と、知財関係のセミナーでは、コソコソしていました。

学んでいることを知られるのが恥ずかしいような、コソコソと講座に出て、コソコソと帰る・・・。

しかし今回、まだまだ分からないことはあるものの、以前より、少しは知財のことが、分かるようになってきたことを実感。

 

そしてセミナーに出たら、1つは必ず、質問を。

講師の先生にも、講座終了後に、しっかりと質問をしてきました。

(そうしたら、後で講師の先生に、「知財担当者ではなく翻訳者っていうから、networking(コネ作り?)のために講座に来ているのかなとはじめ思ったけれど、きちんと内容を学びにきていたんだね」、とメールをもらいました・・・。

私、networking=人脈作り、のために行動したこと、まだ一度も、無いです。

人脈というのは、「想い」さえあれば、結果として自然に形成されると考えていますので、今はただ、「想って」います(笑)。

しかし昨年は、「この人会ってみたいなあ」とぼんやり思っていた人が会いに来てくださったり、各所に呼んでくださったり、「こんな分野の方と知り合いたいな」と思っていたら、そんな方がセミナーに足を運んでくださったり、ということが多くありましたので、考えは、間違っていなかったと思っています。)

 

さて、これからは、引け目を感じたりせずに、堂々と学ばせていただこうと決意し、ようやく、学びのスタート地点に立った気持ちになりました。

 

●最後の良いこと。

3つ目は、10年間 気になっていた「お礼」が言えたこと。

なかなか機会がなくてお会いできなかったその方に、当時のことについて、ありがとうございました、と言うことができましたので、胸の中が、スッキリしました。

仕事の中でも色々な出会いがあるわけですが、少しの出会いやその方のお話などが、その後の方向性に影響を与えることがあります。

そんなわけで、10年越しのお礼が言えて、良かった。

 

さてさて、また明日から、前を向いて歩いて行けそう。

 

走って帰ろう。。。

(帰路にて書き留めました)

翻訳文を送り出す時(翻訳実務より)


なかなか難しい、案件でした。

 

機械の構造が複雑で、和文の意図の理解に、少し、時間がかかりました。

 

かなり作り込んである和文でしたが、ちょっとした漢字使いなどにより、理解するのに時間がかかる表現がありました。

 

また、図面が複雑で、参照番号が見つかりにくい場合や、また図示されていないような場合も、ありました。

関連技術から想像したり、関連案件でより見やすい図面を探したり・・・。

 

 

リライト1段階目は、かなり、言葉を増やし、文章を区切って、まずは関係を明確にしました。

その後、切ったり、つないだり、を繰り返しました。

リライト複数回を経て、自分の内容理解が、進みますと、それほど、難しくは、無くなってきました。

その後、最終リライトでは、区切っていた文章を、結構な割合で、元に戻しました。(リライトしているうちに、自然に、戻りました。)

また、加えていた言葉も、少しの工夫で、消すことができました。

 

時間をかけすぎたかな、という感じも、ありました。

(あまり時間をかけすぎると、かえって考えすぎてしまい、ベスト英訳からずれてしまうことが、あります。)

 

また、時間をかけた結果、納品が、納期の前日(しかも休日)、になってしまいました。(申し訳無い限りです。)

 

さてさて、お客様の意図に合う翻訳に、仕上げられていると良いのですが・・・。

後は、送り出すだけです。

 

十分なリライトを(自分なりに)した明細書、さあ、頑張って、その目的を、果たしてくれますように。

 

本英文明細書が、お客様の意図にかなう仕事を、してくれますように。

 

まずは目の前のお客様、そして発明者様、それから審査官、それから・・・。

 

●英文明細書、頑張って!

 

心を込めて、送り出します。(=納品)

 

 

納品は、いつも、大切な翻訳文との、bittersweet goodbye(ほろ苦いお別れ、心痛むお別れ)、です。

 

ああ、私、この仕事、好き。

 

リライトに時間をかけてしまうため、お引き受け出来る案件がごく少ない今の状況・・・。

 

心苦しい限りなのですが、今はこのように、丁寧に、仕上げていきたいと思っています。

 

さて、一息つく間もなく、次の案件に取りかかります。

仕事だから・・・のうしろに続く言葉


仕事だから・・・

 

という言葉の後ろに、何の意味が続くでしょうか。

それによって、その人の、仕事に対する気持ちが分かるように思うのですが、この後には、2つの相反する考えのうちのいずれかが、続くということを、最近、見受けました。

 

仕事だから

→しっかりとやるのは当たり前。仕事なのですから、当然、勢力込めて、全力で、頑張ってやります。

 

仕事だから

→やらなきゃいけないのは、仕方がないんです。したがって、好む好まざる関係なく、仕方が無いからとりあえず、やりすごします。

 

 

こんな風に、相反する状況、に出会いました。

 

もちろん私は、前者です。

 

つまり、次の通りです。

 

仕事だから

→勢力込めて、全力で、頑張って、やります。それが私の選択であり、歩んできた道であり、これからも私の歩んでいく道です。

 

 

前者以外、つまり、後者であるように感じていたのは、遙か昔、学生時代のアルバイトの頃のみです。(当時は、様々なアルバイトを経験しましたが、やりたくない仕事をしながら、時間が経つのを待っている。電話の応対から居酒屋やレストラン、結婚式場、国際会議の片付け、喫茶店、ファーストフード、カバン屋さん、服屋さん、郵便仕分け、家庭教師、ありとあらゆるアルバイトを経験する中、そんなとき、「仕事だから仕方が無い」、と思っていました。)

 

 

 

仕事だから・・・?

 

みなさんにとって、「仕事」とは、どのようなものなのかな、と素朴な疑問が起こりました。

 

お金を稼ぐ手段?

生活の手段?

 

それはもちろんのことなのでしょうけれど、仕事の「種類」を選ぶのは、自分自身。

その仕事を選んで、全うするのは、自分自身の選択。

 

つまり、仕事とは、「完全にやらされている」ということは決してなく、自分で選択をして、その仕事をしているのだと、思います。

 

 

つまり、上の前者と後者のうち、「前者」、であるのが本来の姿だと思うのです。

 

そんな風に考えていたところ、先日、上級翻訳者から耳にした、次の言葉・・・。

 

 

「仕事だから・・・」

 

この発言の後ろに来る言葉は、何?

私、本当に、理解できない・・・。頭の中が、多少、パニックになりました。

 

 

「仕事だから」、仕方がない

「仕事だから」、我慢する

「仕事だから」、それはそれで、それなりに、行う

 

 

このような言葉が、省略されていたような、感じを受けました。

 

 

私は今の仕事(特許翻訳・講師業)をはじめてから、仕事を、そのようにとらえたことが、一度も無かったですので、あらためて、この発言に、違和感を抱き、なんだかとても、驚きました。

 

また、正直、ショックを、受けていました。

 

大好きな特許翻訳を、自らの選択のもとにされている上級翻訳者であっても、こんな風に、仕事をとらえることがあるんだ・・・

 

実力もあって、お立場も素晴らしく、ご自身の仕事に誇りを持って、日々、精進されている方にとって、「仕事」が、そういうもの・・・?

 

仕事だから・・・?

 

 

仕事だからこそ、頑張る

仕事だからこそ、本気で行う

仕事だからこそ、愛し、添い遂げる

 

 

このように感じられなくなった時、つまり、

 

「仕事だから」、仕方がない

「仕事だから」、我慢する

「仕事だから」、それはそれで、それなりに、行う

 

 

・・・とこのように感じはじめてしまった時には、何か状況が、おかしくなってしまっているのだと、思います。

 

つまり、例えば、「組織の中で制約が多く、自分の思う仕事が出来ていない」「組織の中でなくても、自分の中で、納得のいく仕事が出来ていない」「誰かに気を使っている」「本来の自分の仕事ではないことを引き受けてしまっている」などなど。

 

私は、少しでもこのように感じてしまうことがあったとしたら、そしてそれが、長期に及んで続くようであれば、その原因を探り、その状況から脱するように、対処するつもりでいます。

 

必ず、原因があると思うのです。それを、取り除くつもりでいます。

 

ですから、「仕事だから」という言葉のうしろにある自分の感情をチェックすることは、自分自身の仕事の健康状態(健全さ)をチェックするのに、役に立つと思います。

 

(時にこのようなことを考え、自分を見つめ直します。)

クレーム翻訳はパズル!(2015年の締めくくり翻訳中)


年末まで、翻訳とリライトに励んでいます。

翻訳に始まり、翻訳で終わることが出来た一年に、今、とても感謝しています。

 

15年ほど前に特許翻訳をはじめた際、特許事務所の入所試験に、何か面白そうなパズルのような問題を、解きました。

「この数字とこの数字の関係は?」、また「これとこれがつながれば、どのような解が出るか???」

内容を上手く説明できませんが、頭を「じっ」と使って、パズルを組み立てていくように、解いていく問題でした。

 

「英語の試験じゃなくて、何でこんなことする?」

と疑問に思っていました。

 

試験の結果は良かったか悪かったか知りませんが、その問題、私は「頭がイタイ、だけど面白い!」と思いながら、必死で解いていました。

 

クレーム翻訳というのは、まさに、「ここと、ここが、つながって、このように、なって・・・」と、パズルの組み立てのようです。

 

そう、今まさに、パズルを、組み立てているところ。

 

案件によってはクレームのパズルの組み立てはとてもスムーズなのですが、和文の制約が厳しい場合など、そのパズルの組み立てが、難航することが、あります。

 

なんとか、1つ1つのピースが上手く埋まるように構成すること、なんとか、1つ1つのピースが埋まっているかのようにおさめること(?)、というのに、苦戦することが、あります。

 

明細書翻訳のはじめや途中で「クレーム」に取り組むとき、「わ、今回ダメだ、難航する」、と思える場合が、たまにあります。

 

明細書翻訳の「はじめ」→「途中」→「終わり」、この各段階で、クレーム翻訳を行うのですが、その際、少しずつ、「明るい光」が差してくることが多いです。

 

しかし、案件によっては、「光が見えない」、場合も、あります。

 

「ああ、とうとう、明細書翻訳が、終了してしまった。しかし、クレームが、定まらない」

 

こんなとき、悲壮感、が漂いますが、その場合には、落ち着いて、クレームだけに、丸一日を、使います。

 

実際は、丸一日クレームだけとにらみ合いしている訳では無いのですが、他の翻訳部分を見直したり、リライトしたりする過程で、とにかくクレームを定めることを目標として、その日を、使います。

 

そうすれば、必ず、なんとか先が見える。

完璧でなくとも(クレーム翻訳には答えが一つではないため、なかなか、完璧、というのは、難しいです)、なんとか、パズルを組み立てあげることが、最後には、出来ることを目指します。

 

今回の案件も、とうとう、クレームが、定まってきました。

 

 

「ああ、難しい!」

 

と思いながらも、案件ごとに、1つの翻訳ストーリーがあって、必ずどこかに山場があって、そしてなんとか形にしていく、この過程こそが、特許翻訳の、醍醐味なのでしょうね。

 

もちろん、お客様の顔を、いつも頭に浮かべながら・・・。

 

 

2015年、あともう少し翻訳しますけれど、ますます特許翻訳が好きになった、一年でした。

様々な方との出会いもあり、日本の特許翻訳業界がもっともっと良い品質となっていくことができる、と確信する一年でした。

 

さてさて、日本企業様の英文特許明細書はもう大丈夫、審査官にきちんと英語が理解され、きちんと審査してもらえる、きちんと権利行使ができる、英語の問題で損をしない、そんな日が、確実に、近づいてくると思っています。

 

そんな日を、見届けることが出来たら、つまり、私たち特許翻訳者の大方の役割が終わる(?)ことが見届けられたら、本当に、嬉しいなあ、と思っています。

 

上級特許翻訳者の皆さま、「そんな日が来たら、仕事が無くなるのでは」、なんて、思わないでください。

社会全体が良い方向にすすめば、必ず、次の新たな仕事が、やってくるはずです。

何より、自分が社会に出来ること、をコツコツと積み上げて真摯な気持ちで働いていれば、必ず、その前に、道が作られていくと思います。

 

 

2015年、弊社ブログを読んでくださいまして、ありがとうございました。

 

I hope 2016 will treat you well.

(しばらくブログはお休みです。良いお年を。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Faber on Mechanics of Patent Claim Drafting引用のこぼれ話


お客様と米国特許クレームに関する書籍Faber on Mechanics of Patent Claim Draftingのお話になることがありました。

 

Faber氏に熱を上げていた頃の自分を思い出しましたので、そのことについて、少し、書いてみます。

 

拙著『外国出願のための特許翻訳英文作成教本』の中では、Robert Faber氏の書籍“Faber on Mechanics of Patent Claim Drafting”を引用している箇所があります。

 

faber

 

この書籍に出会った当時は、MPEP(米国特許審査便覧)に夢中だった私。

毎朝30分、仕事の前にMPEPを読んでいたのですが、次はFaberを読み始めました。FaberにはMPEPの引用も含まれていますし、実務家による説明が加えられているため、より読みやすく、理解が進み、より興味深い、と感じました。

 

Faberを読むことで、米国特許明細書のあるべき姿が見えてきました。細かいことが色々と書いてありますので、付箋をつけながら、自分用に和訳しながら、まとめていました。そしてその勉強メモを、拙著『外国出願のための特許翻訳英文作成教本』で一部、使用しました。

 

拙著を書き上げた時、Faber氏にメールをしたことを、思い出しました。

Faber氏への感謝の気持ちと、私の書籍で引用予定があることを、また少しの質問を書いて、Faber氏に、メールをしました。

 

今の時代、誰にでもコンタクトがとれることが多く、便利です。

 

その後、返事が来たことがとても嬉しく、メールをコピー保存していました。メールの一部、ここに記載してみます。

 

*****

(2013/12/23 23:19), Robert Faber wrote:>

Dear Mr. Nakayama:

Thank you for your e-mail and the compliment to me. I am honored at your question for me. I hope and expect that your book will be well received and will be successful.

 

Best regards

Robert Faber

*****

 

このときは、Faber氏に会いに行きたい、とまで、思ったものです。最短何日で米国に行けるか?そもそも、会えるのか?(Faber氏が講師の講座がないか、探していました。)など、本気で思考を巡らしたものです。

 

今後も、そのように「会いたい人」や「没頭する書籍」との出会いがあるといいな、と思います。

翻訳注を付けない翻訳?


今回の翻訳案件は、かなり、丁寧に、行いました。納期を長くいただいていたのですが、納期の2日前まで、時間をかけてしまいました。納得のいく品質になるまで、結構、時間がかかりました。

 

丁寧にリライトしてください、ということをこのお客様にはご要望いただいていて、それを許容いただいていますので、弊社としては、本当にありがたい限りです。

 

さて、今日は「翻訳注」について、少し思ったことがありました。

 

翻訳注は、お客様との大切なコミュニケーションの場。

翻訳注をたくさん付けた方が良い、と思っている人も多いようです。

 

私が目指すのは、翻訳注の重要性を理解した上で、翻訳注をできるだけ減らせる翻訳。

 

翻訳注を付けることが重要であることは十分に理解をしていますが、その一方で、翻訳注を読むのにとても時間がかかることも、理解をしています。

 

翻訳者自身の力不足のために翻訳注を付けないといけない、というのは、全く、好ましくありません。

 

翻訳注は、お客様の時間を取ります。それが建設的であれば、とても良いと思いますが、そうでない場合、時間のロス、つまりは大きな損失、を与えてしまいます。

 

翻訳注を納品前に見直してみる。

 

翻訳の最中にメモした翻訳注は、納品段階になると、不要になっている部分が多い可能性があります。

 

つまり、翻訳者(自分)の理解不足のために、訳文が和文から逸脱してしまって、その結果、翻訳注をつけなくてはいけない、というものが、残っていることがあると思うのです。

 

今回の案件では、最終段階で、翻訳注を、ほとんど消すことができました。

例えば一つの和文に対して、2つ、3つの可能な英語表現がある中、より翻訳注が不要な表現のほう、を選ぶように、個人的には、しています。

 

しかし、翻訳注無し、というのはお客様とのコミュニケーションがとれない。

 

ですから少しだけ、翻訳注が残る、例えば、お客様側の和文の誤記修正を数点、そしてこちらからの翻訳注(翻訳の中で伝えたい内容)を1,2点、というのがベストかなあ、と考えています。

(もちろん案件によって異なるのですけれど)

 

なお、結果的に翻訳注がどうしても消せなかった案件の場合、時間のかかる翻訳注を読んでくださるであろうお客様に、感謝をしながら、納品をすることになります。

 

またそして、翻訳注に対して、さらにコメントやご質問をくださった場合、そんなに多くの時間を弊社に対して使ってくださったことに感謝をし、誠意を持って、コメントやご質問に、お答えするようにしています。

 

以上、翻訳注に関して思ったことです。

 

目指すのは働く形態?それとも働く中身?:フリーランスになりたい人へ


「フリーランスで働くことを目指す」という人は、多くいるのでしょうか。

 

先日、ある方から耳にした、このような「当たり前の夢」(?)に対しても、私は少し、違和感を、感じてしまうように、なりました。

 

一般的にありがちなこのような話にさえ、違和感がある私は、少し、感覚がおかしいのかな?と思いながら、自分の感じた「違和感」について、そのときはその方に上手く説明できなかったのですけれど、今、分析してみました。

 

「フリーランス」って、目指すものなのでしょうか?

 

なぜかというと、フリーランスは、「働く形態」であって、働く「中身」ではないからです。

 

「働き方」を目指して、仕事を選ぶの?「働き方」で絞って、仕事を決めるの?

 

では、フリーランスの利点は何?

彼ら・彼女らをそんなに惹きつける、利点は、何?

 

私のフリーランス時代10年は、それはそれは、「結構な」ものでした。

 

あの10年に戻ることはもう考えられないくらい、結構な、イバラの道(?)でした。

 

ひとたび、「一日に1万ワード訳す翻訳者」、などと誰かに言われたことがあるようですが、毎日1万ワード訳していたわけでは、ありません。

 

なお、さかのぼって特許事務所時代は、完全に素でタイプする手作業翻訳で、新規案件をもらったら、他の仕事(中間処理の英訳など)を組み合わせても、その日にだいたい6000ワードくらい、打っていました。(置換屋さんならぬ、タイプ屋さん、ですね。おかげでタイプは早くなりましたけれど・・・。)

 

でもそれで1日1万ワード訳す?、となるかというと、そうとも言えないと思います。

 

では、なぜ1日1万ワード?、と言われるようになったのか(もう今は言われないですが、過去にはたまに、知らない人に聞かれて、戸惑っていました。)、私自身も不思議に思っていましたが、あるセミナーで触れたフリーランス初期の話から、そういう噂が、立ったのかもしれません。

 

フリーランス2件目にいただいた仕事が、納期2日で、1万ワード超え、でした。

2日間の納期だというのに、「前倒し納品」にこだわった私は、とにかく納期の日の朝にならない、夜中のうちに納品したことを、記憶しています。

 

そんなフリーランスの、スタートでした。

「厳しい世界だなあ」、と思いましたが、品質を守るべく、体を張って(?)、頑張りました。

 

(なお、3件目からは、それほどひどい納期は、一度もありませんでした。そして、その数年後にお客様と話した時、そのときは納期間違いで、普通に納期を守って納品されたので驚いた、との、笑い話でした。でももしかすると、そんな2件目があったから、その後の数年、途切れることなく、継続してご依頼くださったのかもしれません。ラッキーでした(笑))

 

さて、そんなフリーランス初期の時代は、基本的に、納期1週間程度のお仕事ばかり、受けていました。1件を納品すると、たいていその納品日に次の1件をくださるので、お休みは、ありませんでした。

 

したがって、なんとか休みを捻出するために、例えば納期に対して、数日早めに仕上げて、翻訳原稿をそのまま1,2日寝かして納品、という変な手法まで、常套的に、使うようになっていました。

 

なお、「納期前」に納品しますので、翻訳原稿を2日寝かしても、少なくとも1,2日は、前倒しで、納品していました。

 

そんなわけで、1件ごとに、必死で集中していましたので、1件ごとに、「口内炎」が1つ、出来ていました。(変な話ですみませんが、これ、本当です。)

 

なお、このとき、「口内炎」とは、「すごい力(負荷)」が体にかかったとき(それをストレス、と呼ぶ人もいると思うのですが、私自身は、それを楽しんでいましたので、ストレス、とは思っていませんでした。ただただ「すごい力」と描写したい)、突発的に皮膚が変化し、出来るものだ、ということを、自分で実験しながら(?)、確信していました。

 

さてさて、そんな「フリーランス」時代を乗り越えられたのは、私自身は、「フリーランス」、を目指していたわけでは、なかったためです。

 

「フリーランス」という仕事形態自体を目指していたとしたら、そんなに苦しい毎日に、耐えられたとは、思いにくいのです。

なお、当時は「苦しい」と思ったことは一度もなく、ただただ、没頭していました。

 

私にとって、フリーランスは「必然」であっただけであって、「目指していた」ものでは、ありませんでした。

 

「必然」が私を後押しし、フリーランスになる、といった働き方が、決まってきました。

 

特許事務所に入ってからの、簡単な私の軌跡:

→特許事務所に入った。

→自分の思う仕事をしようと思うと、事務所では限界を感じるようになった。

→自分の考えるところの良い翻訳をしたかったのでフリーになった。

→フリーランスでは良いお客様に恵まれ、互いに学び、歩ませていただいた。

→フリーランスでのお客様も移り変わり、フリーという働き方に限界を感じるようになった。

→法人化した。

 

そんなわけで、仕事の「中身」を追求していると、それにフィットする形で、「働き方」、が後からついてきました。

 

このことが、今回私が、「フリーランスを目指す」、というところに感じてしまった、違和感なのだと、思います。

 

 

ねえ、特許翻訳学習中の皆さん、「フリーランスを目指す」、なんて言わないで、「良い英文明細書を日本の企業様に届けるために尽力する」、という想いを持って、特許翻訳を、始めませんか?

 

だって、「フリーランス」は、ゴールではないのですから。

 

私の価値観を強要するつもりは、ありません。皆それぞれの価値観がありますし、「仕事は仕事」、「人生の楽しみは他にある」、という考えも、大いにあると思います。

 

でも、「仕事」は日々の時間の大半を埋めることは、事実です。それが「人生の楽しみ」とオーバーラップすれば、毎日の楽しさが大きく変わり、そして仕事自体も、大きく変わっていくと思うのです。

 

さてさて、ユー・イングリッシュの翻訳に関わってくださる皆さま、「フリーランスとして独立することを目指す」や「今は我慢して修行、スキルアップを目指す」、とか「~が出来るようになることを目指す」、といった、ご自分目線な夢を超えて、もっともっと、壮大な「目的」を持って、そしてもっともっと、壮大な「テーマ」を私と一緒に実現することを願って、一緒に、仕事をしませんか。

 

そんなことにご協力くださる方は、是非、ご縁をくださると嬉しいなあ、と思っています。

 

(このような考え、暑苦しい・・・?)

(なお、もちろん結果的に「フリーランスとして独立される」時がきたら、まぶしい背中を送り出すのには、私は講師業を通じて慣れていますので、大丈夫です。)

 

クレームが固まると、他は自ずと決まってくる(特許翻訳)


「どんな順序で、明細書を翻訳しますか?」

 

と、先の名古屋セミナーの懇親会で、聞かれました。

 

この質問は、これまでもたまに聞かれることがあったのですが、これまでに、「みんな順序は一緒でしょ」、と思っていた時期が、ありました。

 

なお、拙著にも書いていますが、私は基本的には、普通に、「タイトル」→「従来技術」と訳して、そして当然のことながら「サマリー」を飛ばし、「実施例」を丁寧に訳し、そして最後に「クレーム」→「アブストラクト」→「サマリー」と訳します。

 

「これ以外の訳し方があるのか?」、と疑問に思う時代もあったのですが、ここ最近、私がやっと、重要視できるようになったのは、つまり、浅はかな自分から、ほんの少しだけ進歩したのは、これらの一連の作業の中に、「クレーム英訳」を、同時進行で、挟んでいくこと(?)、です。

 

明細書をゼロから執筆する方は、「クレーム」から書くそうですから、私たち翻訳者も、それをほんの少しだけ、取り入れることが、できると思うのです。

 

なお、拙著にはそのあたりは詳しく書いていませんが、翻訳に入る前に、必ず「クレーム」(と、理解のために「図面」)を見る、ということだけは、書いています。

 

ちなみに、この「クレーム」を明細書翻訳の際に必ず見る、という作業は、なかなか、翻訳者には、面倒なことがあるようです。

 

私は、これを日常的に義務づけるためにも、わざと、「タイトル」と「独立クレーム」の主題の関係を確認するよう、自分に義務づけています。

 

もしも翻訳に急いでいて、クレームをじっくり読んでから明細書の翻訳に入りづらい時であっても、「タイトル」は必ずはじめに訳しますから、そのときに、クレームと対応付けて確認する癖をつけておけば、そのついでに、クレームも、読んでおくことができます。

 

実際は、「少し読む」ことに加えて、「クレーム英訳に少しトライしてみる」といったことも、全訳の前に、しています。ところが、クレームすべてを英訳するのはやはりはじめは難しく、従来技術から入って技術を理解しながら、そして実施例の内容も理解できた上で、結局は、「クレーム」を、訳すことになります。

 

さて、「クレーム英訳を挟む」、というのはどういうことかというと、ある程度、その案件の技術や発明のポイントが理解できた時点で、気が向いたところで、「クレーム」をざっと訳す、という段階を加えています。(案件によりますが)。

 

ところが、この段階では、たいてい、クレーム内でつながりにくいところや、まだ表現が確定していないところがあり、明細書との対応を確認しながらなんとか訳す、という作業で、終わることになります。

 

そして、しばらくしてから(つまり、実施例やその他の部分の英訳が概ね確定してきた時点で)、クレームを再度、「じっくり」訳します。

 

その際、名詞の単複から、あらゆる表現まで、実施例を頭に描きながら、和文が意図している権利範囲を頭に描きながら、じっくりと、「クレーム内」と「クレーム間」がつながるように、書きます。

 

さて、「クレーム」が決まった!(・・・本日の実際の翻訳です)

 

そうすれば、後は実は、とっても簡単。

 

それに合わせて、実施例を調整してリライトしていけば、良いだけです。実施例で「あれ?」「ん?」「一体何?」と確信が持てなかった点や、または和文のゆらぎなどに苦戦していた点についても、「クレーム」が決まれば、重要箇所とそうでない箇所も見えますし、とても楽に、「指針」を持って、英訳できます。明細書のサポート要件、といったところも、自然に、確認ができます。

 

本日の翻訳案件は少し難しいものでしたので、この「クレームを決める」というところが、実際に、「実施例」のリライトに、とても効果的に、働いています。

 

 

・・・と、こんな感じで、ケースバイケースではあるのですが、私もほんの少しずつ、進化しているかもしれません。

 

つまり、「誰がやっても同じ順序でしょ」と思っていた浅はかな自分から、自分なりに、少しのアレンジを加えて、「クレーム」が翻訳手順のはじめと真ん中と最後に位置するよう、つまりは、「クレーム」に重きを置いた、「クレームがすべて!」という本来の翻訳へと、ほんの少しですが、近づけることが、できつつあるように思います。

 

 

最後に、今、拙著「外国出願のための特許翻訳英文作成教本」を出版して、丁度1年となりました。

 

読者の方々に感謝をするとともに、書籍をヒントとして翻訳してくださる皆様、どうかご自身で各種アレンジを加えていただいて、よりご自身で納得される、より良い英文明細書へと、進化させていただきたい、と思っています。

 

この1年、私自身は、拙著に書いていた内容を、各種、アレンジしています。

翻訳の方法も、少しずつ、変わってきていることもあります。(「核」は変わっていませんが)

 

「Faberみたいに毎年アップデートを出せば?」、などども、先日の名古屋セミナーで言っていただきましたが、さてさて、私自身はそれほどの体力がなく、地道に自分自身をアップデートしながら歩むので精一杯です。

 

1年、経ちました。

ここに自分が元気に特許翻訳できていることに、感謝の気持ちが湧き出てきます。

 

 

 

 

 

 

 

名古屋セミナー:私の収穫


Nakanishi IP Associates LLC (NIPA)社とユー・イングリッシュの共催で、先日、名古屋でセミナーを開催させていただきました。

 

強い米国特許を取得するために-米国における権利化実務の重要ポイント-
【第1部】 日米間における特許実務の違いを知ることの重要性
【第2部】 英文特許明細書のチェックポイント

 

 

第2部の私の担当部分の資料↓

seminar

 

seminar 2

 

米国代理人であるNIPA社の中西先生とは、ここ一年ほど(正確には半年ほど、かな・・・)、お仕事を、ご一緒させていただいています。

日本人による、日本人のための、丁寧で高品質なサービスが提供できないか、といったことを、一緒に模索させていただいています。

 

無駄なコストを省き、業界のすべてが一つの方向を向いて、仕事をする。そして、日本企業の適切な特許権利化、というゴールを目指す。

そのための、業界におけるそれぞれの協力関係、といったことをテーマとして(恐れ多く壮大なテーマ)、お話をさせていただきました。

 

名古屋での開催でしたが、東京や、関西や、また他の地域からも、27名の方々がお集まりくださいました。

ご参加者の皆様に、心より、感謝申し上げます。

そして共催のお声をおかけくださって、あらゆるご準備をしてくださった中西先生に、深く感謝しています。

 

ご参加者の皆様にとって、何か一つでも、有益な情報をご提供できたことを、またはせめて、楽しい時間をご提供できたことを、望むばかりです。

 

 

さて、私の方にも、とても嬉しい、セミナーの収穫が、ありました。

 

それは、ただの一翻訳者である、私の考え方、私の仕事の方法に、共感してくださる方が、いてくださったこと。

 

翻訳者、という、とてもちっぽけな存在ですが、思っていることを、話してみた。

そうしたら、「翻訳者」と「明細書作成者」、という、立場が全然違う、いわば目上の方々が、ある点において、共感してくださった、ということが、ありました。

 

これは私にとって、本当に、嬉しい出来事でした。

なんとなくではありますが、未来に向けて、明るい世界が、描けてきました。

 

皆様、ありがとうございました。

 

 

 

 

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